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スリランカ日本ビジネスカウンシルとスリランカ日本商工会との連携イベントが開催

2022年12月13日

セイロン商工会議所(Ceylon Chamber of Commerce)傘下のスリランカ日本ビジネスカウンシル(SLJBC)と、スリランカ日本商工会(JCCI)の連携イベントが、2022年12月12日にGranbell Hotel Colomboで開催されました。

セイロン商工会議所とは?

セイロン商工会議所は、イギリス領セイロン総督J A Stewart Mackenzie氏の時代の1839年に設立されています。

1954年に初めてスリランカ人の会頭が選出されています。

スリランカ国内の業界団体、地域別・部門別の商工会議所、ビジネスカウンシル、雇用者組織の連合体です。

スリランカ日本ビジネスカウンシルとは?

セイロン商工会議所の傘下には、世界各国とのビジネスカウンシルがあります。

スリランカ日本ビジネスカウンシルは、セイロン商工会議所が日本商工会議所の日本・スリランカビジネス協力委員会(JSLBCC)との覚書に基づき、1979年に設立したスリランカ・日本ビジネス協力委員会(SLJBCC)を発端としています。

スリランカ日本ビジネスカウンシルの主な目的は、スリランカと日本の間の貿易と観光の促進、投資の円滑化です。

プログラム内容

ベルーナが今年5月に開業したGranbell Hotel Colomboの9階にて各スピーカーによる挨拶・プレゼンテーション、パネルディスカッションが行われ、その後に、9階の別会場にて立食の交流会が開催されました。

Granbell Hotel Colombo 9階から眺め

SLJBC会頭からご挨拶

SLJBCの会頭を務める、Andrew the Travel Company社長のマヘン・カリヤワサン氏からご挨拶。

在スリランカ日本国大使からご挨拶

在スリランカ日本国大使の水越英明大使よりご挨拶。
二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism (JCM))を中心に、メタテクノ社の大学LNBTIや、ベルーナ社のGranbell Hotelの開業など、ITや観光分野に関するお話もありました。

駐日スリランカ大使よりご挨拶

駐日スリランカ大使のロドニー・ペレラ大使がオンラインでご挨拶。

スリランカではリニューアブルエナジーの活用が期待されること、日本でスリランカンフードが受け入れられ始め、九州でスリランカ人コミュニティーが大きくなっていること、オーガニックのキトゥルパニーが日本橋の高島屋で販売されたこと、キャンディアンダンスなどスリランカの文化についても、日本にもっと伝えていける余地があるといったお話がありました。

JCCISL会頭より在日系企業についてのご説明

2022年度のJCCISL(スリランカ日本商工会)会頭を務められている、コロンボドックヤード(尾道造船)会長の田中秀昭氏より、JCCISLの概要、在スリランカ日系企業の直面している課題についてお話がありました。
以下、お話されていたことの概要です。
◆JCCISLの概要

JCCISLは1987年に設立されて以降、会員企業数は増加傾向で現在は78社が登録。
3つの産業部門会に各社が所属し、製造部門会に19社、建築部門会に21社、商社・サービス部門会に34社が登録。

従業員数で見た各部門のトップ4〜5社。

製造部門会のトップ4社
1.尾道造船(Colombo Dockyard)
2.ノリタケ(Noritake Lanka Porcelain)
3.湖北工業(KOHOKU LANKA)
4.岡谷電機産業(Okaya Lanka)

建築部門のトップ5社
1.新日本空調
2.大成建設
3.住友三井建設
4.安藤ハザマ
5.戸田建設

商社・サービス部門のトップ4社
1.SGホールディングス(Expolanka Holdings)
2.伊藤忠商事(Dole Lanka)
3.豊田通商(Toyota Lanka)
4.ばんせい証券(Bansei Holdings)

◆日系企業の直面している課題

輸入規制
・BOI企業を除く一部の日系建設会社は、輸入規制により建設工事用の資機材の輸入が困難な状況にある。
・また、現地の下請け業者も外貨準備高が不足しているため、建設用資機材の輸入が困難な状況にある。

L/Cの開設が困難
・L/Cの開設ができないため、資機材の輸入に支障をきたしている。
・L/C開設を容易にすることを望む企業もある。

BOI企業向け機械設備輸入関税
・スリランカでは、BOI企業が製造用の機械設備を輸入する場合、5%のPAL税の支払いが必要。
・バングラデシュやインドなど他の国のBOI企業は、製造・加工用の機械設備を無税で輸入することが加納。
・BOI企業向けに製造用機械設備の輸入税免除を導入することが提案されています。

複雑な通関手続き
・BOI企業以外の建設会社では、複雑な書類作成など、通関に苦労しているところもある。
・よりシンプルでスピーディーな通関の改善が必要。

ASEANとの関税
・ASEANとのビジネスには、高い関税のために困難が伴う。
・スリランカはASEANのサプライチェーンに属していないため、ASEAN諸国とのFTAを推進する必要がある

◆締め括り

コロナ禍の2年間、日系企業は「 雇用の維持」「外貨を稼ぐ」「良質なインフラ」という3つの方針でスリランカに貢献してきたこと、BOIやEDBといった政府からの継続的な支援に感謝し、日系企業が直面している困難を解決するためのさらなる支援を期待すること、スリランカがさらなる経済発展を遂げるための大きな潜在的可能性を持っていると締めくくられました。

SLJBC会頭より活動のご紹介

SLJBC会頭のカリヤワサン氏から、SLJBCの歴史や活動内容についてお話がありました。

投資局長からのお話

投資局の局長レヌカ・ウィーラコネ氏からのお話の後に、BOI局員からBOIの概要、実績、投資へのサポート体制についてお話がありました。

輸出局会長からのお話

輸出局の会長、スレッシュ・デ・メル氏。

パネルディスカッション

在スリランカ水越大使、駐日ペレラ大使、カリヤワサンSLJBC会頭、田中JCCISL会頭、大井JETROコロンボ所長の5名によるパネルディスカッション。

JETROコロンボ所長よりお話

JETROコロンボ所長の大井氏より、日本市場向けのスリランカ観光プロモーションに関するお話がありました。
25〜34歳の女性、35歳以上の女性による傾向の違い。
若いカップル、シニアカップによる傾向の違いが紹介されました。
25〜34歳の女性はグループでの旅行することを好む一方で、35歳以上の女性は一人で旅行することを好む。
25〜34歳の女性は綺麗な写真をインスタグラムに投稿することを目的とする一方で、35歳以上の女性はエコライフに興味がある。
若いカップルはモルディブに行く人たちにいかにスリランカに立ち寄ってもらうかがポイント。モルディブで綺麗な海を十分堪能しているので、スリランカは海ではなくサファリやアーユルヴェーダなどのローカルな体験をプロモーションしたい。
シニアカップは、日中は別々に行動したがる。
大型免税店の開設、女性のための質の高いアーユルヴェーダサービスを推進することが、外国人観光客を増やす鍵になる、というお話でした。

観光振興局の会長よりお話

スリランカ観光振興局の会長チャラカ・ガジャバーフ氏より、スリランカの観光産業の可能性についてお話がありました。

水越大使より2025年大阪万博について

最後に、水越大使より、2025年大阪万博についてのお話がありました。

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