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【日本語学校巡り第4弾】South Asia Japanese Language School

2023年9月26日

こんにちは!コロンボの日本語学校巡り第3弾!今回はSouth Asia Japanese Language School – SAJSに取材してきました。

SAJSとは

学校設立の経緯

社長の川野さんにお話を伺いました。元々は建設業をされていた川野さんは当初、スリランカで不動産ビジネスをしようとされていたそうです。

現在のスリランカ人パートナーの方が8年前から日本語学校を経営し、留学ビザの申請手続きのサポートをしていたそうです。

ただ、なかなかスリランカの生徒のが学生ビザが通らない時期があったことから、技能実習生や特定技能のことを学びに日本の会社さんに話を聞きに行き、問題が起きる構造を把握して、どうしたらビザがおりて、スリランカ人の若者たちにとって良い環境を提供できるが分かったそうです。

川野さんが直接日本各地の様々な企業を訪問し、受入れ先を拡大されてきたそうです。

現在の生徒数、生徒の年齢

現在はコロンボ周辺に4つの教室を展開していて、全体で少なくとも100人以上、だいたい150人くらいの生徒が日本語を学んでいるそうです。受け入れている生徒さんの年齢は18~40歳とのこと。

先生の人数、日本人の先生の有無

今回取材させていただいたコッルピティヤの校舎には、現在先生は5人いるようです。

今現在は日本人の先生がいないそうです。これまで何人かご年配の日本人の先生を採用したものの、スリランカ人の生徒や先生たちとうまく合わなかったことから、スリランカ人の優秀な先生を日本で研修に送って育成することにしたそうです。

スリランカ人の文化や習慣を尊重しながら、生徒や現地の先生とも関係を作ってくれる方なら歓迎とのことです。若い方だと、現地に適応して頑張ってくれそうなので、そういう方の応募をお待ちしているとも、とおっしゃっていました。

SAJSはいつ設立されたか?

パートナーの方がやっていた学校を2019年に現在の場所に移転して、名前もSAJSとリブランディングしたのが2019年だそうです。そして技能実習生として日本に送り始めたのがコロナが落ち着いた2021年から。この3年間で150人を日本に送り、現在、ビザを申請しているのが100人ほど。今年はすでに50人以上送っているとの事です。

教室の設備

授業を行なっている教室は2部屋あり、スリランカの階数の数え方でビルの0階が薬局、1階はオフィス、2階が教室、4階は経理で2ヶ月前に完成した5階も教室になっているようです。

学費について

SAJSでは、本当にお金が無い貧しい家庭の学生には、必要な資金の90%程度を奨学金として会社から貸して、実際日本で働くようになってから少しずつ返してもらっているようです。入学希望で学校に来た親御さんにどうやってお金を用意したのかを確認すると、銀行から借りられず、月々の金利が7~10%ほどと高い金利でお金を借りてきたということが多かったそうです。こちらで奨学金を出すから今すぐ返済してきてください、と伝えるようにしているので、金銭トラブルは少なくなっているそうです。

スポンサードしてくださる日本企業も多く、学費やビザ申請に必要な費用は企業側で負担してくれることも多いとのこと。

川野さんたちは、全国を2ヶ月に1回巡回して、卒業生たちのアフターフォローも行っているそうです。日本に送り出して終わりではなく、日本に行ってからが始まりであり、卒業生たちが活躍してくれることが、在校生たちが働く機会を得ることにつながるので、アフターフォローが大切とのことでした。

卒業生の進路実績

以前は女子生徒の方が多かったようですが、最近は建設関係の送り先が多く、男子生徒が多いようです。建設関係以外には、介護職、水産加工や外食産業(レストランでのキッチンや接客)、ビルクリーニングなどのお仕事があるようです。生徒本人が希望の職種や会社にエントリーすることができ、オンラインまたは受け入れ先の会社の方が直接スリランカに来て面接するようです。

訪れた日は清掃会社さんによるオンライン面接が行われていました。

授業内容

現在こちらの校舎では、N5取得を目指すクラスと、企業の面接に合格してビザ申請中の子たちにN4が取得できるように教える渡航準備のクラスと、2つの授業が開校しているようでした。

日本で仕事をするのに基本的にはN5は必要だということで、日本語を初めて学ぶ学生はみんなN5クラスからスタートするとの事です。早くて4ヶ月ほどでN5の試験を通過し、ビザは申請してから半年ほどで取得することができるようです。ビザを申請してからはN4レベルの勉強に取り組むそうです。ちなみに、企業の中にはN4以上を求めている企業もあるそうです。

授業のスケジュール

N5クラスは週に4日間、平日2日間と土日に授業が行われ、日本へ行く準備クラスは月曜日から金曜日まで週に5日間9:00~15:30まで約5時間授業が行われています。試験の前になると、授業時間プラス1日あたり3時間で合計8時間日本語の勉強している生徒もいるようです。

現在はN5のクラスが20人ほど、私が実際にお会いした準備クラスには25人ほどの生徒がいました。

他の日本語学校とは違うSAJSの特徴

250人が日本の送り先に合格したという実績があるため、スリランカ内では有名になってるとの事です。また、他の日本語学校からビザの申請の手続きをやって欲しいと頼まれたりすることもあるようです。

教室は以下の4か所にあり、生徒数も多いです。
・コッルピティヤ(Kollupitiya)
・パナドゥーラ(Panadura)
・パンニピティヤ(Pannipitiya)
・タラワツゴダ(Thalawatugoda)

どうやって生徒を集めていますか?媒体は何ですか?

ウェブサイト、スリランカのテレビコマーシャル、新聞、Facebook、Instagramとかなり宣伝には力を入れているようです。

学生に質問

日本語に興味を持った理由

日本に行きたいから、日本で働きたいからとの事です。

SAJSを選んだ理由

実際に日本に行って働いている友だちの紹介でこの学校に決めたという生徒が3人ほどいました。また、先生も授業もとても良いという評判の良さからSAJSを選んだという生徒もいました。ゴールやキャンディなど、かなり遠くの地域からSAJSに通うために下宿している生徒もいるとのことです。

卒業したらやりたいこと

今回お話を聞いた生徒たちはみんなN5を持っていて既に日本企業との面接も終えて、現在日本行きのビザを申請中との事で、日本で働くことを楽しみにしているようでした。ちなみに年齢は20歳から25歳くらいでした。

実際にお会いした準備クラスの生徒は1人を除いて全員男子生徒で、みんな建設関係のお仕事をするようです。唯一の女子生徒は特定技能で介護の仕事をするようです。

日本に行ったらやりたいことは何ですか?

ディズニーランドや富士山に行きたい、日本の料理を食べたい、友だちと旅行したいと言っていました。

先生に質問

今回校舎を案内してくださったのは、オフィスのお仕事や能力試験も行っていて、実際に生徒に日本語も教えているアマルさん(男性)と、アシスタントマネージャーで主に書類関係などオフィススタッフとして働かれているクリシャーニさん(女性)です。お2人とも日本語ペラペラでした。

アマルさんは6年間日本に留学されていたようで、日本にある日本語学校に通っていたそうです。彼は日産のシルビアS14という車が大好きで、日本に行けば乗れるのでは無いか、日本では色んなことができるのでは無いか、と思っていたようです。実際日本に住みたかったそうですが、色んな事情がありスリランカに戻ってきて、2019年にSAJSができた時に先生になりました。今はたくさんのスリランカ人を日本に送りたいと思って、SAJSでお仕事されているようです。

クリシャーニさんは2年間、日本で日本語学校に通っていたようです。彼女が日本語を学ぶきっかけとなったのは彼女のお父さんがスリランカで日本人観光客向けに日本語でツアーガイドをしているようで、幼い頃からお父さんに日本語を教えてもらっていたようです。日本語の英才教育ですね。

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