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スリランカの国立病院に行ってみた!受診のステップと私立病院との違いとは?

2026年10月06日

美しい自然と世界遺産の数々、おいしい紅茶、あたたかい人々。スリランカは魅力のいっぱい詰まった国です。そんなスリランカで、私は滞在中に体調を崩してしまい、キャンディの国立病院に行くことになりました。

言葉も習慣もちがう場所での受診は、わからないことだらけ。この記事は、そのときの体験をもとにした記録です。これからもしスリランカで病院行く方の参考になればうれしいです。

まずは出発前に日本でできること

病院にかからないのがいちばんですが、備えておくと安心です。

  • 海外旅行保険に入る:入院や手術になると費用が一気に高くなります。保険会社や国によっては、キャッシュレスで受診できる提携病院がありますが、スリランカの場合、現状対応しておりません。
  • 常備薬を持っていく:胃腸薬、かぜ薬、痛み止め、アレルギーの薬など。普段飲んでいる薬は、予備も含めて多めに。
  • 薬の名前と飲んでいる理由をメモしておく:英語で書いておくと、医師に説明しやすくなります。
  • 保険会社の連絡先を、すぐ見られる場所に保存する:スマホのスクリーンショットと紙の両方があると安心です。

医療事情:国立病院と私立病院

スリランカの病院は、大きく国立病院(Government Hospital)と私立病院(Private Hospital)の2種類に分けられます。

国立病院(Government Hospital)

スリランカの国立・公立病院は、地域の小規模な医療施設から、大規模な総合病院や専門病院まで、全国に広く整備されています。スリランカでは、公的医療機関で提供される診察や入院、検査、薬などの医療サービスは、スリランカ国民であれば原則として無料で利用できます。

一方で、利用者が多いため、診察や検査までの待ち時間が長くなることも。特に大きな病院や専門外来では、混雑していることもあります。

ただし、「国立病院=設備が整っていない」というわけではありません。大規模な国立病院やTeaching Hospital(教育病院)では、専門的な診療や検査、救急医療なども行われています。支払いは現金のみの対応でした。

私立病院(Private Hospital)

私立病院は、スリランカ国民も診察や検査、薬、入院などの費用を支払って利用する医療機関です。

国立病院と比べると、専門医を選びやすいことが特徴です。また、英語が通じやすく、外国人の対応にも慣れているため、旅行中に体調を崩した際にも利用しやすいでしょう。

診察から検査、処方箋の受け取りまで、基本的に同じ施設内で完了できる病院も多くあります。検査や薬の受け取りの際に隣の棟へ移動する場合はありますが、たくさんの場所移動する必要がない点も便利です。

また、基本的にクレジットカードでの支払いにも対応しています。診察や検査、薬などの費用はそれぞれ発生するため、国立病院と比べると医療費は高くなりますが、診察や検査の内容が分かりやすく、領収書や診断書などの書類を受け取れる場合もあります。

どちらを選ぶ?

国立と私立のどちらが良い、というわけではありません。スリランカの人たちも、費用や待ち時間、何を大切にするかによって、病院を使い分けています。無料で診てもらえる国立病院は、入院などで頼りにされています。お金に余裕がある人や、医師にこだわりのある人は私立病院に行くこともあります。国立病院の医師が、私立病院でも診察していることもあると聞きました。

一方、現地に住む日本人や旅行中の外国人は、私立病院を使う人が多いのではないかと思います(あくまで私の印象です)。国立病院はシンハラ語がメインのため、私立病院の英語が通じやすく、手続きもわかりやすいからです。

大切なのは、自分の状況に合う病院を選ぶこと。
スリランカの医療事情については、外務省のホームページでも紹介されています。受診の前に、ぜひ参考にしてみてください。
参考情報:外務省 在スリランカ日本国大使館 医療機関情報

場所を選ぶなら「大きな都市」で

コロンボ、キャンディ、ゴールなどの大きな都市には、設備のととのった病院があります。一方、シーギリヤのような観光地や地方には、小さな診療所しかない場合があり、高度な治療を受けられるとは限りません。病院にかかるなら、できるだけ大きな都市でというのが鉄則です。

【体験談】キャンディの国立病院へ

ここからは、私が実際にキャンディの国立病院(Teaching Hospital Kandy)で受診したときの話です。

キャンディ滞在中、腕と脚にびっしり出る強い蕁麻疹で夜も眠れず、止まらない咳と、熱はないのに起き上がれないくらいのだるさが続きました。そんなとき、現地のスリランカ人の知人が「病院に知り合いがいるから!」と国立病院をすすめてくれました。

事前にしたこと

病院へ行く前に、いつから・どんな症状が出ているか整理し、を日本語で書き出し、AIで 英語とシンハラ語の2言語に翻訳してメモを用意しました。これを医師に見せたことで、言葉の壁があっても問診がスムーズに進みました。症状のメモは、英語だけでなく現地の言葉(タミルが多い地域だとタミル語)もあると、さらに伝わりやすくなると思います。実際に医師に見せたメモは英語ではなく、シンハラ語の方で確認しての診断でした。

受診のステップ

実際の流れは次のとおりでした。

  1. 受付
  2. 受診料の支払い(指定の窓口で)
  3. 医師の診察エリアへ
  4. 採血室へ(医師の指示で、採血する場所へ移動)
  5. 血液を自分で検査室へ運ぶ
  6. 待合スペースで待つ → 血液検査の結果を受け取る
  7. もう一度、医師の診察室へ(結果をもとに処方箋をもらう)
  8. 薬代の支払い場所へ
  9. 薬を受け取り場所へ → 終了

いちばん驚いたのは、採血のあとです。血液の入った採血管を自分で受け取り、次の検査室まで自分の手で持って歩いて、検査室へ提出というシステム。採血した血液を自分で持ち歩くという経験がなかったので不思議な感覚になりました。

そして大変だったのは、受診ステップごとに場所が異なるので、体調が優れない中、広い院内を歩き回らなければならなかったことです。待ち時間も長く、終わるころには、受診した内容とは別に、疲れから頭痛がしてきました。院内の雰囲気からは、外国人の患者さんの対応にはあまり慣れていない様子がうかがえました。医師からは「血液検査の結果次第では、私立病院に行ってね」と言われました。国立病院でも診てもらえますが、状態によっては私立病院のほうが向いていることもあるようです。

費用は、診察料と血液検査をあわせて1,600ルピー、薬代が800ルピーで、合計2,400ルピー(日本円で約1,200円ほど)でした。

体調が悪い中で、場所を初めての病院で、周りの人に場所を聞きながら歩き回るのは、想像以上に大変。一緒に行ってくれる知人がいるなら、付き添いをお願いするのがよいかもしれません。

行く場所ごとに受け取る紙たち。「あそこでなんでこの紙をださなかったの!」「なんであそこでこの紙受け取らなかったの?」と言われることがあり、たくさんの紙の中からどの紙なのか頭が混乱してしまいました。もらった紙は念のため写真を撮ると後ほどトラブルあっても確認しやすいです。
バーコードの入った真ん中の白の四角い紙が特に重要で、最初から最後までのステップ全部で提示する必要がありました。このバーコードで患者管理されているようでした。

処方箋にも違いが

私立病院の処方箋は、日本と同じように、シート(PTPシート)から1錠ずつ押し出して飲むタイプで、ジップロックに入って出てくると実際に受診したことがある方に聞きました

でも、私が国立病院でもらった薬は、シートではなく、ジップロックでもなく、口が開いたままの簡易的なビニール袋に直接入っていました。そのままだと、バッグの中で薬がこぼれたり、ほこりやゴミが入ったり、湿気でよくない状態にならないかで少し心配に思わずなります。

飲み方の説明もメモ書き程度で、あとから薬の名前や成分を調べるのは難しそうな印象。受け取るときや、近くの看護師さんに、「いつ・何回・何錠飲むか」をその場で確認しておくと安心だと思います。

処方された4種類の薬。封されず、この状態で渡されます。

処方箋とともに入っていた、シンハラ語とタミル語で案内された薬の説明書。
この場合、夜に1と、食後にチェックがついているので「この薬は、毎晩食後に1錠飲んでね」という意味になります。朝と夜2錠の飲む場合は、朝と夜の欄に「2」と記載されます。

受診前に確認したいこと

  • パスポート(またはそのコピー)を持っていく(パスポートを受診前に提示しました)
  • 現金(ルピー)を用意する
  • 症状メモ(英語と現地の言葉)を持っていく
  • 持病・アレルギー・飲んでいる薬を英語で伝えられるようにしておく
  • 領収書・診断書をもらう(保険請求用)
  • 付き添ってくれる人を探す

おわりに

海外で病院にかかるのは、想像以上に体力も気力も使います。入院になれば個室の手配などで費用も大きくふくらむので、海外旅行保険への加入は絶対に忘れずに。そして、なるべく出発前に体調を整え、常備薬も持っていって、できる備えをしておきましょう。

もし何かトラブルが起きたら、無理をせず、大きな都市の私立病院など、安心できる選択肢を頼りましょう。

ちなみに私は処方された薬で、蕁麻疹と倦怠感は翌日には治りました。咳はしばらく長引いてしまいましたが、今ではすっかり元気です。

せっかくのスリランカ旅行、皆さんが何事もなく楽しめることを願っています。

※この記事は私個人の体験にもとづくもので、料金や流れは受診した時期・病院によって変わることがあります。受診の前には、保険会社や外務省、在スリランカ日本国大使館の最新情報を確認してください。

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