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お土産購入時に知っておくと便利な「紅茶のクラスとグレード」

2021年12月21日

スリランカに旅行に来て、お土産に紅茶を買う方は多いでしょう。

スリランカには7つの産地があり、産地ごとに茶葉の味・香りに特徴があると言われています。

スリランカの紅茶専門店やスーパーマーケット、お土産ショップに行くと、紅茶の産地とともに、クラスやグレードが書かれた多種多様な紅茶が棚に並んでいて、どれを買ったらいいのか迷ってしまうと思います。

そこで、本記事では、紅茶のクラスやグレードについて解説していきます。

紅茶のクラスとは?

紅茶のクラスは茶葉の大きさ(と形状)を分類したものです。

クラスは大きく4段階に分かれています。
茶葉をカットしていない一番大きいのが「ホールリーフ」、最も小さいのが「ダスト」です。

茶葉は細かいほどに味や色が濃く出るため、一般的にミルクティーに向いているのは茶葉が小さいもので、大きい茶葉はストレートで飲むに適していると言われています。

ダスト(dust)には、”ほこり”という意味があるため品質が悪いもののイメージが湧いてしまいますが、”粉・粉末”という意味もあり、その意味の通り、粉末状の細かい茶葉がダストです。
WISDOM英和辞典によれば、dustの原義は「舞い上がる細かい粒」です。

つまり品質の高い茶葉のダストもあれば、そうでないものもあり、クラスはあくまで茶葉の大きさ(と形状)を意味します。

紅茶のグレードとは?

一方、品質を示すものを「グレード」と言います。
グレードは各クラスごとにあります。

茶葉の大きいクラスのホールリーフにも通常品、上等品、特上品があり、
茶葉の小さいクラスのダストにも通常品、上等品があります。

茶葉の名前

茶葉は茶畑から摘み取る際、1番上から5番目までは以下のように名前がついています。
1番上:FOP(フラワリー・オレンジ・ペコ)、またはTip(ティップ)※芯芽のこと
2番目:OP(オレンジ・ペコ)
3番目:P(ペコ)
4番目:PS(ペコ・スーチョン)
5番目:S(スーチョン)

このうち、2番目のOP(オレンジ・ペコ)の大きさを元に、クラスに名前がつけられています。

紅茶の4つのクラス

以下、大きい順にクラスを見ていきます。

ホールリーフ

カットしていない茶葉のクラス。
茶葉の大きさは、7〜30mmほど。
お湯で紅茶を淹れた後に、茶葉は開き、茶畑に生えていた時の形状に戻ります。

オーソドックス製法でのみ作られるクラスで、CTC製法ではこのクラスはありません。
CTC製法はブロークンリーフ以下のクラスが製造可能です。

基本のグレード名は「FOP(Flowery Orange Pekoe)」です。
上等なものには前に修飾語がついて、どんどん名前が長くなります。

上等のFOP:TGFOP(Tippy Golden Orange Pekoe)
特上のFOP:FTGFOP(Fine Tippy Golden Orange Pekoe)

ホールリーフの水色は薄めです。

ブロークンリーフ

2〜3mmの大きさにカットした茶葉のクラス。

茶葉はカットされているため、お茶を淹れた後でも、葉の形には戻りません。

基本のグレード名は「BOP(Broken Orange Pekoe)です。
ホールリーフと同様に、上等なものには前に修飾語が付きます。

上等のBOP:TGBOP(Tippy Golden Broken Orange Pekoe)
特上のBOP:FTGBOP(Fine Tippy Golden Broken Orange Pekoe)

水色はホールリーフよりも濃くなります。

ファニングス

1〜2mmの大きさにカットした茶葉のクラス。
ティーバッグに使われることが多いサイズです。

ファニングス(Fannings)は、扇風機・ファンを意味するFanの動名詞だと思います。
扁平で小さなサイズであることからの名称のようです。

基本のグレード名は「OF(Orange Fannings)」。
芯芽(ティップ、フラワリー・オレンジ・ペコ)を含む割合によって名前が変わります。

芯芽を含まないもの:OF(Orange Fannings)
芯芽を含む上等品:GOF(Golden Orange Fannings)
芯芽を多く含む特上品:BOPF(Broken Orange Pekoe Fannings)

ダスト

1mm以下の粉末状の茶葉のクラス。
こちらもティーバッグに使用されることが多いサイズです。

基本のグレード名は「D(Dust)」。
繊維が含まれる割合で上等かどうかが分かれます。

繊維量が多いローカルマーケット品:D2(Dust 2)
繊維量が通常のスタンダードな品:D(Dust)
繊維量が少ない上等品:D1(Dust 1)

D1のように、他のクラスにも名前の最後に”1″がついている場合は、上等品であることを示しています。

クラス名は業界で明確に決められたものがあるわけではなく、茶園ごとにオリジナルつける名前もあるため、無数にあります。

基本的に上等なものほど、修飾語が増えて名前が長くなる傾向があります。

名前の付け方のルールが分かると、大体どんな紅茶なのかが分かるかと思います。

オーソドックス製法とCTC製法

コロンボなどには紅茶会社直営のショップがありますが、そこに行くと各茶葉のクラスとともに、CTCと書かれているものを見ます。
これはCTC製法のことです。

紅茶の製法は大きく伝統製法である「オーソドックス製法」と、近代製法の「CTC製法」があります。

世界最大の紅茶生産国はインドで、世界最大の紅茶消費国もインドです。
インドで最も紅茶を生産しているのはアッサム地方で、そのアッサム地方で1930年代に開発された製法がCTC製法です。

Cruch(押し潰す)・Tear(引き裂く)・Curl(丸める)という加工から名前が付いています。

CTC専用機械によってCTC製法の茶は作られます。
オーソドックス製法に比べて、製造時間が約半分で、安く・早く・大量の紅茶を作ることができます。

茶葉の加工過程で茶葉の細胞が押しつぶされるため、味と香りの抽出が早く、濃くて強い風味があると言われています。

CTC製法は萎凋後に茶葉をカットしてから、Cruch(押し潰す)・Tear(引き裂く)・Curl(丸める)するプロセスに入るため、ホールリーフの紅茶はCTC製法では作れません。

CTC製法が生まれたアッサムで作られる紅茶の9割がCTC製法です。

世界2位の紅茶生産国で、世界1位の紅茶輸出国であるケニアをはじめ、東アフリカの紅茶生産国(ケニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニア、マラウィ)も多くはCTC製法です。

一方で、ダージリン、スリランカ、ネパールはオーソドックス製法の工場の方が多数派です。

参照)

日本紅茶協会:紅茶の等級
紅茶喫茶園:紅茶のグレード
日東紅茶:紅茶のマメ知識

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