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中学生で初スリランカ、大学生で大統領官邸に、社会人1年目で出版した『天国のあるスリランカ』

2020年10月17日

中学3年生の時に初めてスリランカに行き、大学1年生で大統領官邸で行われた式典に参加し、社会人1年目の11月に本の出版を実現させ、29歳で一般社団法人HAPPY FACTORYを立ち上げた侑美さんの本『天国のあるスリランカ』をご紹介します。

この本は侑美さんが中学3年生、大学1年生、大学2年生、大学3年生と4回に渡ってスリランカを訪問した時の体験を中心に書かれた本です。

侑美さんのスリランカとのつながりは幼少期に、ご両親の留守時などに預かってもらっていたおばちゃん(八幡綾子さん)の息子さん(八幡誠さん)がスリランカの教育里親制度の里親になったことから始まります。

スリランカ日本教育文化センター(SNECC)とは?

八幡誠さんが応募したのは、スリランカ日本教育文化センター(SNECC)とNPO法人C.P.I.教育文化交流推進委員会が取り組んでいる教育里親制度でした。

SNECCは1985年にスリランカ人仏教僧のスマンガラさん(SNECC理事長)とチャンダシリさん(SNECC事務局長)が始めた団体です。

1987年には、在日留学生だったスマンガラさんと交流があった小西菊文さん(NPO法人C.P.I.教育文化交流推進委員会の代表)が側面支援をして、両氏で教育里親制度を発案し、運動が開始されています。

1992年〜1994年には日本の外務省からの支援で、SNECC本部とC.P.I.スリランカ事務所が建設され、SNECCまでの道(スリランカ・ニッポン・アベニュー)も整備されています。

1998年にはSNECC内に、日本スリランカ文化協会及び郵政省国際ボランティア貯金寄付金によって保育園が建てられています。

2004年12月26日のスマトラ沖地震の被害を受けて、八幡誠さんが八幡綾子さんの遺産等でスリランカに「八幡綾子基金」を設けて、SNECC内に「八幡綾子メディカルセンター」を設立しています。運営は基金の利子で賄っているため、診察・投薬も全て無料だそうです。

2020年4月に侑美さんが立ち上げた一般社団法人HAPPY FACTORYが行っているのは、SNECCの子どもたちの里親探しです。

バス爆破テロ直後の初スリランカ訪問

中学3年生だった侑美さんは2006年6月17日、八幡綾子メディカルセンターを見学するため、スリランカに向けて出発しています。

その2日前の2006年6月15日に、バブニヤから東に行った町Kebithigollewaで60人の一般市民が犠牲になったバスの爆破テロが起きています。

2006年はスリランカ内戦に関わる攻撃が何度も起きている年で、その最中でのスリランカ訪問は入国時から軍人に銃を突きつけられる緊張感のあるものだったようですが、子どもたちの笑顔を見て、スリランカに関わっていくことを決めたそうです。

侑美さんは高校生の時に、八幡綾子さんを題材に絵本を描いています。
その時の題名が「えがおの工場」。
大学生の時に活動している団体名がHAPPY FACTORY〜えがおの工場〜
そして、2020年に立ち上げた一般社団法人がHAPPY FACTORY。
どうやら繋がっているようです。

チャンダシリ氏がコッーテの最高責任僧侶に

侑美さんの2回目のスリランカ訪問はSNECC事務局長のチャンダシリ氏がスリジャヤワルダナプラコッテの最高責任僧侶に就任する認証授与式に参加するため。

2011年2月19日、授与式の最終日はマヒンダ・ラージャパクサ大統領(当時)との式典が行われ、侑美さんも大統領官邸に行かれています。

その式典の様子はテレビニュースや新聞でも取り上げられたそうです。

東日本大震災で義援金を寄付したSNECC

2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、大学生の侑美さんはスリランカの子どもたちに呼びかけて応援メッセージ・絵を集め、活動拠点の京都、被災地の気仙沼、南三陸など全国各地に直筆メッセージを届けています。

また、ネットで検索すると、SNECCの事務局長のチャンダシリさんがスリランカの奨学金受給者からの寄付を呼びかけ、集まった寄付金112万3523円が義援金として寄付したという記事が出てきます。

これは1989年にSNECCのことを知って里親になり、スリランカに図書基金、幼稚園基金を創設した宮城県石巻市の小須田和良さんへの恩返しだったそうです。

スリランカの里親になった理由

2014年1月、大学卒業を控えた侑美さんはSNECCでの里子への奨学金授与式に参加するために4回目のスリランカを訪問しています。25人の里親が集まったそうですが、里親をされている方がなぜ里親になったのかを発言していて、とても印象的でしたので、以下に引用します。

「私は12歳のときに父親を亡くし、学校に行けなくなったので、奨学金をもらって学校に行きました。ですから、お金持ちだからではなく、私も皆さんと同じだからこそ皆さんを助けます。だから皆さんも大きくなったら、このことを次の世代の人にお返ししてください」スリランカの子どもたちに話をしてくれた日本の里親さん。

「私はね、お金がなかったから学校に行かせてもらえなかったのよ。それで、辛い思いしてきたからね。たった3万円を寄付したら子どもが学校に行けるなら、学校に行かせたいと思う。それだけよ。」なぜ里親になったのか?と聞いて、答えてくれた里親さん。

また、侑美さんのホームステイ先のホストマザーの言葉も印象的でした。
「私は飲料水を製造する会社を経営しているけれど、その水の半分以上はスリランカの学校や病院などたくさんの施設に無料で提供しているのよ。」

まとめ

侑美さんは中学、高校、大学と学内での活動でスリランカを伝える取り組みをずっと続けてきたそうです。
そして、スリランカのことをもっと伝えたい!と思い、出版社に原稿を持ち込み、侑美さんが社会人1年の2015年11月に本の出版を実現しています。

そして、今年、2020年4月に一般社団法人HAPPY FACTORYを立ち上げ、里親探しの活動をされています。

団体を立ち上げた理由を尋ねると、
「里親も里親の高齢化が進んでいて、若い人にスリランカのことを知ってもらい、若い里親を増やしたい」
とのことでした。

HAPPY FACTORY、『天国のあるスリランカ』について

HAPPY FACTORYの里親制度については、以下のホームページをご覧下さい。
一般社団法人HAPPY FACTORY公式ホームページ

書籍『天国のあるスリランカ』はアマゾンでは売り切れになっていますので、以下のページからご購入ください。

スリランカを学び、チャリティーをする!

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関連動画

インタビューVol.1「中学生で訪れた内戦中のスリランカ」

インタビューVol.2「大学生で大統領官邸へ!」

Vol.3「本を出版するまで」

Vol.4「里親制度について」

関連記事

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参照ページ

一般社団法人HAPPY FACTORY「当団体について」
なぜスリランカなのか きっかけと、いま、そして将来
2年ぶりに訪れた八幡綾子メディカルセンター
スリランカ 報告
List of attacks attributed to the LTTE, 2000s
Kebithigollewa massacre
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