7つの不思議な湯の井戸へ!港町トリンコマリーにあるカンニヤ温泉
美しいビーチと穏やかな海で知られるスリランカ東海岸の港町、トリンコマリー(Trincomalee)。その中心部から少し離れた緑豊かな場所に、古くから人々に愛されている不思議な温泉があります。今回は、四角い7つの井戸が並び、それぞれ温度が異なるとも言われているどこか神秘的なカンニヤ温泉を訪れました。
伝説が息づく神秘的な温泉
カンニヤ温泉(Kanniya Hot Wells)は、トリンコマリーの市街地から北西に約8㎞、青い海が広がるリゾートエリアから緑豊かな景色へと変わる道を抜けた場所にあります。
ここに湧き出ているのは、私たちがよく知る大きくて深い温泉街の湯船ではありません。石造りの区画の中に、四角く囲まれた7つの小さな井戸が整然と並んでいるのです。

この温泉には、インドの古い叙事詩ラーマーヤナに登場するヒンドゥー教の魔王、ラーヴァナにまつわる壮大な伝説が残されています。亡くなった母の葬儀のために、ラーヴァナが自らの剣で大地を突き刺したところ、そこから聖なる水が湧き出たという不思議な言い伝えです。
それぞれの井戸は、大人の腰あたりまでの浅い作りになっていて、底まで透き通ったきれいな水が見えます。現地では、剣によって作られた7つの井戸はそれぞれ温度が異なるとも言われており、地球の神秘を感じさせられます。実際にお湯に触れてみると、その日の気候やタイミングによっては違いが分かりにくいこともありますが、それもまた自然のままに残されている証拠のように感じます。
カンニヤ温泉の入浴スタイル
この場所は、スリランカの人々にとって単なる観光地ではなく、体へのやさしさを求めて訪れる大切な聖地。特にタミル人の間では、この温泉の水にはあらゆる病気を癒やす特別な力が宿っていると古くから信じられています。
ここでは、湯船に浸かるのではなく、井戸の横に用意されたプラスチックのバケツを使って、お湯を汲み上げて頭から豪快に浴びるのがローカルスタイルです。
聖なる水を守り、場所を清潔に保つために、敷地内では石鹸やシャンプーの使用は一切禁止されています。

実際に行ってみた!
中心部からは少し距離があるため、アクセスはトゥクトゥクをチャーターするか、往復での送迎を依頼していくのがおすすめです。

駐車場に到着し、温泉へと続く道を歩いていきます。
通り沿いにはたくさんの屋台が軒を連ねていて、どこか日本の温泉街に似た懐かしい雰囲気が漂っていました。

ゲートをくぐって

しばらく進んでいくと、チケット販売所が見えてきます。

入場料は外国人の場合、1人500ルピーでした。

さらに進むと、高い壁に囲まれたエリアが現れます。
この中に温泉があります。中へは靴を脱いで入るのがルール。

一歩足を踏み入れると、石造りの敷地の中に小さな井戸が確かに7つ並んでいました。今回は朝一番の時間帯に訪れたためか、他にお客さんはほとんどいませんでした。
基本的には、それぞれの井戸の横に置かれている小さなバケツを使用し、お湯をすくって足にかけながら楽しむというスタイル。
この日はとにかく天気が良く、かなりの暑さ。
そこに熱いお湯をかけるわけなので、正直な感想としては、とにかく暑いの一言に尽きました。せっかく温泉に来ておいての話ですが、途中で「むしろ冷たい水を浴びたい……」という気分に。
事前に聞いていた「7つの井戸でそれぞれ温度が違う」という説についても、この暑さのせいか、体感ではあまり違いが分かりませんでした。

ただ、それぞれの井戸の中を覗き込んでみると、お湯が綺麗なエメラルド色をしていてとても神秘的。よく見ると、底の方からぷくぷくと小さな泡が浮かび上がってきているのも確認できました。

現地ならではのユニークな文化を体験できる面白いスポットですが、基本的には足にお湯をかけるくらいなので、トリンコマリーの滞在スケジュールの中で時間に余裕がある方は、旅の思い出にふらっと立ち寄ってみるくらいがちょうどよいかもしれません。
おまけ:温泉後はジュースを飲みたい
カンニヤ温泉を訪れ、お湯と外気の暑さで汗をかいた後は、どうしても冷たい飲み物が恋しくなります。
トリンコマリーの中心部からカンニヤ温泉へと続く道路沿いには、いくつか屋台や売店があります。そのお店の前に出ている、鮮やかな赤い看板。

トゥクトゥクのドライバーに「これ何?」と聞いてみたところ、「サルバットだよ!飲んだことないの?」とのこと。せっかくなので寄り道をして、ドライバーと一緒に楽しんでみることにしました。

鮮やかな赤色が目を引く「サルバット(Sarbath)」は、スリランカで広く親しまれているローカルドリンク。甘いローズシロップにライムなどの柑橘系のフルーツを合わせた爽やかな味わいの一杯です。
街角の屋台やローカル食堂でもよく見かけ、地元の人たちにとってはとても身近な存在。でも大都市のコロンボや、いわゆる観光客向けのおしゃれなお店ではあまり見かけない(私の見落としかもしれませんが)、まさにローカルならではの味と言えます。
実はこのサルバット、お店によって中身や作り方が全然違います。一度ハマると色々なロケーションで飲み比べるのも楽しく、私はトリンコマリーの滞在期間中にすっかり魅了されて3回も飲んでしまいました。

とあるお店の作り方

まずはグラスの中に、たっぷりの千切りにしたパパイヤとチアシード、そしてフレッシュなオレンジの絞り汁を入れていきます。

そこに、鮮やかな赤いローズシロップと、つぶしたバナナ、さらに砕いた氷を追加。

これらの具材を一度別の容器に移し、しっかりと手際よくミックス!

きれいに混ざり合ったら、再びコップに注いで完成です。

出来上がったサルバットは、氷で冷えていて最高です。
中にはフルーツがたっぷり入っているので、飲みごたえと食べごたえが抜群!
ベースにあるローズシロップは、バラの味はせず、日本の「かき氷のシロップ」のような甘さがありますが、そこにたくさんの果物の風味が重なることで、くどくないフレッシュで美味しい甘さに。
お値段は1杯、100ルピー。
もし道端で赤いドリンクの看板みつけたら、挑戦してみてください!フルーツ好きな人におすすめの一杯です。
※なお、こちらのジュースは屋台で作られているものです。筆者自身はお腹を壊しませんでしたが、屋台の氷や水、生フルーツに抵抗がある方は、ご自身の体調や判断に合わせて楽しんでみてください。
さいごに
カンニヤ温泉は、いわゆる”温泉でリラックス”という体験とは少し違うかもしれません。でも、伝説が残る神秘的な井戸を覗き込み、地元の人たちに混じって聖なる水を浴びるという体験は、ここならではの忘れられない思い出になりました。
観光の合間にふらっと立ち寄れる距離感も魅力のひとつ。
ビーチとは一味違うトリンコマリーの顔を、ぜひ感じてみてください。
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世界中を旅して、スリランカにたどり着きました。食べることと、手仕事が好きです。
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