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アーユルヴェーダの神ダンワンタリの生誕祭「ダンテラス」と「全国アーユルヴェーダの日」

2021年11月01日

2021年11月2日は、アーユルヴェーダ(医学・薬学)の神と言われるダンヴァンタリの生誕日です。

インドのアーユルヴェーダやヨガなどの省庁であるアユシュ省が「全国アーユルヴェーダの日(National Ayurveda Day)」と定めています。

本記事では、ディワリ、ダンテラス、全国アーユルヴェーダの日、ダンワンタリについて紹介します。

ディワリの1日目「ダンテラス」

ヒンドゥー教の最大のお祭りの一つ「ディワリ」は、ヒンドゥー暦のカールッティカ月(7番目の月)の新月の夜に祝われます。

2021年のカールッティカ月の新月は11月4日(木)です。
ディワリは新月の日の前後二日、合計5日間に渡って祝われます。

ディワリの初日を「ダンテラス(Dhanteras)」と言います。

「ダン(Dhan)」は富を意味し、金・銀・金属の製品や新しいもの(特に台所用品)を買うのに縁起の良い日とされています。

そして、富と美の女神ラクシュミーを迎え入れるため、日本の年末大掃除のように家を綺麗に掃除します。

夜になるとオイルランプ(diyas)に火を灯して、バジャン(ラクシュミー女神を讃える奉納歌)を歌い、伝統菓子Naivedhya(コリアンダーの種、ジャガリーなどから作る)を供えます。

タミル・ナードゥ州では、マルンドゥ(Marundhu:薬の意味)を作って捧げます。
マルンドゥは体内のトリドーシャのバランスを整えるとされています。

ディワリについては以下の記事を参照ください。

スリランカの祝日、ヒンドゥー教の大祭「ディワリ」とは?

 

全国アーユルヴェーダの日

2016年、インドのアユシュ省(Ministry of AYUSH:The Ministry of Ayurveda, Yoga, Naturopathy, Unani, Siddha, Sowa-Rigpa and Homoeopathy)は、ダンテラスを「全国アーユルヴェーダの日(National Ayurveda Day)」と定め、2016年10月28日に最初の全国アーユルヴェーダの日が行われています。

アーユルヴェーダの神ダンワンタリ

ダンテラス(Dhanteras)は、アーユルヴェーダ・医学・薬学の神「ダンワンタリ(Dhanvantari)の誕生を祝う日でもあります。
これに由来して、アユシュ省はダンテラスを全国アーユルヴェーダの日に定めています。

ダンワンタリは、ガンジス川のヒンドゥー教の聖地「ワーラーナシー」を首都として栄えた古代カーシー国の王、そして、ヴィシュヌのアバターラとされています。

ダンワンタリは4本の手を持つ姿で描かれます。

各手に持っているものは以下のものです。
・アムリタ(不死を授けるアーユルヴェーダの薬草混合物)が入った壺
・アーユルヴェーダの聖典 or 薬 or ヒル
・ほら貝
・円盤(チャクラ)

南インドのケララ州やタミル・ナードゥ州には、ダンワンタリを祀る寺院がいくつもあります。

特に有名なのが以下の3つです。
-タミル・ナードゥ州チェンナイ郊外のカンチプラムにある「ワラダーラージャ・ペルマル寺院(Varadharaja Perumal Temple)」
-タミル・ナードゥ州マドゥライ郊外のスリランガムにある「ランガナースワミ寺院(Ranganathaswamy Temple)」
-ケララ州コチ郊外のトットゥヴァにある「ダンワンタリ寺院(Thottuva Dhanwanthari Temple)」

ランガナースワミ寺院では、参拝者には薬草の煎じ薬が配られるそうです。

また、以下のような大学や研究所にもダンワンタリ像があります。
-ワーラーナシーにあるサンパーナナンド・サンスクリット大学(Sampurnanand Sanskrit University)
-ニューデリーにあるアーユルヴェーダ&シッダ研究中央評議会(Central Council for research in Ayurveda and Siddha)の本部
-ニューデリーにあるアーユルヴェーダ・マハー・サッメラン事務所(Ayurveda Maha Sammelan office)
-ニューデリーにあるダナワンタリ・バワン(Dhanawantari Bhawan)
-ヒンドゥー教の聖地ハリドワールにあるモーヤル・アシュラム(Mohyal Ashram)

スリランカではダンワンタリの名を関する病院や薬局があります。

ヒンドゥー教の神話「乳海攪拌」

ダンテラスで祈るダンワンタリとラクシュミーが登場するヒンドゥー教の神話「乳海攪拌」は、カンボジアのアンコールワットやアンコールトム、タイのスワンナプーム国際空港などインド国外でもレリーフや像が有名なモチーフです。

ページ冒頭の写真は、アンコールトムの南大門にかかる橋にあるヴァースキとアスラの像です。

乳海攪拌のハイライトがアーユルヴェーダの神ダンワンタリが登場するシーンです。

乳海攪拌のあらすじを以下に紹介します。

荒廃した世界を救うため、不老不死の霊薬アムリタを得るため、神々とアスラたちが協力することにします。

ヴィシュヌは様々な植物や種を乳海に投げ込みます。
そして、ヴィシュヌは巨大な亀「クールマ」となって乳海に入ります。

クールマの上に「マンダラ山」を乗せます。
山に蛇(竜王)「ヴァースキ」を巻き付けます。
神々がヴァースキの尾、アスラたちがヴァースキの頭を持って、引っ張りあってマンダラ山を回し、乳海を攪拌します。

海に住む生物がすり潰されていきます。

マンダラ山の木々が燃えて、マンダラ山に住む動物たちが死にます。
インドラがマンドラ山の火を消すために水をかけ、動物の死骸・樹木や薬草のエキスが乳海に流れ込みます。

乳海に入った植物・種・海の生物の死骸・山の動物の死骸・樹木や薬草のエキスが撹拌されていきます。

ヴァースキが苦しみ、口から猛毒「ハーラーハラ」を吐き出し、世界が破滅しそうになりますが、シヴァがハーラーハラを飲み干し、事なきを得ます。
猛毒を飲んだため、シヴァの喉は青くなります。

千年間撹拌を続けたところ、以下のような様々なラトゥナ(宝)が生まれます。
太陽

インドラの乗り物となる白いゾウ「アイラーヴァタ」
7つの頭を持つ空飛ぶ白い馬「ウッチャイヒシュラヴァス」
白い牝牛神「スラビー」:アーユルヴェーダの参考書「カシュヤパ・サンヒター」を記したカシュヤパと結婚し、息子がシヴァ神の乗り物ナンディン
宝石「カウストゥバ」:ヴィシュヌが胸に身につける宝石
願いを叶える樹「カルパヴリクシャ」
聖樹「パーリジャータ」
水の精・天女「アプサラス」
酒の女神「ヴァルニー」
ヴィシュヌの妃「ラクシュミー」

そして、最後に生まれたのがアムリタの入った壺をダンワンタリです。

参照)

Wikipedia:Dhanteras
Wikipedia:Dhanvantari
Satvik.Inc:第一話:アーユルヴェーダの神様ダヌワンタリ
80.ダンヴァンタリ(धन्वन्तरिः [dhanvantariḥ])医学・薬学の原理、ヴィシュヌの姿のひとつ
Tandem:解説!インドの光の祭典『ディワリ』に秘められた5つの伝統とは?
Wikipedia:Ministry of AYUSH
ウィキペディア:アーユルヴェーダ
ウィキペディア:十六大国
ウィキペディア:乳海攪拌
Wikipedia:Samudra manthan
ウィキペディア:クールマ
ウィキペディア:ヴァースキ
ウィキペディア:ハーラーハラ
ウィキペディア:アイラーヴァタ
ウィキペディア:ウッチャイヒシュラヴァス
ウィキペディア:スラビー
ウィキペディア:カシュヤパ
ウィキペディア:カウストゥバ
ウィキペディア:アプサラス
ウィキペディア:インド・アーリア人
ウィキペディア:カイバル峠
ウィキペディア:タキシラ
インド・アーリヤ諸部族のインド進出を基に人類史を考える 
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