コロンボの海沿いの広場「ゴール・フェイス・グリーン」の歴史とおすすめポイント!

コロンボの海に面した大きな広場「ゴール・フェイス・グリーン」は5つ星ホテル、最新ショッピングモール、高層コンドミニアムが立ち並ぶスリランカの一等地です。
コロンボは西側に海があるため、綺麗な夕日が見られる場所が多くありますが、夕方に最も多くの人が集まるのがゴール・フェイス・グリーンです。
今回の記事ではゴール・フェイス・グリーンの歴史、見所、楽しみに方についてご紹介します。
目次
ゴール・フェイス・グリーンの歴史
オランダが作った砲台広場

砲台が残るザ・キングスバリー
コロンボの町が築かれたのはポルトガルが現在のコロンボ・フォートに要塞を築いたことから始まります。
現在のゴール・フェイス・グリーンはポルトガルが築いた城壁と運河の南にある湿地帯でした。
1656年にオランダがポルトガルを放逐し、コロンボ・フォートを占領します。
オランダはポルトガルが再度乗り込んでくることを警戒し、フォートの南側を整備して、砲台を並べます。
それが現在のゴール・フェイス・グリーンの元になります。

ゴール・ロードの石碑
南部の港町「ゴール」の方を向いた障壁の先にあるため、ゴール・フェイス・グリーンと名付けられたとされています。
ゴール・フェイス・グリーンの横を走る道はゴールの町までつながる幹線道路で、「ゴール・ロード」と呼ばれています。
ゴール・フェイス・グリーンの南端にある5つ星ホテル「ゴール・フェイス・ホテル」は当初、オランダのヴィラとして建設されています。

石碑の反対側
イギリスの競馬場に

コロンボ・クラブ・ビルディング
その後、オランダに代わりコロンボを占領したのはイギリスです。
英国セイロン総督のエドワード・バーンズの時代、1821年に最初の競馬レースが行われています。
沼地だったゴール・フェイス・グリーンを土で埋めて平らにして、芝生を作り、スポーツクラブも誕生しています。
当時はこの辺りの村がコッルピティヤと呼ばれていたため、「コルピティ・レース・コース(Colpetty Race Course」」とも呼ばれるようになります。
現在のタージ・サムドラ・ホテルの宴会場「グランド・クリスタル・ボールルーム」は「コロンボ・クラブ・ビルディング」という名前があります。
これはかつての競馬の観戦スタンド及びコロンボ・クラブの開催地として使われていた建物なのです。
競馬場となったゴール・フェイス・グリーンの一番高い場所(東側)に競馬を見る観覧席(レース・バンガロー)が作られ、1870年にグランド・スタンドと呼ばれるメイン・スタンドが作られます。
1871年にコロンボ・クラブが結成され、グランド・スタンドはコロンボ・クラブの開催地となります。
イギリスの社交の場に

ゴール・フェイス・ウォークの石碑
1859年、セイロン総督のヘンリー・ジョージ・ワードは、イギリス人の婦人や子どものために、ゴール・フェイス・グリーンの海側に海岸遊歩道を作ります。
それが現在の「ゴール・フェイス・ウォーク」です。
1864年にオランダ・ヴィラとして建てられたゴール・フェイス・ハウスを、イギリスの4人の起業家がホテルに改装して「ゴール・フェイス・ホテル」として開業します。
イギリスの多目的競技場に

タージ・サムドラ・コロンボ
1879年に、セイロン初のゴルフ、ラグビー、クリケットの試合が行われます。
それぞれ、周回の競馬場の真ん中の長方形のスペースで試合が行われました。
それに伴い、1879年にはコロンボ・ゴルフ・クラブが創られ、1880年には最初の総会がコロンボ・クラブで開かれている。
その他、ポロ、フットボール、テニスなども行われるようになります。
多くのスポーツが行われ、混み合ってきたため、1893年に現在の「コロンボ・レースコース(Colombo Racecourse)」に競馬場が移転します。
1896年に現在の「ロイヤル・コロンボ・ゴルフ・クラブ(Royal Colombo Golf Club」が作られ、ゴルフ場も移転します。
一等地として開発が進む
今も昔も一等地であるゴール・フェイス・グリーン周辺はイギリス統治時代から、そして現在も開発が進められています。
北側の開発

右から旧国会議事堂、ガラダリホテル、ワールドトレードセンター、バンクオブセイロンタワー
1930年、英国セイロン総督ハーバート・スタンレーの時代に国会議事堂がオープン。
1973年、スリランカ初の国際的なホテルチェーンとして5つ星ホテル「セイロン・インターコンチネンタル(現在のザ・キングスバリー)」開業
1984年、5つ星ホテル「ガラダリ・ホテル」が開業。
1987年、国営銀行の「バンク・オブ・セイロン・タワー」がオープン。
1997年、当時スリランカ1の高さを誇った「ワールド・トレード・センター」がオープン。
現在、埋め立てが完了した「コロンボ・インターナショナル・ファイナンシャル・シティー」の建設が進められています。
東側の開発

建設中のサファイヤ・レジデンス
1983年、インドのタタ財閥の5つ星ホテル「タージ・サムドラ・コロンボ」が開業。
2017年、香港のシャングリラホテルが5つ星ホテル「シャングリラ・コロンボ」を開業。
2019年、シャングリラがスリランカ最大のショッピングモール「ワン・ゴール・フェイス・モール」を開業。
現在、東側にはITC(帝国タバコインド社:Imperial Tobacco Company of India Limited)による高級コンドミニアム「サファイヤ・レジデンス」が建設中。
サファイヤ・レジデンスの裏には、コングロマリットのジョン・キールズによる高級コンドミニアム「シナモン・ライフ」が建設中です。
南側の開発

ゴールフェイスホテル
1864年、5つ星ホテル「ゴール・フェイス・ホテル」がオープン(世界の要人・著名人が泊まります)
1923年、コロンボ初の多層階のアパートメント「ゴール・フェイス・コート2」がオープン。
1969年、4つ星ホテルの「アルハンブラ・ホテル(現在のラマダ・コロンボ)」がオープン。
海、夕日、食事を楽しむ場所
ゴール・フェイス・グリーンは、週末の夕方にファミリーや友人・恋人と過ごす人たちで混み合います。
子どもたちが凧揚げをしている姿がよく見られます。
毎日夕方になると遊歩道沿いに屋台がオープンします。
エビを煎餅に乗せて揚げるイッソ・ワデー(Isso Wade)は日本人の口にも合います。
ペッパーと塩で味付けされたマンゴースライスも販売されています。
※2020年7月現在、食べ物を販売する屋台は閉鎖されています。

1987年開業のNANA’S
コットゥ・ロティ、フライド・ライスなど料理を出す老舗の屋台もあります。
稀にビールを勧められますが、ライセンスがないため、法外な値段を請求されますのでお気をつけください。
デヒワラの人気ビーチレストランのバラクーダがゴール・フェイス・ホテルの向かいのゴール・フェイル・グリーン内にレストラン「ブリーズ・バラクーダ(Breeze Barracuda)」を2018年にオープン。
シーフード、スリランカ料理、中華料理、タイ料理などを楽しめます。

貢納式の様子
毎晩6時に国旗の貢納式が行われますので、晴れた日は夕日と合わせて楽しめます。
毎朝6時にも国旗の掲揚式が行われていて、朝のランニングに合わせて見ることもできます。
ゴール・フェイス・ホテルでも同様に毎朝、毎晩国旗の掲揚・貢納式が行われています。
ゴール・フェイス・ホテルの貢納式はバグ・パイプによる演奏が行われ、見応えがあります。
ゴール・フェイス・グリーンの貢納式よりも若干遅く行われますので、両方見ることも可能です。
※2020年7月現在、ゴール・フェイス・ホテルの国旗の掲揚式、貢納式は行われていません。
イベント会場として
スリランカの独立記念日である2月4日に、軍事パレードがゴール・フェイス・グリーンで開催されます。
12月31日の年越しはステージが組まれ、ライブ演奏が行われ、ゴール・フェイス・ホテルやザ・キングス・バリーで上げられる花火を見ることもできます。
2016年12月25日にはクリケット選手によって、世界で最も高いクリスマスツリーが建てられ、2018年、2019年にはトライアスロンの会場となり、世界から参加者が集まりました。
その他、政党の集会など、様々な集まり、イベントが開催されます。
まとめ
昼に来れば青い海と青い空、夕方に来れば綺麗な夕日が見られるゴールフェイスグリーンを紹介しました。
周囲には一流ホテルや最新ショッピングモールがありますので、お茶や食事のついでに行って見るのもいいでしょう。
コロンボに宿泊される場合は、ゴールフェイスグリーン近くのホテルに泊まるのもオススメです。
関連記事
参照)
Wikipedia「Galle Face Green」
Wikipedia「Shangri-La Hotel, Colombo」
Wikipedia「Old Parliament Building, Colombo」
Wikipedia「Galle Face Hotel」
Business Today「The New Avatar of The Taj」
Business Today「Galadari A Commemoration」

趣味の旅と町歩きを仕事にしたいと主にアジアを周り、2016年7月、24カ国目に訪れたスリランカで会社を設立することに。2017年2月、スリランカで日本語情報誌「スパイスアップ・スリランカ」を創刊し、2018年9月スリランカ観光・生活情報サイト「スパイスアップ」(当サイト)を開設。公式のインスタグラム、ツイッターのアカウント、ユーチューブチャンネルも運営していますが、つい趣味の個人のインスタ・フェイスブックアカウントを更新しがち。夕日を観るのが日課。
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