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スリランカで貿易、再エネ、飲食などを仕掛けるシバタランカ、木田泰光さんにインタビュー!

2020年4月21日

今回のインタビューでは、福井県の柴田商事株式会社から駐在でやってきている木田泰光さんにお話を伺います。

柴田商事株式会社のHPは≪こちらから≫

プロフィール

木田泰光さんのプロフィール
一橋大学法学部、大阪大学院国際公共政策研究科卒。カンボジアにて政府開発援助(ODA)による小型武器回収プロジェクトに携わる。その後外務省に入省し、東京のほかイラク・ベトナムの大使館にて主に平和構築・軍縮・国際協力等を担当。外務省を退職して福井にUターン、一時インドに工場を持つ会社の仕事でインドに短期駐在の後、柴田商事株式会社のスリランカ駐在として絶賛活躍中。

(以下、㋑は聞き手のインタビュアー、◆は語り手の木田泰光さん。)

㋑木田さん、本日はよろしくお願いします!

◆よろしくお願いします!

シバタランカが手がける事業

㋑スリランカでは柴田商事の子会社 ”シバタランカ” を立ち上げお仕事をされているそうですが、具体的にはどんなことをされているんですか?

◆現在、事業は主に5つやっていて、

①貿易(日本・スリランカのそれぞれの良いものを輸出入する)
②再エネ(太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーの発電事業への投資)
③スリランカへの進出支援(スリランカでの事業開始を希望する日本企業のコンサル・進出支援)
④ビジネス情報の発信とマッチング(日本企業とスリランカ政府・スリランカ企業との事業マッチング)
⑤飲食(「ラーメン浜風」「ICHIBAN」の経営)

の5本柱になっています。

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外出禁止で始めたビジネスブログ

㋑すごく多岐に渡るんですね!でもコロナの影響で止まってしまった仕事もあるのではないですか?

◆そうですね。
人と会わなければ始まらない仕事ばかりなので、外出禁止令が出たスリランカでは、できることが少ない状況です。
でも、何か新しいことをしたい
と思って、シバタランカとしてブログを始めました!

㋑私もブログはニュース感覚で読んでいます!スリランカのコロナ事情や経済ニュースがメディアや政治家たちのTwitterを引用して書かれていて、スリランカの”今”を肌で感じます。

◆読んでくれているんですね!ありがとうございます。
スリランカは観光地としては人気になりつつあるんですが、まだまだビジネスとして参入してくる企業は少なくて。
そもそも世に出ている日本語のビジネス情報が少ないんです。
私自身、スリランカにシバタランカを立ち上げる際、ぶち当たった壁が何度もありました。
英語の文献をいくつも読んで、やっと身になって今があります。
せっかくインプットしたのだから、この家にいる機会にアウトプットをしようとスリランカビジネスを発信するブログを始めました。

シバタランカのブログは≪こちらから≫

㋑なるほど!家にいながらできる「6つ目の仕事」を始めたというわけですね!

◆そうですね。ビジネスマッチングの事業もしているので、その足掛かりになればいいなと。
毎日のニュース情報のほか、現地法人の設立やスリランカビジネスのしやすさなどをまとめているので、ビジネスのヒントとしてぜひ役立ててほしいです!

スリランカを選んだ柴田商事の挑戦

㋑そもそもスリランカにはどんな経緯で来られたんですか?

◆完全にご縁ですね。
高校の同級生が経営している地元福井の柴田商事が、スリランカで事業を開始するということで、外務省時代の海外経験がある私を誘ってくれたという感じなんです。
社長に「3年でスリランカの新規ビジネスを事業化させてほしい」と言われまして。

㋑3年で結果を求められている!
柴田商事にとってもスリランカ進出はかなりのチャレンジなんですね。
そもそも、柴田商事が目をつけたのがタイやベトナムのような東南アジア圏ではなくスリランカっていうのも興味深いです

◆そうですね。柴田商事は福井の中小企業です。
すでに多くの会社が参入している国ではできることも限られます。
まだ目をつけられていないスリランカには、中小企業にもチャンスがあるのではないかと考えています。
また、スリランカ政府は電力不足の解消のため、大幅に再生可能エネルギーを使った発電拡大を目指していますので、日本国内で広く太陽光発電を取り扱う我が社としては、スリランカ事業に参入できる良いタイミングだったんです。

苦労したラーメン屋の新規出店

㋑太陽光発電から始まった柴田商事のスリランカ進出ですが、今では事業分野が本当に多岐に渡りますね!
日本企業の進出支援やラーメン屋さんにも携わっていると聞いて驚きました。

◆進出支援事業は、日本企業さんのスリランカでの立ち上げの部分をシバタランカで担当する形を考えています。
最初から駐在員を置いて会社を設立するのは費用も時間もかかるので、まずは弊社を部下として使ってもらってご希望の事業を試験的に立ち上げて、その後本腰を入れて事業展開をするか決めていただけるように活用してもらえないかと思っています。

そしてスリランカでの実業を立ち上げる経験を積もうという目的もあって始めたのが「ラーメン浜風」なんです。東南アジアなど6カ国で飲食事業を展開する大学時代の友人から レシピとノウハウなどを入れてもらい、ラーメン屋を開業しました。
フィリピンのセブ島にあるラーメン浜風のレシピを導入されてもらったんです。

この事業を始めることにしたのは駐在をはじめて2か月目のことで、物件探し、設備調達、内装などの業者探し、スタッフの採用と分からないことだらけで大変でした。
特にスタッフの採用・育成には苦労しました。働き方が日本とは根本的に異なっていて、給料を払った次の日には来なくなってしまうこともありましたね。

最初はスタッフの給料は低く抑えて、仕事を覚えて継続的に勤務をしてくれたら、上げていく方針でした。
ところがその前にどんどん辞めていってしまいました。
それであれば、始めからある程度の給料を用意し、責任を持って働いてくる方と一緒にお店作りをしていくというスタンスに変えたことで、組織として少しずつ安定してきました。

㋑浜風のラーメンはスリランカ風にアレンジしたものなんですか?

◆はい、少しアレンジしています。一番はじめにスリランカ人に提供した時には
「No Taste」味がしない、と言われてしまいました。
どうやら塩味が足りないみたいで。
味を変更する度に友人の会社の人たちにスリランカまで来てもらい、試行錯誤を重ねて、今の味があります。
スリランカ人には辛いスパイシーラーメンや味噌味と辛味の担々麵が受けるみたいです!
日本の方にも愛される味にはしたいと思いますが、まずはレシピを守り、お料理を安定して提供し続けられるようにします。

スリランカ人との仕事

㋑スリランカに駐在し始めて1年8カ月。多くのスリランカ人と仕事をしてみていかがですか?

◆スリランカ人といっても、3つに大きく分けられると思います。
一つ目はワーカーさん、二つ目は経営者、三つ目は政治家です。
ワーカーさんについては、うちのお店での経験からすると、1ヶ月後の1万ルピーよりも今日の100ルピーを選ぶ人が多い印象です。
勤労意識が高いとはいえず、安定して良いワーカーさんを確保していくことは大変だと思います。

一方で、経営者となると非常に優秀な人がいます。
毎週・毎月の経営状況や課題の報告など、期限・時間通りにしっかりと行われていて、お会いするたびにこちらが勉強させてもらっているように思います。
今回のコロナ危機に関しても、どう乗り切り生き残るかを考えて先んじて行動している人を間近に見ており、刺激になります。

私がお会いした政治家・政権で実務に携わっている方々の中には、スリランカの現状に危機感を持っていて、本気で国を変えようとしていることが伝わる方がいます。
スリランカの社会課題を具体的に把握していて、やるべきことは整理されているが国に資金がない。
日本の企業に支援してほしいが、日本企業側にも希望するビジネスがあるはずなので、スリランカ側の希望を一方的に伝えるのではなく、お互いがウィン‐ウィンになるような形を模索されています。
自分たちの国を良くしていこうという熱意が伝わってきますね。

㋑各国で働いてきた木田さんだからこそ分かることなのかもしれませんね。政府開発援助(ODA)のプロジェクトや外務省でお仕事をされていた木田さんですが、その経験はスリランカでの仕事にも影響しているんですか?

◆そうですね。影響している部分はあると思います。
だけど、携わっていること自体は全く違っていて、外務省時代には、イラクでは政務や安全確保など総務に近い仕事を、ベトナムでは農業や道路・学校建設などの分野で小規模のインフラを支援する経済協力を担当していました。
東京では、国際場裡での軍縮や平和構築の外交、ODAのスキームや予算を担当しました。さらにその前はODAでのカンボジア平和構築プログラムを現場で実施していました。

銃を回収するカンボジアでの経験

㋑カンボジアではどんなことをされていたんですか?

内戦によって残された「小型武器」といわれる自動小銃(ライフル)や携行武 器 を 回 収 す る プ ロ ジ ェ ク ト に 携 わ っ て い ま し た 。
現代の内戦では、男性は全員兵士になり、銃を手にして戦います。
当時のカンボジアでは、内戦の後にそうした銃器が回収されないまま村に持って帰られており、ちょっとした口論ですぐに銃が使われるような状況でした。
銃器を持った人々が再度組織化されれば、社会不安・内戦に陥る不安もありました。
私たち日本チームは、内戦が終わった社会では銃器が不要であることを教育して自発的に銃を手放す流れを作っていきました。
同時に、 治安を守る役割である警察官 の能力 向上なども支援し、カンボジアの平和が定着するよう活動しました。

㋑個人の意識を変えるとは大変な作業ですよね。プロジェクトに携わって、カンボジアの方と触れあっていく中で驚いたことなどありましたか?

◆一生懸命勉強して英語も堪能、優秀なカンボジア人が皆、国際 機関、大使館やNGOの通訳を 希 望 す る こ と は ショッ ク で し た 。
もちろん通訳という仕事が悪いわけではありませんが、 任される 裁量が非常に狭いポジションがほとんどで、なぜこの優秀なカンボジア人たちが母国で主体的に働けるポジションがないのか、疑問を感じざるを得ませんでした。また、内戦からの復興のために活動する国際機関やNGO、カンボジア政府も、各国の援助マネーを得るためのファンドレイジング、「営業」に必死です。

一つのプロジェクトが終わると、次に自分の組織が生き 残るための「援助マネー」を取ってくる必要があります。資金がつく、募集がある、とわかれば、農業NGOが平和構築事業にプロポーザルを出してきます。
外からの援助(税金)・寄付に頼った仕組みになります。
もちろん、不幸にも内戦などを経験した国において、諸外国からの援助は不可欠で、大きな意味があります。

一方で、社会問題を解決することでその価値に見合った売上と利益を生み出しその利益で自分たちが自走して回るサイクルに少しでも早く移行していく、それを現地の人々が果たしていかないと、カンボジアの発展、自立にはつながらない、と思われました。

今思えば、それがもう一度、民間の企業に戻ってきた理由の一つでもあったと思います。

㋑なるほど、スリランカで事業をしている木田さんはスリランカ経済を促進させている一人ということですね。

◆そうだと嬉しいですね。ODAや外務省での勤務を経験した上で、民間企業として今スリランカを訪れていることには意味を感じます。
まだまだ事業としては小さいものばかりですが、将来的に安定した利益を出せるようにしていきたいと思っています。
この国で雇用を生んで、利益を生む。シバタランカもスリランカ経済の「一つの歯車」になればと思います。

モットーは「みんなで儲けよう」

㋑シバタランカのブログプロフィールを拝見したのですが、木田さんのモットー「みんなで儲けよう」というのが最高だと思います!

◆ありがとうございます。実はあれは柴田商事の社長の口癖で、関わる企業・個人みんなが儲けられるのが理想だと思っています。
どんなことをするのにも一人ではできない
シバタランカもスリランカ人に頼らなければ成り立たないんです。
そんなスリランカと日本の企業を繋げる役割をこれから担えたらと思います。

㋑ありがたいお話、本当にありがとうございました!

木田泰光さんが携わる「ラーメン浜風」「ICHIBAN」では新型コロナウイルスの影響で営業規制がかかっています。10%お得に購入できる前売り利用券を発売していますので、ご支援いただけると嬉しいです。詳しいページは≪こちらから≫

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