バワが気に入って所有したブティックホテル「ザ・ヴィラ・ベントタ」
ジェフリーバワが気に入り、友人たちに購入を勧めるも、購入者が見つからなかったため、自ら所有しブティックホテルとして運営されていた「ザ・ヴィラ・ベントタ」を紹介します。
パラダイス・ロードの創業者シャーンス・フェルナンドさんは、「ジェフリーバワによる最初のブティックホテルであり、スリランカ初のブティックホテルです。」とインタビューでお答えされていますが、現在の運営会社はパラダイス・ロードからKK Collectionに変わっています。
ザ・ヴィラ・ベントタとは?

上の写真の看板にも下の方に記載されていますが、ホモッティ邸(Mohotti Walauwa)と呼ばれていた邸宅をジェフリーバワが見つけたことに始まります。
ワラウワとは、シンハラ式の邸宅のことをいい、ホモッティとはスリランカの姓名です。
バワは友人たちにこの邸宅を買うことを提案し、自らが改装を手掛けようとします。
最初にバワの誘いに乗ってくれそうだったのが、ホテル・セレンディンブ(現:アヴァニ・ベントタ)の支配人だったS. M. A. ハミードです。
ハミードはブティックホテルを所有して経営したいと思っていたそうです。
しかし、ハミードはモホッティ邸の買取ではなく、南側の土地を購入して、バワにヴィラの建設を依頼します。
1978年、バワはハミード・ビーチ・ヴィラ(現在のクラブ・ヴィラ)の建設に着手します。
続いて、バワがモホッティ邸の購入を勧めたのがイタリア人彫刻家のリディア・グナセカラです。
リディアは海の近くに自宅兼アトリエを探していたため、バワはホモッティ邸を勧めます。
ところがリディアは、ホモッティ邸の小道とゴールロードがぶつかるあたりにあった、ゴールロードで向かい合う家の方を気に入り、バワに改装を依頼します。
バワは1979年から取り掛かり、翌年の1980年にリディア邸を完成させます。
そうしてできたのが現在のブティック87です。
モホッティ邸を購入してくれる友人が見つからず、バワは自ら購入します。
そして、すでに着手していたハミード・ビーチ・ヴィラの建設と一緒に改装を勧め、最終的にハミードが両方のヴィラをまとめてマネジメントすることにして、名前がクラブヴィラ(Club Villa)と決まります。
完成したのは1981年です。
現在ブティックホテルとなっているバワ設計のホテルは、多くが邸宅として建設され、後になってブティックホテルとして改装されていますので、パラダイス・ロード・ザ・ヴィラバワとクラブ。ヴィラはバワが最初に設計したブティックホテルと言えそうです。
そして、農園主のバンガローやシンハラ邸宅をブティックホテルに改装したホテルは現在は増えてきましたが、1981年の時点でブティックホテルとしてオープンしたホテルはあまりなかったと想像できますので、パラダイス・ロードのシャーンスが仰る通り、スリランカ初のブティックホテルなのかもしれません。
2009年からパラダイス・ロードがマネージメントを行い、パラダイス・ロード・ザ・ヴィラ(Paradise Road The Villa)となります。
コロナ禍でゴール郊外に高級ブティックホテル、ゴールフォートにショップを運営するKK Collectionに経営が変わり、「The Villa Bentota by KK Collection」となっています。
客室・ラウンジ・プール・中庭

ゲートを入ると、駐車場があります。
駐車場の右手にはヴィラが見えます。

正面の建物がエントランスロビーになっています。

ここがレセプションです。

レセプションの上に客室があります。

レセプションがある建物の海側はプールになっています。
こちらはバワ設計ではなく、後になってから付け加えられたものだそうです。
バワ設計のプールには仕切りの壁がありますが、こちらのプールは庭に面しているため、何度もこちらのホテルに訪れていますが、宿泊客の多くはこちらのプールを利用しています。

エントランスの建物をプール側から見た場合。

客室がある建物。

一階は広いラウンジになっています。

2階の客室専用のラウンジスペースです。

客室のベット。
日本人が宿泊する場合は弊誌「スパイスアップ」を置いてくださっているそうです。
なんと有難いことでしょう。


バスルームは広くゆったりしています。

さらに奥にある建物の一階も広いラウンジがあります。

庭側にはプールがあります。
こちらのプールがバワ設計によるものだそうです。
壁に小さな窓があり、そこから庭が見えるようになっています。
右手奥にもう一つ建物があります。

一番奥の建物には、中庭があります。
壺があるのがバワっぽいです。

ヒンドゥー教の置物とフランジパニの木が、またバワっぽいです。
レストラン・ショップ

プールがあった建物の裏側にはパラダイスロードのレストランとショップがあります。
こちらは宿泊者でなくても利用することができます。
ブティックホテルでも泊まらずに利用できるのは嬉しいことです。

夕食時はコロンボのパラダイス・ロード・ザ・ギャラリー・カフェのようにキャンドルでライトアップしてくれます。
ただし、写真を撮るには適しません 笑
メニューはパラダイス・ロード・ザ・ギャラリー・カフェと共通している部分が多く、ベントタで美味しい食事を提供しているレストランという視点で探しても、ここは選ばれるでしょう。
その分、安いホテルに泊まるよりも良い値段がします!
https://spiceup.lk/thegallerycafe/

ショップの入口。
ショップは2つのスペースに分かれています。

奥のスペースには、パラダイスロードのトレードマークでもある、モノトーンの食器が並べられています。
The Villa Bentotaを予約する
The Villa BentotaはBooking.comから予約が可能です。
Booking.comのThe Villa Bentotaのページはこちらです。
参照)
KAJA DESIGN:コンシェルジュ神成にインタビュー スリランカの国民性を感じるサービスに触れた旅
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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