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スリランカで有機紅茶、サリーリサイクルを行い、世界各地で活動するNPO法人パルシック

2021年11月28日

2003年にスリランカで活動を開始し、南部デニヤヤでの紅茶の有機栽培への転換サポート事業や北部の女性の自立を支援するサリーリメイク事業などを行なっているNPO法人パルシック(PARCIC)について紹介します。

パルシックの活動国は広く、東ティモール、スリランカ、マレーシア、パレスチナ、日本、トルコ、レバノン、シリア、インドネシア、ミャンマーなどがあります。

内戦や災害などによる緊急支援から関わり、現地の人たちの経済的自立を支援をする事業を立ち上げ、長期的に関わっているのが特徴です。

また、経済的自立をする人の主体として女性を重視しているのも特徴的です。

パルシックの母体であるアジア太平洋資料センターが、調査研究・政策提言や定期刊行物・教材の制作をしているからか、パルシックもアジア太平洋資料センターも詳細な年次報告書が毎年公開されています。

年次報告書には各国の歴史的経緯や最新の政治・経済の状況などについても記載されているため、国際情勢を知る上でも参考になります。

また、悪天候や災害、政治などの様々な要因で活動を休止したり、拠点を変更をした経緯、駐在員を撤退させて現地の自立運営に移行し遠隔支援に行なっていることも書かれていますので、国際的に活動するNPOの活動がどういうもので、その困難や支援後の現地の状況についても理解するのにも役立ちます。

本記事は、主にパルシックの年次報告書2008年度〜2020年度の年次報告書をベースに、パルシックやアジア太平洋資料センターの公式ウェブサイト、ウィキペディアなどを参考にしてまとめています。

アジア太平洋資料センター(PARC)とパルシック(PARCIC)

2008年にアジア太平洋資料センターから分離独立してできたのがパルシックです。

そこで、まずは太平洋資料センターについて見ていきます。

アジア太平洋資料センターとは?

1969年にベトナム反戦運動の中で英文季刊誌『AMPO(A Report From the Japanese People’s Movement)』を創刊したのがアジア太平洋資料センターの起源です。

1973年に社会活動家の武藤一羊さん、アジア学者・人類学者の鶴見良行さん、国際問題評論家の北沢洋子さんらが中心にアジア太平洋資料センター(PARC:Pacific Asia Resource Center)を設立し、AMPOはアジア太平洋資料センターの発行物となります。

アジア太平洋資料センターの代表を1996年まで務めていたのが武藤一羊さんです。
武藤さんは原水爆禁止日本協議会国際部、ベトナムに平和を!市民連合に関わった後に、アジア太平洋資料センターを設立。
1983年から2000年にかけてニューヨーク州立大学ビンガムトン分校の社会学部教授を務め、1998年にはピープルズ・プラン研究所を設立されています。

2021年〜2022年にかけて開講されている「武藤一羊の英文精読」が、アジア太平洋資料センターのオンラインショップに掲載されています。

アジア太平洋資料センターの設立目的は、「アジア・ 太平洋そして第三世界の人びとと対等・平等な関係 をつくること」とあります。

活動内容は、調査研究、政策提言、社会教育活動(PARC自由学校)、教材制作(オーディオヴィジュアルやブックレット)など。

設立初期は、英文での海外への情報発信に力を入れていたようですが、現在は日本語での日本社会への情報発信に重きがあるようです。

パルシックにつながる活動は、1990年代後半から開始している民際協力活動です。

1990年代後半、タイの河川流域での環境保全・住民のネットワークを組織。

1999年、住民投票でインドネシアからの独立が決まった東ティモールで、インドネシア国軍・併合派民兵による破壊・暴力が行為が発生し、東ティモールへの緊急支援を開始。

2002年、インドネシアから独立した東ティモールでコ ーヒー生産者支援・フェアトレード事業を開始。

2003年、2002年のスリランカ内戦停戦合意を受けてスリランカ北部の漁民支援を開始。

パルシックとは?

2008年4月1日、アジア太平洋資料センターは、調査研究・政策提言、月刊誌発行・開発教育教材制作・PARC自由学校などを担うアジア太平洋資料センター(PARC)と、民際協力活動とフェアトレード事業を両輪とするパルシック(PARC-IC:PARC Interpeoples’ Cooperationの2つのNPO法人に分割されています。

アジア太平洋資料センターの略称であるPARCに、 民際事業を意味するInterpeoples’ Cooperationを付け加えて、パルシック(PARCIC)と名付けられています。

民際協力は、アジア太平洋資料センターが「現場を持って活動する」をモットーに1990年代後半から始めたもので、パルシック設立時は、アジア太平洋資料センター時代に行なっていた東ティモールとスリランカでの民際事業を引き継いでいます。

パルシックの創設時から現在も代表理事を務められているのが井上禮子さんです。

井上さんは太平洋資料センターでは、翻訳や編集などを担当。

1992年にブラジル・リオデジャネイロで行われた地球サミットを通し、NGOの果たす役割が重要になってくると実感。

1999年にインドネシア国軍・民兵が破壊活動を行う東ティモールに入り活動し、2003年には停戦合意が結ばれたスリランカの北東部に入り、調査活動を行なっています。

パルシックの沿革と活動内容

パルシックの年次活動報告書には、具体的な活動内容やいつまで活動を継続したかなどが記述されていますが、こちらでは年表に近い形式で、各活動の開始時期を紹介して、パルシックの活動内容の概要を掴んでいきます。

2021年については、半年にパルシックが発行している民際協力ニュースが11月に届きましたので、そちらを参考に記載しています。

アジア太平洋資料センター時代の活動

1999年10月、東ティモールに対する緊急支援を開始。
2002年、東ティモール・アイナロ県マウベシ郡でのコーヒー生産者支援を開始。

マウベシ郡で、マウベシ・コーヒー生産者協同組合 (Cooperativa Agrikultura Moris Foun Unidade Kafe Nain Maubisse=コカマウ)を組織し、コーヒー加工場を建設。
加工機材の提供、加工技術の指導を行い、コーヒーのパーチメント加工までを現地でできるように支援。

そのコーヒーのパーチメントをパルシックが適正な価格で 買い取り、首都ディリまで輸送し、薄皮を取った生豆 (グリーン・ビーンズ)に加工し、日本にフェアトレード商品として輸入するフェアトレード事業を開始。

2003年、2002年に締結されたスリランカ内戦の停戦合意を受けてスリランカで調査を開始。

2004 年、ジャフナに事務所を 開設し、漁民への支援として乾燥魚プロジェクトを開始。

2005 年、スマトラ島沖地震の被 災者への津波緊急支援を実施。 

2007 年、ジャフナ漁村の寡婦世帯および困窮世帯を対象にした養鶏事業を開始。

分離独立(東ティモールとスリランカでの事業を継承)

>2008年
4月1日、パルシックが設立。
11月、漁業省の要請によりマルダンガーニとポイ ントペドロの 2 郡において乾燥魚ワークショップを実施。

>2009年
スリランカのチ ャヴァカドゥ村での魚網の配布プロジェクト開始。
ジャフナ県内国内避難民への食糧配布事業を開始。
スリランカでオーガニック紅茶を製造するグリーンフィールド茶園の紅茶「ウバ茶」の販売開始。

マレーシアの民際事業への支援開始

>2010年

・マレーシア
アジア太平洋資料センターが主宰する魚研究会でアジア各地の漁村を訪れた際にマレーシアのペナン島周辺で活動するPIFWAと出会い、PIFWAの活動を支援することを決定。

PIFWAは漁民自らが地域の自然環境を取り戻すために植林活動を10年以上続けていることから、現地にパルシックの駐在員を置かず、現地のカウンターパート団体PIFWAの活動を支援するという形に。

・東ティモール
食品加工事業(蜂蜜、大豆スナック、そら豆チップス、野菜栽培、ハーブティ)を開始。
サココでロブスタコーヒーの栽培支援を開始。
水道事業を開始。

・スリランカ
ジャフナ漁村女性の干物づくり支援開始。
ジャフナ帰還漁民の生活再建支援(漁具の提供)開始。
トリンコマリー洪水被災者支援(文具の提供、簡易住宅の建設、資材の配付)開始。
ウバ州のンドタミル人の生活改善、有機紅茶の推進を開始。
デニヤヤでのキトゥル蜜の生産者支援、有機農業の推進の開始。

・マレーシア
ペナン島で環境保護に取り組むPIFWA(Penang Inshore Fishermen Welfare Association)への支援を開始。

マレーシアについては現地事務所を設けず、活動実績があるPIFWAへの支援という形。

日本での民際事業を開始

>2011年

・日本
東日本大震災被災者支援活動の開始

・東ティモール
サツマイモチップス製造開始
蜂蜜製造開始
ハーブ製造開始

・スリランカ
デニヤヤでの有機紅茶転換事業開始
漁具配布事業
ミシン配布事業
ムライティブにトイレを建設
ムライティブに事務所を開設

>2012年

・東ティモール
循環型農業と森林保全活動の開始

・スリランカ
拠点をジャフナからムライティブに変更
ムライティブ県での復興支援事業の開始
サリーリメイク事業の開始

・日本
石巻市北上町での農漁業を軸とした復興支援
東京事務所で淡路町マルシェをオープン

>2013年

・東ティモール
女性の経済活動支援事業開始
養蜂・養豚・バイオガスの支援を開始。

・スリランカ
ムライティブで18基の井戸を建設、3つの漁村でコミュニティーセンターの建設を開始
ジャフナで養殖事業を開始
ベアフットのゴール店でサリーリメイク事業の製品販売開始

・日本
石巻市北上町で農産物加工の開始

パレスチナで活動を開始

>2014年

・パレスチナ
イスラエル軍によるガザ地区空爆を受けて、パレスチナへの緊急支援を開始

・東ティモール
ピーナッツバター製造、ふりかけ製造
アロマティモールにレモングラス、月桃が加わり全部で5種に。

・スリランカ
ジャフナでの海藻、ナマコ、蟹の養殖・蓄養の開始。
ジャフナでゲストハウスをオープン。

トルコで活動を開始

>2015年

・トルコ
シリア国境に近いトルコの南部シャンルウルファ市に事務所を開設し、シリア難民支援を開始。

・東ティモール
ココナッツオイル、ピーナッツバター、オイルサーディン、ハイビスカスティの製造。
水事業。

・スリランカ
ムライティブでのせり場の建設。
ムライティブでのサリーリメイク事業の開始。

>2016年

・パレスチナ
ガザ地区での農業支援・女性支援・子供ケア
ヨルダン川西岸での地域循環型事業・オリーブ植樹

・スリランカ
ジャフナタウンに2つ目のゲストハウス「KAISシティゲストハウス」を開業。
ジャフナ養殖事業が終了。
デニヤヤ有機紅茶転換事業は現地駐在員が撤退して現地の自立運営へ。

・マレーシア
マングローブのジャム・お茶の製造、栄養改善ワークショップを実施。

・日本
東日本大震災の6年間の事業が終了。

日本の認定NPO法人に、レバノン事務所開設、日本での民際教育事業・居場所づくり開始

>2017年

・レバノン
事務所を開設し、シリア難民への支援を開始。

・日本
日本の学生向けの民際教育活動の開始
日本での居場所づくり

・フェアトレード事業
コーヒーゼリー、アールグレイ紅茶ようかん、ルフナ茶を商品化
アールグレイ紅茶が有機JAS認証を取得

葛飾区に「みんかふぇ」を開設、愛媛での被災者支援、 インドネシア被災者支援、シリアでの活動開始

>2018年

・インドネシア
スラウェシ島中部スラウェシ州でマ グニチュード7.5の地震が発生し、発災から約1か月後に現地に入り、食糧と生活用品を被災者に配布。

・シリア
食糧配布事業

・トルコ
子供保護事業

・レバノン
越冬支援

・パレスチナ
ガザでの女性グループの畜産活動
ガザでの親子参加のコミュニティ緑化イベントの開催
西岸地区での地域循環型社会づくり事業、イナゴマメの植樹事業 

・スリランカ
北部の現地スタッフが中心となった企業 KAISが設立。ゲストハウスの運営、北部各地のガイド、サリーリサイクル製品の販売の活動に取り組む。
南部で有機農産物の生産と販売の多角化。
南部でエコ・ツーリズム事業の拡大。

・東ティモール
コンポスト・センターおよびバイオガス・プラントからの収入の増加、

・日本
東京都葛飾区白鳥に「みんかふぇ」を発足、8月には子ども食堂を開設。
愛媛県での西日本豪雨被災者支援を開始。

・フェアトレード事業
アロマ・ティモール ハーブティーの商品ラインナップが拡大(ツボクサ&ミント、アボカドリーフ&ライムリーフ、月桃、レモン グラス、ハイビスカス) 

・民際教育部
日本の高校生・大学生向けの教育事業を行う民際教育が発足。

栃木での台風被災者支援開始

>2019年

・日本
栃木県での台風19号被災者支援を開始。床上浸水件数が多く、スタッフの出身地だった 栃木県栃木市と佐野市で被災状況の調査および支援活動を行うことを決 めて10月末から現地入り。

新型コロナウイルスによる小中学校の休校を受けて、みんかふぇで給食代わりの昼食用 弁当と牛乳を配布を開始。

・東ティモール
アグロフ ォレストリー事業(チョコレート開発)を開始
従来の水洗式製法に加えて、ナチュラル製法、ハニー製法の豆を日本へ出荷
ふりかけ生産拠点がアタウロ島に完成 。

・パレスチナ
西岸での循環型社会事業。 生ゴミ、紙、ペットボトル・ビン・缶、ナイロンの4種の分別ボ ックスを町の大通りに面したスーパーや八百屋の店主に管理を協力して もらい、30か所に設置。
生ゴミを堆肥化するた めの堆肥舎を建設 。
植樹事業。

・インドネシア
トイレの新設や修復、水タンクの配布。
女性の生計支援と子どもの保護 。

・スリランカ
2009年8月から2018年3月に外務省NGO補助金の助成を得て実 施したスリランカ北部内戦復興プログラムを振り返えり、ブックレットとして販売。
社会的企業KAIS(カイス) とKAISゲストハウス。
デニヤヤ事業所での有機農産物の生産と販売 。
デニヤヤでのエコツーリズム事業 。

・スタディツアー
山形置賜地方訪問
東ティモール:美味しいコーヒーに出会う旅(2019年8月18日~24日) 

・フェアトレード事業
ウバ紅茶に有機JAS認証がつき、パッケージをリニューアル。 

・イベント開催による広報活動

ベイルート大規模爆発被災者支援

>2020年

・東ティモール
国産品消費キャンペーン事業(カフェの開店準備) 

・レバノン
ベイルート大規模爆発被災者支援
遠隔授業と食糧配布の実施(バル・エリアス)
食糧配布と家庭菜園研修の実施(アルサール)
灯油の配布による越冬支援の実施(アルサール)
シリア難民の子どもたちへの教育の提供(アルサール)

・シリア
ホムス県とダマスカス郊外県での農業生産・養鶏支援
ヨルダン川西岸での学校にトンネル型の下水路の設置
学校に消臭効果のある木やハーブの植樹
地域の耕作放棄地への植樹 

・スリランカ
北部のカイツゲストハウスが2020年12月末に閉館
綿布とサリーを組み合わせた商品の開発を開始

ミャンマーへの支援開始

>2021年

・ミャンマー
2021年2月1日、ミャンマーでの軍によるクーデターを受けて、女性世帯・障害者のいる世帯・妊娠中の女性への支援を開始。

・レバノン
経済的に脆弱な人々に日当を払って取り組む、爆発で破壊された歴史的建造物の補修事業を開始。
アルサールでのシリア人の小学生500人に対する支援を継続。

・シリア
ホムス県での小麦生産支援を継続。

・パレスチナ
軍事攻撃に伴い、ガザ北部の農家を対象に緊急支援を開始。
ガザ南部での女性酪農グループへの支援を継続。
西岸地区で生ごみ堆肥の販売開始。

・東ティモール
2021年4月のサイクロンによる豪雨災害を受けて、アリナロ県マウベシ郡及びマナトゥト県ラクルバール郡で家屋修繕事業を開始。

・インドネシア
2021年4月のサイクロンによる豪雨災害を受けて、マラカ県で生計活動の再開のために、種・農具・漁具・地鶏の配布を開始。

・東ティモール
2021年9月28日、カフェアロマティモールを開店。

・マレーシア
日本とマレーシアの大学生を繋いだオンラインフィールドワークを日本の3大学で実施。

・スリランカ
有機ブラックペッパー「パーラスパイス」の販売開始。

・葛飾区
2021年6月、みんかふぇを移転。
コロナ禍でも集まらずに行うイベントを実施。

スリランカでの活動

デニヤヤでの小規模農家支援と有機紅茶

スリランカでの活動を詳しく見ていきましょう。

パルシックは2010年にスリランカ南部のデニヤヤでキトゥル蜜の伝統的な生産の支援から着手。

デニヤヤで活動を始めて農家の本業が紅茶であることが分かったこと、また「化学肥料や農薬を散布で茶摘みをする娘の手が荒れているので有機栽培に転換したい」という相談を受けたことから、2011年から紅茶の有機栽培転換へ支援内容を変更しています。

スリランカの紅茶産地は7つに分けられますが、その中で標高が最も低いルフナに当たるのがデニヤヤです。

世界自然遺産に登録されているシンハラージャ森林保護区の南側に位置する自然が豊かな山間地帯です。

デニヤヤでは紅茶の茶畑に農薬をまくことによる環境問題や消費者・生産者の健康への被害が問題視されていました。

そこでパルシックは、化学的に合成された農薬を使用せずに茶を栽培することで、安心安全でおいしい紅茶を生産する支援を開始しています。

まずはじめに、25世帯の紅茶農家を集めてエクサ(シンハラ語で「有機茶栽培農家協働グループ」)を結成し、紅茶の有機転換に着手。

農薬を使用しない有機栽培は、土から作るためとても手間暇がかかる作業です。

エクサのメンバーは、牛を飼い、牛の糞やバナナの皮など、自然由来の堆肥を作りました。
また、スリランカ国内で有機紅茶栽培に取り組む紅茶農園の訪問などもされたそうです。

茶葉の加工も、有機栽培の茶葉を専門に取り扱う工場に行ってもらっているようです。

2020年時点でこの支援は5つの村に広がり、80世帯が参加しています。

日本向けにデニヤヤ茶に有機ベルガモットの香料を配合したアールグレイ紅茶を販売。
アールグレイ紅茶は、一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会が行っているソーシャルプロダクツ・アワードで、2014年に特別賞を受賞しています。

ソーシャルプロダクツ・アワードは2012年から実施されており、持続可能な社会の実現につながる、優れた製品やサービスに光を当て、商品性と社会性の両面を評価する表彰制度です。

その後、アールグレイ羊羹を商品開発して発売し、現在はフレーバーを付けていない「ルフナ茶」と「アールグレイ茶」はリーフとティーバッグで販売されています。

商品はパルシックが運営するオンラインフェアトレードショップ「パルマルシェ」から購入できます。

サリーコネクション(サリーリサイクルプロジェクト)

二つ目に紹介するのは、サリーのリサイクルプロジェクト「サリーコネクション」です。

サリーとは、インド、ネパール、スリランカなど南アジアの女性が着用する民族衣装で、細長い布で体を包み込むようにして使います。
式典で正装として着られるほか、役所の職員や学校の先生は日常的に着ています。

プロジェクトは、あるスリランカの男性が、パートナーが式典の度にサリーが増えて困っていると話していたことから着想を得て生まれたそうです。

2012年、内戦や津波で家族を失ったスリランカ北部の寡婦女性たちの経済的自立を目指して女性たちにミシンや縫製のトレーニングを行い、スリランカ南部で回収した古着のサリーをリメイクして新しく商品に生まれ変わらせるサリーコネクションが始まります。

ブランド名は「Sari Connection」で、コロンボのショップに卸して販売され、その売り上げが彼女たちの収入になります。

商品はトップスなどの衣類や、バッグ、ポーチ、ヘッドバンドなどの小物などがあります。

パルシックはこの事業を通して、南北の女性を繋ぎ、南北地域の相互理解と平和構築に寄与することも目標としています。

2015年4月時点では、約80名の女性たちが縫製に携わっているようです。

2017年8月には、毎年25日間に渡って行われるナッルール寺院のお祭りに出店。

また、サリー・コネクションのファッションショーを国内の高級ホテルのラウンジで行うなど、活動範囲が広がっています。

有機スパイスのフェアトレード

2021年にデニヤヤで栽培した有機ブラックペッパーを商品化。

ブランド名はシンハラ語で道を意味する「パーラ」を使った「パーラスパイス」。

将来的には他の事業地のスパイスも巻き込んだ展開をしていく予定とのことです。

東ティモールでのコーヒー事業

スリランカのデニヤヤの有機紅茶と共に、パルシックのフェアトレード商品の代表格である東ティモールのコーヒーについても紹介します。

パルシックが最も長く活動をしている国が東ティモールです。
コーヒー生産者支援、食品加工を通じた女性の生計向上支援、栄養改善事業など様々な取り組みを行わっています。

コーヒーは東ティモールの主要な産業です。

2018年に東ティモールで毎年開催されているコーヒー・フェスティバルの品評会では、この支援で作られたコーヒー豆が125サンプル中9位に輝きました。

この支援で生産されているコーヒーも、先ほど紹介したデニヤヤの紅茶と同じフェアトレード商品です。

2019年11月からは、次世代の農家が誇りをもって生産に取り組めるように、コーヒー畑の整備が行われているようです。

コーヒーの木は15年から20年ほどで収量のピークを迎えるそうですが、東ティモールのコーヒーの木は樹齢が30年を超えていたそうです。

しかし、これまで農家はそのような知識を得ておらず、また整備による一時的な収穫量の減少を危惧し、大規模な畑の手入れをためらっていたそうです。

そこでパルシックは、専門家が土壌改良や木の手入れの方法を農家に教えることで農地の改善を図りました。

2020年にコロナパンデミックが起き、今でも活動への影響はありますが、現在も着々と事業は進められているようです。

2021年11月以降はさらなる事業参加農家を募る予定だそうです。

また、女性の生計向上支援では、単一の農産物だけでなくはちみつやジャム、そら豆といった複数の食品を取り扱っています。

これによって、それまで年に1度だった収入の機会を増やして彼女たちが家計管理を行い、目標を持って生活できるようにしています。

スタディーツアー、オンラインツアー

パルシックは、スリランカや東ティモール、マレーシアと民際事業を展開・支援している国で、民際教育事業(海外研修、スタディーツアー、オンラインツアー)を開催しています。

海外研修は、依頼を受けた日本の大学や学校に合わせてプログラムを組んでいます。

一般の人が参加できるスタディーツアーも毎年開催しています。

スリランカでは、デニヤヤの紅茶農家を訪ねるツアー(紅茶農家でのホームステイ・茶摘み・工場見学等)やジャフナなどの北部を訪れるツアーが開催されています。

新型コロナウイルスの影響で海外渡航が難しくなってからは、活動拠点がある各国と繋いだオンラインツアーを開催しています。

オンラインツアーの開催予定

2021年12月9日、在日ミャンマー人たちの活動(Spring Revolution レーレールィンさん)
2022年1月7日、ミャンマーの少数民族(山形大学 今村真央さん)
2022年1月13日、スリランカ 胡椒の産地とつながる
2022年2月、ミャンマー仏教 (京都大学 川本佳苗さん)
2022年3月、ミャンマーの現状と女性たち

フェアトレード商品

ウェブのフェアトレードショップ『パルマルシェ』でアールグレイ紅茶、アールグレイ紅茶ようかん、東ティモールコーヒーを注文して試してみました。

フェアトレード商品というと、取り組みへの共感を売りにしているイメージがありましたが、パルシックの商品は品質が素晴らしい上に価格が手頃なのが驚きです。

アールグレイ紅茶

アールグレイの上品な香りのする紅茶です。

色んなアールグレイ、紅茶を飲んできましたが、香り・味ともに気に入りました。

リーフとティーバッグがありますが、残念ながらリーフが売り切れていましたので、今回はティーバッグにしましたが、パッケージも綺麗です。

ミルクティーでも美味しいですが、個人的にはストレートの方がアールグレイらしさを感じられて好きです。

アールグレイ紅茶ようかん

羊羹を邪魔しない程度にアールグレイ紅茶の香りと味わいを感じる羊羹です。

価格が手頃ですので、紅茶と一緒に楽しむのがオススメです。

東ティモールのコーヒーを使ったゼリーも販売されています。

カフェティモール

カフェティモールは、生豆、豆、粉、ドリップバッグ、リキッドコーヒー、珈琲ゼリーと多くのバリエーションがあります。

焙煎器と生豆のセットも販売されています。

焙煎器はアマゾンでも同様のものが販売されていましたが、アマゾンでの購入と変わりませんので、生豆から焙煎してみたい方は買ってみても良いでしょう。

生豆は5kg未満、5kg〜9kgで値段が異なりますので、自家焙煎派の方には生豆をまとまって買えるのも良さそうです。

パルシックのスタッフさんにスリランカでカフェティモールのドリップバッグをもらって飲んだのがはじめでしたが、味も香りもすごく良かったという記憶がありました。

今回購入したのは豆です。
東京のコーヒー専門店を回ってコーヒー豆を買って飲んできましたが、数年ぶりに飲むカフェティモールはやはりとても美味しいです。

カフェオレも美味しく楽しめます。

参考)

パルシックホームページ
パルシックFacebookページ
フェアトレードショップ パルマルシェ
ウィキペディア:アジア太平洋資料センター
PARCのあゆみと連帯経済への取り組み
パルシック:英文AMPO
ウィキペディア:オルタ (雑誌)
ウィキペディア:武藤一羊
武藤一羊の英文精読
ウィキペディア:鶴見良行
ウィキペディア:北沢洋子
ウィキペディア:ベトナムに平和を!市民連合
ウィキペディア:原水爆禁止日本協議会
独立行政法人環境再生保全機構:特定非営利活動法人パルシック代表理事 井上礼子さん
東京都国際交流委員会:特定非営利活動法人パルシック(PARCIC)
一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会:ソーシャルプロダクツ・アワード
ジブン農業:意外と知らない有機栽培と無農薬栽培の違い
フェアトレードショップ『パルマルシェ』story1アールグレイ紅茶/ルフナ紅茶との出会い
ウィキペディア:サリー(民族衣装)
地球の歩き方:サリー・リサイクル・プロジェクト「Sari Connection」
パルシック:ツアーに参加する
パルシック:海外研修
パルシック:スリランカ・南部マータラ県デニヤヤ おいしい紅茶のルーツを訪ねる旅
パルシック:スリランカ
パルシック:コーヒー生産者支援(2002年〜)
パルシック:女性の生計向上支援(2008年〜)
アジア太平洋資料センター:2007年度活動報告
パルシック:2008年度活動報告
パルシック:2009年度活動報告
パルシック:2010年度活動報告1
パルシック:2010年度活動報告2
パルシック:2011年度活動報告
パルシック:2012年度活動報告
パルシック:2013年度活動報告
パルシック:2014年度活動報告
パルシック:2015年度活動報告
パルシック:2016年度活動報告
パルシック:2017年度活動報告
パルシック:2018年度活動報告
パルシック:2019年度活動報告
パルシック:2020年度活動報告