世界遺産ゴール内の17世紀のタウンハウスを改装したホテル「フォート・バザール」
世界遺産ゴールフォート内でも、最も史跡と高級ホテルが集中しているチャーチストリート。
そのチャーチストリートにある17世紀のタウンハウスを改装した高級ブティックホテル「フォート・バザール(Fort Bazaar)」について紹介します。
目次
歴史が息づく教会通り
フォート・バザールは世界遺産「ゴール要塞(Galle Fort)」のメインストリートに建っています。
その立地を活かして、ストリートに面してダイニングが設置され、2階のバルコニーからはストリートを見下す設計になっています。
メインストリートである教会通りについて、世界遺産エリアの入口からホテルまでの道のりを味わってみましょう。
要塞の門(Main Gate)をくぐると、ラウンドアバウトで道は三叉に分かれています。
真っ直ぐ伸びているのが「灯台通り(Lighthouse Street)」
右に伸びているのが「城壁通り(Rampart Street)」
左に伸びているのが「教会通り(Church Street)」です。
教会通りの名は、ゴールを代表する教会「オランダ改革派教会(Dutch Reformed Church)」があることに由来します。
教会通りはゴール港を見渡す丘の上を南北に走り、オランダ東インド会社の司令本部、教会、図書館、郵便局が建設されたメインストリートです。
教会通りはラウンドアバウトから弧を描く緩やかな坂道になっていて、坂の途中に「ゴール国立博物館(Galle National Museum)」があります。
坂を登り切ると、1684年に建造された司令本部をアマンリゾートが改装した「アマンガーッラ(Amangalla)」があります。
ゴールはシンハラ語で「ガーッラ(ගාල්ල)」と発音します。
アマンリゾートはその土地の文化を大切にし、その土地の言葉をリゾート名に採用することが多く、英語表記のGalleではなく、Galla(ガーッラ)としています。
アマンガーッラの隣には道を挟んで、オランダ改革派教会があります。
教会の隣にはスリランカ最古の図書館「ゴール図書館」、
図書館の隣にはスリランカ最古の郵便局「ゴール郵便局跡地」、
その向かいには1671年にオランダが建造した倉庫を改装した「国立海洋博物館(National Maritime Museum)」があります。
教会通りは教会とアマンガーッラを頂点に下り坂となり、「英国国教会(All Saints’ Church)」があります。
その後、銀行やお店が入る建物が2軒並び、その隣にあるのが今回紹介するフォートバザールです。
フォートバザールの隣には、ゴールで最初の5つ星ホテルとなったオランダ商人の家を改装したホテル「ゴールフォートホテル」があります。
坂を下りきると、フォート内を東西に走るもう一つのメインストリート「行商人通り(Pedlar Street)」があり、その交差点には印刷所を改装したホテル「The Fort Printers」があります。
エントランス
教会通りに面したエントランス。
入口の左右にはレストランのテラス席が配置されています。
レストラン「チャーチ・ストリート・ソーシャル」
その名の通り、チャーチストリートに面した宿泊客以外も利用可能なレストランです。
奥には屋内席もあります。
ゴールはポルトガル人がやってくる前は、イスラム商人たちの町で、現在もゴールフォート内には多くのイスラム教徒が住んでいますが、このホテルのデザインコンセプトはアラビアンです。
アラビアン柄が美しいタイルやファブリックがアクセントを加えています。
料理にもアラビアンが反映され、モロッコ、トルコ、アラブなどの中東料理の要素を取り入れたメニューが用意されています。
その他、日本を含むアジアンフュージョン料理、スリランカ料理をモダンにアレンジしたメニューなどがあります。
人気メニューは、モダンスリランカスタイルのブラックポークカレーやラグーンクラブサラダとのこと。
ランチ
ランチは軽めに頂きました。
ディナー
以下のマグロの刺身は、スリランカでは珍しく美味しく、ホッとしました。
このデザートが、また格別に美味しかったです。
朝食
パンがシンプルに美味しいのが嬉しいです。
バー
以下は入口左手側のテラス席ですが、その奥にバーがあります。
宿泊者には17-18時にカクテルサービスがあります。(ポーヤデーなどアルコールの提供が禁止されている日はモクテールに変更。)
宿泊費に含まれていますので、観光を終えたらバーで休憩するのがオススメです。
私は取材で出掛けて頂き損ねました。。
ラウンジ
レストランの奥にラウンジがあり、チェックインはこちらで行います。
宿泊者にはアフタヌーンティーのサービスがあり、こちらも宿泊料金に含まれています。
ラウンジや中庭で楽しむことができます。
アフタヌーンティーも別取材で外出したため未取材ですので、再度宿泊した際にアップデートしたいと思います。
スイートルーム
レストランやラウンジの上階には3室のスイートルームがあります。
スイートルームは2タイプあり、ファミリースイーツが1室、アッパースイーツが2室あります。
ライブラリー
ラウンジから階段を登っていくと、3室共有のライブラリーがあります。
アッパースイート
部屋の広さは75㎡。
このホテルで最上位の部屋で、この部屋に泊まらせて頂きました。
客室のドアを開けると、まずラウンジがあります。
ラウンジを抜けて広いベットルームに入ると、ソファー、そして、ティアドロップホテルズに共通したバリスタイルの四柱式キングサイズベッドが置かれています。
天井が非常に高いのが、ティアドロップホテルズのホテルに共通した点です。
バルコニーからは教会通りを見下ろせ、行き交う人々の様子を眺めがらゆったりとすることができます。
バスルームは、天窓があるシャワーブースに、洗面台が2つ、そして、バスタブがあります。
バスルームはとても広いため、とても開放感があります。
客室全ての床が木目になっているため、裸足で過ごすのが快適だと思いました。
ファミリースイート
部屋の広さは100㎡で最も大きな客室です。
アッパースイートとの違いは、中二階があり、そこにツインのシングルベッドが置かれている点です。
以下が中二階です。
中庭とバザールベットルーム
通りに面した古い建物を抜けるとフランジパニの木など木々・花々が整えられた中庭があります。
中には夕方になるとライトアップされます。
中庭の左右に細長く伸びた客室棟の1階と2階にあり、この中庭に面した客室がバザールベットルームです。
バザールベットルーム
客室の広さは35㎡。
フォートバザールのメインの部屋タイプがバザールベットルームです。
スイートルーム半分以下の広さですが、十分な広さがあります。
上の写真のようにキングサイズベットルームの部屋と、下の写真のようにツインベットルームがあります。
ベットルームの奥にバスルームがあります。
大きなシャワーベットが頭上に固定され、光が差し込む天窓があります。
バンヤンツリーとバンヤンベットルーム
中庭の奥にバンヤンツリーの大木があります。
この木に面した中庭の奥にある1階と2階にある部屋がバンヤンベットルームです。
部屋の広さは32㎡と最もコンパクトですが、角部屋に当たるため、1階の客室にはテラス、2階の客室にはバルコニーがあります。
こちらの部屋にもツインルームがあります。
スパ
中庭の奥の左手側にスパがあります。
宿泊者には1泊当たり30ドルのバウチャーがもらえますので、お得にマッサージを受けることができます。
各マッサージの値段は以下の通りです。
・全身(オイルマッサージorアジア式深部組織マッサージor指圧マッサージ)90分:60ドル
・全身(オイルマッサージorアジア式深部組織マッサージor指圧マッサージ)60分:50ドル
・部位(背中・首・肩・足)マッサージ45分:40ドル
・頭部マッサージ30分:30ドル
・キッズマッサージ30分:30ドル
トリートメントルームは3室で、うち2室はスチームバスが設置されています。
ナチュラルな素材で作られたアメニティー(オフィール社製)で揃えられています。
隣接した41 LIGHTHOUSE STのプール
ラグジュアリーホテルにあるプールがフォートバザールにはありません。
ただ、中庭の奥と背中合わせに隣接してるヴィラ「41 LIGHTHOUSE ST」は、ティアドロップホテルズの創業者の一人マイケル・デイヴィスさんがティアドロップホテルズを創業する前に改装をしたヴィラです。
父の仕事を引き継いで香港に住んでいたマイケルさんが、2001年にイギリスでの学生時代の友人でスリランカに移住して旅行会社「レッド・ドット・ツアー」を経営するチャーリー・オースティンさんに会いにスリランカに来た際に、廃墟になっていた物件を気に入って購入、改装しています。
41 LIGHTHOUSE STは貸別荘(プライベートヴィラ)で、ヴィラの利用者がいない場合は、41 LIGHTHOUSE STのプールを利用することができます。
41 LIGHTHOUSE STは、その名の通り、チャーチストリートに並行して走るライトハウスストリート(灯台通り)の41番にあります。
ティアドロップホテルズは、クリケットのスター選手であったクマール・サンガッカラさんが現在「ワラウワ(Wallawwa)」となった物件を紹介し、その邸宅を改装して2008年末にブティックホテルとしてオープンしたことから始まっています。
その後、スリランカ各地にブティックホテルをオープンし、ゴールについては、貸別荘の隣接地に当たる一つ隣の通りにフォートバザールを開業したということです。
改装を手掛けたPWAアーキテクツ
改装を手掛けたのは、PWAアーキテクツ(PWA Architects)です。
PWAアーキテクツは以下のような著名な物件を手掛けています。
・ジェフリーバワ建築の「PARADISE ROAD THE VILLA BENTOTA」
・スリランカ第4代首相、第7・9〜11代首相、第5代大統領を務めたダンバーラナーヤカ一家が暮らしたパラダイスロードが運営する「TINTAGEL」
・東証プライム上場企業のベルーナがゴールに経営しているホテル「Le Grand Galle」
・パーシクダーにある「AMAYA BEACH」
・コロンボの4つ星ホテル「Galadari Hotel」
・安藤忠雄さん設計のミリッサのベルギー人の豪邸
参考)
まとめ
本ホテルは宿泊料にアフタヌーンティー、夕方のバーでのカクテル、ミニバーのソフトドリンクが付いています。
ゴールは街歩きが楽しい世界遺産ですので、ゴールの中心にあるフォートバザールを拠点にすると、とても便利です。
街歩き後の休憩にサービスで付いているアフタヌーンティーやカクテルは最適です。
参考)
Fort Bazaar – Galle Fort オフィシャルサイト
41 LIGHTHOUSE ST – Galle Fort オフィシャルサイト
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ティアドロップホテルズが運営する他のホテルの記事です。
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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