中央高速道路の第3ステージの工事に着手
マヒンダ・ラージャパクサ首相は、コロンボ郊外のKadawathからDambullaをつなぐ中央高速道路(Cetral Expressway)の第3ステージの建設に着手することを発表しました。
目次
中央高速道路建設4つのステージ
中央高速道路は以下の4つのステージに分けられています。
1:本線の南側 コロンボ県カダワタ(Kadawatha) 〜 ガンパハ県ミリガマ(Mirigama)
2:本線の中央 ミリガマ 〜 クルネーガラ、支線となるミリガマ 〜 ケガッラ県アンベプッサ(Ambepussa)
3:キャンディ路線 クルネーガラ県ポトゥヘラ(Pothuhera) – キャンディ県ガレゲダラ(Galegedara)
4:本線の北側 クルネーガラ 〜 ダンブッラ
今回、着手することが発表されたのは、第3ステージの「キャンディ方面をつなぐ ポトゥヘラ 〜 ガレゲダラ」の工事です。
ポトゥヘラ〜ガレゲダラ間の3つのインターチェンジ
ポトゥヘラ・IC(クルネーガラ郊外)
ランブッカナ・IC(郊外にピンナワラ象の孤児院)
ガラゲダラ・IC(キャンディまで延伸予定)
キャンディ方面をつなぐポトゥヘラ・IC 〜 ガレゲダラ・ICは4車線になる予定です。
ガラゲダラ・ICはキャンディ・クルネーガラ・プッタラムを繋ぐA10道路に接続します。
ナランワーラ〜キャンディ県ガンノルワのインターチェンジ
第3ステージには入っていませんが、ガラゲダラ・IC近くにナランワーラ・ICを作り、キャンディ市のガンノルワに接続する計画になっています。
ナランワーラ・IC
アラデニヤ・IC
ガンノルワ・IC
カダワタ〜クルネーガラ間の7つのインターチェンジ
カダワタ・IC(外環高速道路E02に接続)
ガンパハ・IC
ベヤンゴダ・IC
ミリガマ・IC(アンベプッサ支線に接続)
ナクルガムワ・IC
ポトゥヘラ・IC(キャンディ線に接続)
ダンボッカ・IC
クルネーガラ・IC(ダンブッラまで延伸予定)
クルネーガラ〜ダンブッラ間のインターチェンジ
クルネーガラ・IC
メイシリプラ・IC
ガレウェラ・IC
ダンブッラ・IC
完成予定
第3ステージの工期は4年間と予定されています。
中国の資金援助によるプロジェクトです。
スリランカの高速道路
中央高速道路はE04 Expresswayとも呼ばれます。
南部高速道路(E01 Expressway)
スリランカ初の高速道路で、日本の資金援助により建設されています。
コロンボ郊外のKottawaとゴール郊外のPinnaduwaが2011年に開通しています。
その後、ゴール郊外のPinnaduwaからマータラ郊外のGodagama-Palatuwaまで延伸され、2014年に開通。
延伸工事は中国の資金援助です。
さらに、マータラ郊外のGodagama-Palatuwaからハンバントータまでの延伸が中国の資金援助で2020年に開通しています。これによりコロンボ郊外が、中国の資金援助で作られた第二国際空港のマッタラ・ラージャパクサ 空港、同じく中国の資金援助で作られた第三国際港のハンバントータとつながっています。
南部高速道路が通る南西海岸地域はビーチリゾートが多く、最も観光客がいくデスティネーションです。
延伸されたゴールからハンバントータまでの南部海岸も、観光開発が進んでいる地域です。
将来的に東海岸(アルガンベイやバッティカロア)まで延伸することも検討されています。
外環高速道路(E02 Expressway)
日本の資金援助による高速道路。
南部高速道路(E01 Expressway)、空港高速道路(E03 Expressway)、中央高速道路(E04 Expressway)をつなぐ、コロンボ郊外の外郭環状道路。
■インターチェンジ
ケラワラピティヤ・IC(コロンボ・カトゥナーヤカ高速道路に接続)
カダワタ・IC
カドゥウェラ・IC
コタラワラ・IC
アトゥルギリヤ・IC
コッタワ・IC(南部高速道路と接続)
コロンボ・カトゥナーヤカ高速道路(E03 Expressway)
スリランカで2番目に開通した高速道路。
中国による資金援助による建設です。
コロンボのニュー・ケラニ・ブリッジと空港のあるカトゥナヤケ(ニゴンボ郊外)をつないでいます。
■インターチェンジ
カトゥナーヤカ・IC(バンダラナイケ国際空港と接続)
ジャ・エラ・IC
ケラワラピティヤ・IC(外環高速道路と接続)
ペリヤゴダ・IC
ニューケラニブリッジ・IC(コロンボ市と接続)
中央高速道路(E04 Expressway)
コロンボ郊外のKadawathからDambulla、そして、キャンディ郊外のGalegedaraをつなぐ高速道路。
世界遺産ダンブッラ、世界遺産シーギリヤ、世界遺産キャンディ、ジェフリーバワのヘリタンスカンダラマ、ピンナワラ象の孤児院などへのアクセスが良くなります。
将来的には東海岸のトリンコマリーまで延伸されることも検討されています。
ラトゥナプラ高速道路(E06 Expressway)
南部高速道路とつなぎ、コロンボ〜ラトゥナプラのアクセスを改善する計画。
まとめ
中央高速道路は当初の計画では3ステージに分けられていたものが、4ステージに変更されていますので、また工期は延びそうな気がしています。
ただ、高速道路が整備されると、スリランカの主要観光地へのアクセスが改善され、旅程の立て方も柔軟にできるようになりそう。完成が待ち遠しいです。
参照)
Construction work on third stretch of Central Expressway begins today
Central Expressway
China has paid US$ 1.1 bn Road construction progressing: RDA
E04 expressway (Sri Lanka)
E01 expressway (Sri Lanka)
E02 expressway (Sri Lanka)
E03 expressway (Sri Lanka)
E06 expressway (Sri Lanka)
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「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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