スリジャヤワルナダプラ大学の前身ウィデヨーダヤ・ピリウェナ
マーリガーカンダの丘には、スリランカ仏教復興の運動の先駆者の一人、ヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ僧侶(Hikkaduwe Sri Sumangala Thera)が建学したウィデヨーダヤ・ピリウェナ(Vidyodaya Pirivena)があります。
本記事では、スリランカの近代史、仏教史、教育史に重要な足跡を残したウィデヨーダヤ・ピリウェナについて紹介します。
ウィデヨーダヤ・ピリウェナとは?
ウィデヨーダヤ・ピリウェナは、1873年にヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ僧侶によって建学された仏教学校です。
ヒッカドゥウェ・シュリ・スマンガラ僧侶に土地と資金を提供したのが、アナガリーカ・ダルマパーラの母方の祖父であるアンディリス・ペレラ・ダルマグナワルダナ(Andiris Perera Dharmagunawardhana)です。
アンディリス・ペレラ・ダルマグナワルダナはマーリガーカンダに広大な土地を所有していました。
1891年にアナガリーカ・ダルマパーラが設立したマハボディ・ソサエティーは、ウィデヨーダヤ・ピリウェナの向かいにありますが、これもアンディリス・ペレラ・ダルマグナワルダナが土地を持っていたからでしょう。
ちなみに、ウィデヨーダヤ・ピリウェナとマハボディ・ソサエティーの間を走っている道の名前は、「Hikkaduwe Sri Sumangala Himi Mawatha」です。
マーリガーカンダの丘の麓には、ヒッカドゥウェ・シュリ・スマンガラ僧侶が支援を行い、神智学協会のオルコット大佐が設立した仏教学校「アーナンダ・カレッジ」もあります。
ウィデヨーダヤ・ピリウェナは、1958年にソロモン・バンダーラナーヤカ首相によって、大学(Vidyodaya University)となり、現在はスリジャヤワルダナプラ大学になっています。1958年に同時に大学に格上げされたのが、ウィディヤランカラ・ピリウェナ(現在のケラニヤ大学)です。
ウィデヨーダヤ・ピリウェナは大学になった際に、現在のスリジャヤワルダナプラ大学がある場所に移転しています。
ちなみに、現在のケラニヤ大学の前身であるウィディヤランカラ・ピリウェナを設立したのは、ラトマラーナの仏教学校でヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ僧侶ともに学んだラトマラーネ・スリ・ダルマロカ僧侶(Ratmalane Sri Dharmaloka Thera)です。
現在のコロンボ大学、ペラデニヤ大学、スリジャヤワルダナプラ大学、ケラニヤ大学、モラトゥワ大学の5校は、1972年にスリランカ大学として統合され、1974年には現在のジャフナ大学も統合されます。
1978年にスリランカ大学は廃止され、コロンボ大学、ペラデニヤ大学、スリジャヤワルダナプラ大学、ケラニヤ大学、モラトゥワ大学、ジャフナ大学の6校に分割されて現在に至ります。
歴史ある校舎
学校の校舎は歴史あるもので、1887年とあります。
隣の塔には、1926年とあり、増築した部分なのでしょう。
風格のある建物がカッコいいです。
ヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ像
敷地内にヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ像があります。
ヒッカドゥウェ・スリ・スマンガラ僧侶は、西部州・南部州・スリーパーダのチーフ僧侶を務めています。
仏塔の先には、マハボディ・ソサエティーが見えます。
学校のオフィス棟には、ッカドゥウェ・スリ・スマンガラ僧侶の写真が掲示されていました。
寺院
敷地内には寺院があり、仏塔、菩提樹などがあります。
ゾウさんがかわいいです。
ゲートに刻まれたハングル
ゲートにはハングルが書かれていました。韓国が支援したのでしょう。
参考)
Wikipedia: Vidyodaya Pirivena
Wikipedia:Hikkaduwe Sri Sumangala Thera
Wikipedia:Andiris Perera Dharmagunawardhana
Wikipedia:Ananda College
Wikipedia:Ratmalane Sri Dharmaloka Thera
Wikipedia:University of Ceylon
Wikipedia:List of universities in Sri Lanka
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、ホステル「スパイスアップ・ハウス」開設。
2020年8月、週刊「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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