スリランカのアーユルヴェーダとは?効果や施術について概要解説
最近、日本でも話題沸騰中のアーユルヴェーダ。
スリランカには、アーユルヴェーダのリゾート施設が多くあり、アーユルヴェーダを求めてスリランカを訪れる方も多くいらっしゃいます。
そこで今回は、アーユルヴェーダの本場スリランカの現地編集部から、アーユルヴェーダとは何か、実際の施術内容や効果についてご紹介します。
目次
アーユルヴェーダとは
アーユルヴェーダは、WHOから正式に認定されている、ハーブやオイルを使った施術や食事法、ハーブなどの天然由来の薬を活用した医療です。
その歴史はなんと5000年以上。
スリランカやインドを中心に、古くからアーユルヴェーダは育まれてきました。
スリランカのアーユルヴェーダリゾートでは、日帰りの治療も可能ですが、効果を得るには一定の期間が必要で、1週間から2週間が一般的です。
アーユルヴェーダの考え
アーユルヴェーダは単なるマッサージではなく、病気の治療や予防のための医療です。
そのため、アーユルヴェーダのドクターはスリランカ国内の医学部でアーユルヴェーダの修士号を取得しなければなりません。
アーユルヴェーダは5000年以上もの歴史に基づく、体系的な医療なのです。
そんなアーユルヴェーダには、「パンチャ・マハブータ」という、人間を含むこの世に存在する全てのものは空・風・水・地・火からできているという考えがあります。
そのため、アーユルヴェーダでは、体の不調を自然のものから治癒していくのです。
さらに、アーユルヴェーダは、古代語のサンスクリット語で「生命の科学」を意味します。
アーユルヴェーダは体だけでなく、心の健康も生命の一部であり、心身の健康の向上を目的とした伝統医療なのです。
そのため、オイルやハーブを使った施術や独自の薬だけでなく、食事や瞑想など様々な観点から心身を正常に戻します。
アーユルヴェーダの基本、「ドーシャ」
実際に施術を始める前に、アーユルヴェーダでは、「ドーシャ」という体質を見極めて、その人の「ド-シャ」に合った治療をしていきます。
ドーシャは、「ヴァータ・ピッタ・カパ」の3つ。
これらのドーシャは、全ての人々に存在していますが、そのバランスが人によって異なり、ドクターはまずこのドーシャを判断します。
ヴァータ(風)
まずヴァータは「風」の性質を持つドーシャ。
風のように軽く、動きやすい性質を持っているとされます。
やせ形で乾燥肌で、好奇心が強い反面、気分が変わりやすい人とされています。
ピッタ(火)
ピッタは「火」の性質を持つドーシャ。
火のように熱く、活発な性質を持っているとされます。
新陳代謝が良く中肉中背で、情熱的でチェレンジ精神がある反面、感情的な人とされています。
カパ(地)
カパは「地」の性質を持つドーシャ。
地のようにどっしりとしていて、安定している性質を持っているとされます。
体つきは良く肥満傾向で、落ち着いている反面、のんびりとしていて行動が遅い人とされています。
アーユルヴェーダの施術法
アーユルヴェーダにおける治療には、トリートメントだけでなく、その人のドーシャに合った食事や薬が処方されます。また、朝や夕方にヨガや瞑想に任意で参加できるリゾートが多くあります。
トリートメントでは、ドクターがその人のドーシャや問診などから、セラピストが施術に使うオイルや施術法を細かく指定します。
オイルには、体をあたためるものや冷やす性質を持つものなどがあり、例えば冷え性の人には体をあたためるオイルを使用するといった具合です。
多くの施術法がありますが、ここでは代表的な施術法をご紹介します。
シロダーラ
アーユルヴェーダといえば、オイルを頭上から高く落としていく施術をイメージされる方も多いはず。
シロダーラは、額の上からオイルを一点めがけて、ある一定の速度で落とすことで浸透圧をかけ、一種の瞑想状態下でリラックスさせる施術。
セラピストが絶妙な高さからオイルを落としていきます。
一種の瞑想状態に入るため、「脳のマッサージ」と表現されています。
ハーバルバス
こちらは、ハーブを煮出したお湯につかるお風呂。
体をゆっくりと芯からあたためます。
また、ハーバルバスには、スチームタイプもあります。
ハーブを煮出した蒸気を箱形のサウナにとじこめ、汗とともに毒素を体から抜き出していきます。
アビヤンガ
アビヤンガはマッサージを意味し、オイルを体中になじませてほぐしていきます。
アビヤンガには、足を中心に行うアビヤンガや、頭部や顔面を中心に行うアビヤンガがあります。
セラピストが1人のところもあれば、2人で行う場合もあります。
2人の場合は、指先の動きがうまくシンクロし、気持ちよさは倍増です。
アーユルヴェーダの効果
次に、アーユルヴェーダによって期待できる効果をご紹介します。
体のコリや疲労
まず始めに効果があるとされているのが、体のコリや疲労。
アーユルヴェーダを行う施設では、心身リラックスできる環境が整っています。
また、トリートメントによって体のコリをほぐし、疲労を取り除く作用があります。
食事療法には、その人の健康に合った食事が提供されますので、健康状態が向上し、疲労を取り除きます。
実際、アーユルヴェーダを求めてスリランカを訪れる方は、仕事漬けで疲れ切った心身を癒やすために来られる方がほとんど。
短期でも効果が得やすいため、多くの方がその効果を感じています。
健康増進
アーユルヴェーダに使うオイルには、様々な効果があります。
トリートメントによって、毒素を抜くデトックス効果、オイルマッサージによる美肌効果や免疫力の向上が期待できます。
さらに、オイルにはセサミンやビタミンEなど、抗酸化作用のある物質を含んでおり、これらはガンの予防や老化の予防につながります。
このように多くの効果があり、病気や老化の予防につながり、健康増進効果が得られます。
糖尿病や不妊治療
さらに、糖尿病や不妊治療といった、西洋医学でも治療が難しい症状にも効果があるとされています。
こちらは、食事や施術などを通常よりもさらに細かく行う「パンチャカルマ」によって、改善を図っていきます。
このような重大な症状の場合、短期間ではなく2週間以上の長期でないと、効果は期待できません。
通常の場合よりも、食事や施術、1日のスケジュールをさらにタイトに指定し、様々な観点から多くの治療を行います。
スリランカ特有の省、「アーユルヴェーダ省」とは
実は、スリランカにはアーユルヴェーダを専門に扱うアーユルヴェーダ省が存在します。
正式には、伝統医療省で、アーユルヴェーダ省とも呼ばれます。
アーユルヴェーダ省は1980年に設立されており、アーユルヴェーダに使われるハーブやオイルを監督しています。
ここでは、主にインドから輸入されるオイルが、スリランカに定める基準に沿っているのかどうか、監査します。
ちなみに、スリランカのアーユルヴェーダで使う伝統的な薬に必要な葉やフルーツは、スリランカで生産されているそう。
また、製造業者の監視や、ドクターを育成する大学のプログラムも管轄しています。
このように、アーユルヴェーダ専門の省があるからこそ、伝統のアーユルヴェーダが今も、そしてこれからも守られているのですね。
最後に
今回は、アーユルヴェーダとは一体どんなものなのか、その効果や施術についてご紹介しました。
日本でも目にすることが増えてきましたが、スリランカでは本場で、しかも格安でアーユルヴェーダを受けられます。
本場スリランカには、日帰りや2週間の滞在などアーユルヴェーダを体験でき、しっかりと効果が得られる施設が多くあります。
ご興味のある方は、ぜひ実際にスリランカで本場のアーユルヴェーダの体験をご検討ください。
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