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セイロンコーヒーで女性の雇用を!カフェ「ナチュラルコーヒー(Natural Coffee)」代表、吉盛真一郎さんインタビュー

2020年4月25日

スリランカで事業を展開する日本人起業家、経営者へのインタビュー第4弾。
世界遺産都市キャンディの中心地にカフェ「ナチュラルコーヒー(Natural Coffee)」を経営する吉盛真一郎さんにお話を伺いました。

ナチュラルコーヒーでは、こだわりのセイロンコーヒーに加え、オリジナルドリンク「テ・カフェ」やスムージー、日本食メニューを取り揃えています。
セイロンコーヒーやカフェ経営への思いについて、お聞きしました。

吉盛真一郎さんのプロフィール

建設会社に勤務し、2007年4月スリランカに赴任。現地でセイロンコーヒーに魅了され、企業のCSR活動の一環としてコーヒーの苗木の植樹を行う。その後「コーヒー事業に専念したい」と、建設会社を退職。2013年7月スリランカのキャンディでカフェ「ナチュラルコーヒー(Natural Coffee)」をオープン。ナチュラルコーヒーで代表として活躍中。

セイロンコーヒーへの思い

■吉盛さんがセイロンコーヒーに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

日本の建設会社に勤務し、スリランカ赴任していたころのある日、現場内の診療所を訪れると、軒先で赤い実が干されていたんです。
それがセイロンコーヒーとの初めての出会いですね。
最初は「紅茶の国スリランカで、セイロンコーヒーを流行らせられたら面白いだろうなあ」なんて考えていました。

今でこそ「紅茶の国」というイメージが強いスリランカですが、紅茶栽培が始まったのはイギリス統治時代の1800年代末。

実は、それ以前のスリランカではコーヒーが多く生産されていました

しかし、のちにコーヒーの木の伝染病の大流行によりコーヒー農園は壊滅的な被害を受けてしまいます。
その土地を使ってイギリス人が紅茶栽培を進めていったのです。

その事実を知り、徐々に「何らかの形でセイロンコーヒーに関わるチャンスはないだろうか。」という思いを持つようになりました。

■吉盛さんのセイロンコーヒー事業はどのようにスタートしたのでしょうか?

調べてみると、なんと現場事務所の近くの村でコーヒー復活のプロジェクトが、しかもJICAの支援によって行われていたのです。

早速現地を訪れましたが、すでにJICAのプロジェクトは終了しており、その後も粘り強く村の支援を続けようとしていた日本のNPOの熱い想いとは裏腹に、当時の組合の代表者が人ごとのように、

「今度日本人たちはいつ帰ってくるんだろうか?」

などと呟きながら放置された機械や加工場を見せてくれた姿が、とても寂し気に見えたんです。

「このままでは誰かが両者をつないでいかなければ、コーヒー栽培は終わってしまう。こんなもったいない事があるか!」

と思い、継続的な支援の必要性を痛感し、NPOのお手伝いを始めたんです。
その後、勤めていた会社も巻き込み、CSR活動としてコーヒーの苗木の植樹も行いました。

しかし、僕がインドへ異動になり、遠隔で事業を続けることに。
3週間に1回のペースでインドからスリランカを訪れていましたが、毎回スリランカには3日程度しか滞在できませんでした。

徐々に「このまま副業として続けていては、中途半端におわってしまう」と危機感を抱くようになりました。
そして、会社を退職し、スリランカでのコーヒー事業に専念することにしたんです。

■建設会社退職後、コーヒー事業はどのように進めてきたのでしょうか?

在職中の2013年にはカフェ「ナチュラルコーヒー」をオープンし、2017年にはコーヒーの葉から抽出したお茶「テ・カフェ」を開発しました。

このころには「生産者を継続的に支援したい」という思いを強く持つようになっていました。

「テ・カフェ」の開発の背景には「何とかしてコーヒー農家が安定した収入を得られないだろうか」という思いがあります。

というのも、コーヒー豆の収穫は10~12月ころで、それ以外の時期にはコーヒー農家の方の収入がストップしてしまっていたんです。

ですが、コーヒーの葉は一年中生い茂っているし、アフリカでは葉を煎じて飲む原住民もいる。

うまく利用すれば農家の方の安定した収入にできるし、紅茶の国にピッタリなのでは、というところから考えたんです。

カフェ「ナチュラルコーヒー」の魅力

■コーヒーだけでなくスイーツや日本食など様々なメニューを取り揃えているナチュラルコーヒーさんですが、メニュー開発はどのように行っているのでしょうか?

カフェのメニューは「コーヒーに合いそうなものなら、とりあえずやってみよう!」という姿勢で創業時から増やしてきました。

月単位で5個くらい増やしていた時期もありましたね。
メニュー開発は、日本からのインターンシップ生たちが行ったり、僕がケーキ修行をして来たり、様々な方法で行います。

ですが、コーヒーやスイーツはもちろん、カツカレーやオムハヤシなどの日本食も、スリランカ人従業員全員が手作りで提供できるシステムにしているんですよ。
早めに従業員に来てもらって仕込んでいるので、朝8時半からのり弁も食べられます。
シェフが11時にお店に来るところも多いですから、朝からタルタルチキンのり弁が食べられるところは他にはないと思います(笑)

欧米人の方には天ぷらうどんが人気です。
なぜか欧米人のお客様が天ぷらうどんとコーヒーを一緒にご注文されることが多く「そんな食べ合わせがあるのか!」と、こっちがびっくりしてしまいました。

お客様の9割が日本人を含む外国人の方々です。

女性の雇用創出

■カフェの従業員の方は、全員女性とのことですが、それはなぜですか?

スリランカを訪れたことがある方なら分かると思いますが、スリランカで外で働いている人たちは、ほとんどが男性なんです。

最近は女性を見かけることも少しづつ増えてきましたが、特に農村部では、外で働く女性が本当に少ないのです。

そこで、創業時に「働く人がすべて女性だったら面白がって人が来るのではないだろうか?」と、軽い気持ちで「従業員がみんな女性」のカフェにしたんです。

いざ始めてみると、スリランカでは「女性が外で働く」ということに対して、まだまだ抵抗感を持っている人がたくさんいることが分かりました。

うちで働きたいという子と面接をするとき、必ず親御さんが一緒にくることに最初は驚きましたね。
そして、大抵の場合、親御さんは僕の店を見ていい顔をしません(笑)

「外国人が女性だけ雇ってカフェなんて変だ」と思われてしまっているのかもしれません。

そんな時は、店のセキュリティに気を使っていることや、ガラの悪いお客さんは少ないですよ、ということと同時に、女性だけで運営することの意義を真摯に説明するようにしています。

■採用された女性は接客経験のある方ばかりなのでしょうか?

ナチュラルコーヒーでは基本的に農村部出身で、外で働いた経験のない女性を雇っています。
そのため、最初は英語が話せない従業員も多いです。

「未経験でも良いから、ここで全力で学んでもらう」という姿勢で、初日からマニュアルを渡し、一から仕事を覚えていってもらいます。

最初はもちろんうまくいかないこともありますが、みんなまじめに仕事と向き合ってくれます。
慣れてくると、みんな基本に忠実に、効率よく動いてくれます。

「基本に忠実に効率よく」という点でいうと、僕の経験上、スリランカでは男性より女性のほうが優れていると思います。
僕が今も女性を積極的に雇用するのは「女性の雇用を増やさなくては」という義務感より、むしろ「カフェの経営のために女性の力が必要」という気持ちが強いです。

今後の展望

■吉盛さんの今後の展望を教えてください。

これまで一緒に頑張ってきた人材を失わないようにする」ということをしっかりしていきたいですね。

特に今は、新型コロナウイルスの影響でカフェの営業ができません。
この危機がいつまで続くかわからないですが、僕は年単位で何かしらの影響が続く覚悟でいます。

しかし、従業員にはとにかく家にいても「今できること」をして、いつでも戻れるように準備しておいてほしいと思っているんです。

とにかく口を酸っぱくして、彼女たちには「今は英語や日本語でも何でもいいから、自分とスリランカを高く売るための勉強をしておけ」と言っています。

日本に働きに行くことを目指している子もいるので、僕がシンハラ語で日本語レッスンの動画を作ったりもしていますね。

また、今後もっと「人を動かす」仕事をしたいと考えています。
ナチュラルコーヒーには、全くの未経験の状態から、素晴らしい接客をしてくれるようになった従業員がたくさんいます。

そういう例がナチュラルコーヒーにはあるので、そのノウハウを生かして人材のプールのようなものを作っていけたらなと考えています。

ホテルやレストランなどで働き手が必要な時に、一定の能力がある人とつながれる、日本の派遣バイトのシステムのようなイメージですね。

これは文化的な違いですが、スリランカでは「仕事を辞める」ということが大きなことだと認識されていません。
気軽にやめてしまう人が多いように思います。

人を雇ってもすぐに辞めてしまい、新たに募集することを繰り返していることに疲れている事業者もいると思います。そこで、ある程度の接客スキルのある人を短期で雇えるシステムは需要があるのでは、と考えています。

さらにこのようなシステムができれば、もっと外で働きたいスリランカ女性の雇用を生み出せるのではないかと思うんです。
このように、これからはカフェの運営はもちろん、別の切り口からのチャレンジをしていきたいですね。

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