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12月のポーヤデー「ウンドゥワプポーヤ」〜アヌラーダプラ巡礼、スリーパーダの山開き

2022年12月07日

スリランカでは毎月の満月の日「ポーヤデー」は仏教の祭日でお休みです。

各月の満月祭には意味があります。

2022年12月のポーヤデーは12月7日です。

本記事では12月の満月祭「ウンドゥワプ・ポーヤ」について解説していきます。

ウンドゥワプ・ポーヤとは?

アショーカ王の娘サンガミッタが、インドのブッタガヤからアヌラーダプラに菩提樹の分け木もたらしたことを祝う日です。

この日は多くの仏教徒がアヌラーダプラの菩提樹「ジャヤ・シュリ・マハー」に祈りを捧げるために集まります。その他、スリーパーダなど仏教聖地各地にも人が集まります。11月のポーヤデーも、アヌラーダプラの仏塔「トゥパラマーヤ」が巡礼地となっていますので、2ヶ月連続でアヌラーダプラが巡礼先となっています。

スリーパーダの山開きの日

世界遺産「スリランカの中央高地」にも含まれている聖山「スリーパーダ」は、12月のポーヤデーから5月のポーヤデーまで巡礼登山が行われます。

つまり、ウンドゥワプポーヤはスリーパーダの山開きの日とも言えます。

サンガミッタがスリランカに渡った背景

インド亜大陸をほぼ統一し、仏教を守護したマウリヤ朝の第3代王のアショーカの最初の妻がデーヴィーです。
その長男「マヒンダ」がスリランカに仏教をもたらし、妹「サンガミッタ」が菩提樹の分け木をもたらしたと言われています。

妻「デーヴィー」は、インドのマディヤ・プラデーシュ州ヴィディシャー出身の釈迦族の商人の娘とされています。

アショーカが王子の時代に、父王・ビンドゥサーラから、古代インド十六大国の一つアヴァンティ国の首都ウッジャインの反乱鎮圧を命じられます。アショーカが現地で負傷した際に介護したのがデーヴィーです。

デーヴィーは商人の娘であったため、アショーカ王子は王に就任することになり、妻「デーヴィー」、長男「マヒンダ」、長女「サンガミッタ」をディーヴィーの故郷ヴィディシャーに置き、王都パータリプトラに戻り、新しい王妃を迎えます。

ヴィディシャーにアショーカ王が建てた仏塔が「世界遺産サーンチ」です。

正室の子ではないマヒンダは王位を継げないことから、スリランカに渡り、仏教を伝えたのではないかと言われています。

マヒンダとアヌラーダプラの王デーヴァーナンピヤ・ティッサがミヒンタレー(マヒンダ=シンハラ語のミヒンダに由来)で会い、ティッサ王が仏教に帰依し、アヌラーダプラに仏教が広がります。

女性で仏教僧になりたいという人たちのために、ティッサ王がマヒンダに依頼し、妹のサンガミッタが菩提樹の分け木を持ってスリランカに渡来し、尼(比丘尼)の祖となりました。

菩提樹の語源

ブッタはインド・ビハール州ブッダガヤに会った菩提樹の下に座って悟りを得たとされています。

菩提樹の名前は、パーリ語及びサンスクリット語の“budh”という語に由来し、覚醒する、転じて知り尽くすまたは完全に理解するという意味を持つとされています。 

仏教関連では名詞形の“ボーディー”(bodhi)として、ブッダの悟りを示します。

下に座って悟りを得たとされる木がボーディーの木(Bodhi vriksha)と言われ、 日本語の菩提樹は中国でボーディーの音写となる菩提(ぼだい)に、木を意味する樹が加わり、日本では菩提樹と言われるようになった言われています。

英語のBodhi tree 、bo-treeはシンハラ語が由来とされています。

本ページの冒頭の写真はアヌラーダプラのジャヤ・スリ・マハー菩提樹の分け木である、カルタラの菩提樹です。

アヌラーダプラの菩提樹「ジャヤ・シュリ・マハー」

アヌラーダプラにある菩提樹は、サンスクリット語で、ジャヤ(勝利)・シュリ(聖なる)・マハー(偉大な)・菩提樹と名付けられています。

紀元前288年にデーヴァーナンピヤ・ティッサ王が、サンガミッタがもたらした菩提樹の分け木を植えたもので、人間の手により植樹された樹木では最古のものとされています。

ブッタガヤの菩提樹は仏教弾圧の際に切られてしまい、現在のブッタガヤにある菩提樹はアヌラーダプラのジャヤ・スリー・マハー・菩提樹の分け木から育った三代目だそうです。

世界初の公園「マハメウナーワ・ウヤナ」

デーヴァーナンピヤ・ティッサ王は、菩提樹の分け木を「マハメウナーワ・ウヤナ(Mahamevnawa Garden)」に植えられました。

マハメヴナーワ・ウヤナは、デーヴァーナンピヤ・ティッサ王の父・ムタシヴァ(Mutasiva)王がアヌラーダプラに造営したスリランカ初の庭園です。

ミリオンセラーのファクトフルネスでは、世界初の公園としてマハメヴナーワ・ウヤナが紹介されています。

その名は大雨が降ったことから、maha(大)megha(シャワー)に由来すると言われています。
uyanaは庭園・公園という意味です。

マハメヴナーワ・ウヤナには、菩提樹以外にも以下のアヌラーダプラで重要な遺跡が多く残されていました。
・ブッタが悟りを得た時の坐像「サマディ坐像(Samadhi Statue)」
・スリランカ初の仏塔「トゥパラマーヤ(Thuparamaya)」
・真っ白い巨大な仏塔「ルワンウェリサーヤ(Ruwanwelisaya)」

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参照

Officeholidays「unduvap Full Moon Poya」
Tourslanka「Unduvap Poya Day」
ウィキペディア「マウリヤ朝」
ウィキペディア「パータリプトラ」
ウィキペディア「ウッジャイン」
Wikipedia「Devi (wife of Ashoka)」
ウィキペディア「釈迦族」
Wikipedia「Sanchi」
ウィキペディア「ゴータマ・ブッダの菩提樹」
ウィキペディア「スリー・マハー菩提樹」
ウィキペディア「マヒンダ」
Wikipedia「Sanghamitta」
Wikipedia「Mahamevnama Gardens」
Wikipedia「Samadhi Statue」

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