アーユルヴェーダ施設の選び方〜日帰り、長期滞在、診断〜
スリランカに来たら伝統医療であるアーユルヴェーダを体験してみたいと思う方も多いことと思います。
ところがアーユルヴェーダと呼ばれるものは多種多様です。
予算、日数、目的に応じて、選ぶべきものが大きく異なります。
そこで、今回はアーユルヴェーダを受ける際にどんな選択肢があるのかをご紹介します。
目次
アーユルヴェーダ施設の種類
本記事ではアーユルヴェーダ施設を大きく6つに分類します。
- スパ、マッサージ(数時間)
- スパ併設リゾート(数時間〜長期滞在)
- アーユルヴェーダリゾート(長期滞在)
- アーユルヴェーダ病院(通院)
- 伝承医療の治療院(村での治療)
- 風俗店(24時間営業)
スパ、マッサージ(数時間)
1時間や3時間などのトリートメント(施術)を行うことを中心とした施設です。
タイでタイ式マッサージ、バリ島でバリニーズマッサージを受けるように、スリランカ伝統マッサージを受けたい!という方には、数時間のスパやマッサージで、アーユルヴェーダのトリートメントを受けるのがいいでしょう。
タイマッサージ、バリニーズマッサージ、指圧マッサージなど幅広いスパメニューを提供していて、その中にアーユルヴェーダのトリートメントが含まれているというパターンが多いです。アーユルヴェーダのメニューがないところもあります。
ドクターが常駐し、診察をしてくれるところもあれば、ドクターはおらず、トリートメントだけを行う施設もあります。
ドクターがいても、5〜10分程度の診察で終わるところが多いです。稀に滞在型のリゾート並みに診察をしてくれるところもあります。
コロンボ近郊や旅行者が多い世界遺産がある町、レストランやホテルが立ち並ぶビーチリゾートなど、アクセスの良いところにあることが多いです。
アーユルヴェーダリゾートの中には宿泊客以外の、日帰りで施術を受ける人の受け入れを行なっているところもありますので、そういったところで受けるのも一つの方法です。
ただし、宿泊者にはドクターの診察をしっかりしているリゾートでも、日帰りの人には診察をしない、あるいは診察が簡易なものになることはよくあります。
ドクターの診察、自分のドーシャを知りたいという方は、しっかり対応してくれる施設なのかどうか、事前に調べ、確認しておくことをおすすめします。
参考)スパの例
スパ併設リゾート(数時間〜長期滞在)
一方で、リラグゼーションに重きを置いたリゾートホテルでは、食事はビュッフェで提供されることが多いです。
多くはありませんが、お酒が飲めるバーを設置しているところもあります。
治療に重きをおいていないとはいえ、提供される食事は健康的なものが多く、朝晩に無料のヨガやメディテーションのセッションを行っているリゾートも多く、健康的な生活が送れることが多いです。
ドクターによる診察も行われます。
規模や宿泊料金がある程度以上のスリランカのリゾートホテルには、スパを併設しているところが多くありますが、アーユルヴェーダを謳っているリゾートホテルであれば、ドクターの診察があることがほとんどです。
リトリート型のリゾートホテルでは、リラグゼーションが目的のため、観光のオプションなども充実している施設もあります。
リトリート型も主に欧米人が滞在していますが、日本人を主な対象にしているリゾートもあります。
・アーユルヴェーダを受けながら、リラックスしたい。
・アーユルヴェーダ以外にも世界遺産を観光したり、サーフィンやマリンスポーツも楽しみたい
という場合には、リラグゼーションに重きを置いたリゾートを選ぶと良いでしょう。
リゾートには長期滞在をする人が多いためか、ホテルの立地はビーチリゾートエリア、あるいは自然豊かな丘陵地帯に立地する傾向にあります。
精神的なストレスが緩和したい場合は、食べたいもの、飲みたいものを我慢せずに、アーユルヴェーダも受けたいという人もいるでしょうし、それが効果的なこともあります。
その場合はアーユルヴェーダ施設併設のリゾートホテルではなく、スパ併設のリゾートホテルに泊まるといいでしょう。
ドクターによる診察もなく、好きなように過ごすことができます。
スパはアーユルヴェーダ施設ではないので、バリニーズマッサージやスウェーディッシュマッサージと並んで、アーユルヴェーダマッサージがメニューの中にあるという場合もあれば、そもそもアーユルヴェーダがメニューにないこともあります。
アーユルヴェーダリゾート(長期滞在)
リゾートに滞在して、「ドクターによる診察」、「薬の処方」、「トリートメント」を受けるのがアーユルヴェーダリゾートです。
リゾートに滞在する人は治療目的の方と、リラグゼーション(リトリート)を目的にする方の2パターンに大きく分かれ、リゾートによって、重きをどちらに置いているかが異なります。
治療滞在型のアーユルヴェーダリゾートでは、最初にドクターの診察が行われます。
その診察内容に合わせて、滞在中の大まかなスケジュールが組まれます。
滞在中は、トリートメント(主にオイルを使った施術)を1日に1〜2回受けるのが一般的です。
そのトリートメントの内容は診察内容に基づいて行われます。
日々出される三食の内容も診察内容に基づき、一人一人に合わせて準備されることが多いです。
カフェインやアルコール、喫煙などは禁止されていることが多く、白湯やハーブティーを飲むことが推奨されます。
また、診察内容に合わせて、食前・食後に飲む薬が毎日処方されます。
ドクターが常駐しているリゾートが多く、診察は定期的に行われます。
凄腕のヘッドドクター、チーフドクターが滞在中に1〜2回診察をしてくれ、それ以外は通常のドクターが見てくれるというリゾートもあります。
リゾートで提供される食事の材料や、処方される薬の材料となるハーブなどをリゾート内のオーガニック菜園で育てているところもあります。
ダイエットをしたい、血糖値や血圧を下げたいなどの目的がある方にとっては、日常生活ではなかなか難しい食事コントロールができるのは魅力的です。
一方で、リラグゼーションを目的にしている方からすると、治療滞在型のアーユルヴェーダリゾートは食事の量が足りない、味が薄い、窮屈だと感じられるでしょう。
朝晩に無料のヨガやメディテーションのセッションを行っているリゾートが多いです。
また、アーユルヴェーダの治療中はあまり活動をしないことが推奨されるため、観光などのオプションも控えめです。
読書、スマホ、パソコンも控えることが望ましいとされます。
最低3泊以上、最低14泊以上などと、最低宿泊日数が決められているリゾートもあります。
治療を目的にしたアーユルヴェーダリゾートを選択する場合は、必然的にアーユルヴェーダを予定の主軸にしたスケジュールになります。
主も滞在者は欧米人(特にドイツ語圏が多い)です。
日本人専用、あるいは日本人を主な対象にしているリゾートもあります。
長期滞在を前提としているため、ビーチ沿い、あるいは自然豊かな丘陵地帯など静かな場所に立地する傾向にあります。
リピーターが多いのも治療型のアーユルヴェーダリゾートの特徴です。
持病や体の不調などが改善された方は定期的に通う人もいます。
全ての人に有効な治療効果が明確にあるわけではなく、その人によってアーユルヴェーダとの相性、ドクターや滞在したリゾートとの相性もあります。
また、疾患によって、必要な日数も異なるため、具体的に改善したい症状などがある方は、リゾートに直接相談されると良いでしょうか。
参考)アーユルヴェーダリゾートの例
アーユルヴェーダ病院(通院、治療)
スリランカでは国立の教育機関、医療機関は無料でサービスが受けられます。
スリランカには西洋医学の病院と、アーユルヴェーダの病院があります。
それぞれに国立の病院があり、診察は無料で受けることができます。(処方される薬は有料)
アーユルヴェーダは伝統「医療」であり、医学部を卒業した医師(ドクター)がいます。
私たち日本人が病院と聞いて思い浮かべるのと同様に、ドクターの診察を受けて、処方箋をもらい、薬を購入します。
アーユルヴェーダの薬は、天然素材のハーブなどから作られた薬です。
食前や食後など、1日のどのタイミングで飲むのかが示され、日数分の薬を買います。
薬がなくなったら、ドクターの診察を再度受け、処方されたら続けて薬を購入します。
オイルを使った施術が行われることもあります。
スリランカ人がアーユルヴェーダを受ける場合は、治療院、病院のことを指します。
アーユルヴェーダ病院は主にスリランカ人を対象にしていますが、外国人も積極的に受け入れているところもあります。
伝統医療の治療院(治療)
アーユルヴェーダがインドからもたらされる前からスリランカに根付いている伝統医療は、代々その治療技術や知恵が伝承されています。
スリランカ全土に知られた名医がいるのもこの治療院です。
他では治らない病気や怪我の治療のために、遠方から訪れるスリランカの人たちもいます。
治療は破格に安いことが多いです。
ただ、その先生の治療を受けた多くのスリランカ人がいるため、外国人が行って簡単に治療を受けられるわけではありません。
伝承医療について知りたい方はこちらの本がオススメです。
参考)
風俗店(24時間営業)
ニゴンボビーチやコロンボ、南西海岸のリゾート地などに、「アーユルヴェーダスパ(マッサージ)24時間営業」と看板に書いているところが多い)は風俗店であることが多いです。
東アジアや東南アジアで、夜に現地の格安マッサージを受けてから旅の疲れを癒してから寝るのを楽しみにしている方もいるとは思います。
アーユルヴェーダは本来は治療・病院であるため、午前中や午後にやっているところが多く、夕方以降にサービスを受けられるのは高級ホテルや大型ホテルに入っているスパです。
スパではアーユルヴェーダの施術の一部を時間単位で受けられますが、ドクターによる問診はありません。高級ホテルに入っているため、格安というわけではありません。
格安のアーユルヴェーダで思い浮かぶのは、町やリゾート地で見かけるアーユルヴェーダスパですが、その多くはアーユルヴェーダの看板を掲げた風俗店です。
オススメできる要素は皆無ですので、入らないようにしましょう。
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アーユルヴェーダとは何なのか?その具体的な施術や効果などを知りたい方はこちらの記事をご覧下さい。
アーユルヴェーダのお土産を買いたい人はこちらの記事を参照ください。
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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