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スリランカ在住26年の日本人ジュエリー職人の軌跡

2019年10月28日

今では、スリランカでビジネスをする日本人も増えてきていますが、26年前のスリランカで個人でビジネスをしようとする日本人はほとんどいませんでした。
そんな中、26年前にスリランカに降り立ち、ジュエリー職人としてそのキャリアを歩み始めた日本人がいました。
今回は、スリランカ在住26年を超すジュエリー職人、大槻さんにその26年の軌跡を伺いました。

大槻 隆行さんのプロフィール

学生時代にジュエリー職人の仕事に興味を持ち、大学卒業後は職人の下で3年ほどの修行を経験。
(株)秀貴工芸で4年間、さらに技術を磨き、工場長などのマネジメント職も歴任する。
1993年には、合弁会社の設立のため初海外でスリランカへ渡航。
合弁会社の撤退後もスリランカに残り、1995~1998年はスリランカの現地企業と契約し、現地職人を育成するコンサルタントとして活躍。
1999年には、独立しDo Tradingを設立。
2000年には、D&O International(PVT) LTDとして設立。

D&O International (PVT) LTDについて

2000年に大槻さんのパートナーであったダンゲダラさんと設立。
自社工房で原型製作、鋳造、石留め、研磨までのジュエリーづくりの工程を一環して製作している。
工房は、スリランカ政府投資局の認可を受けており、また工房で使用する宝石は政府宝石公社公認の品質。
現在は、ヨーロッパやスリランカの個人顧客や企業を含め、日本企業との取引を中心に、質の高いジュエリーを世界中に提供している。

【名前】D&O International (PVT) LTD
【住所】No15/3 Tickle Road colombo 8, Colombo 00800
【営業時間】9:00~17:30
【電話番号】+94-11-2677440, mobile: +94-777-395548
【メール】dotrade@sol.lk
【ホームページ】http://dandointernational.web.fc2.com/index.html

 

Q1 そもそもジュエリー職人の道へと進むきっかけは何だったのでしょうか。

きっかけは本当にささいなことでした。
大学生のとき、お付き合いしていた女性がジュエリーデザイナーで、元々モノづくりが好きなこともあって、ジュエリーづくりに興味を持ちました。
彼女の紹介である工房でアルバイトして、そこからジュエリー職人への道を歩むことになりましたね。

大学を卒業してからは就職活動をせずに、人を頼って職人の工房で3年間ほど修行しました。
その後は、大きなジュエリー工房に転職し、磨き、石留め、鋳造を担当し、最終年は工場長として4年間働き、職人としての技術を磨きました。

Q2 日本で活躍していた大槻さんがスリランカで活動するきっかけは何だったのでしょうか。

実は、それまで海外に特に興味がなく、日本から出たことがありませんでした。
スリランカが初海外でしたね。

きっかけはお世話になっていた親方から、スリランカに日本の企業が合弁会社を設立するので、そこで責任者を探しているという話があったのです。
それで適任者を探している所で私に白羽の矢がたったというわけです。

その合弁会社は2年ほどで撤退してしまったのですが、30歳手前の自分はスリランカでもう少し頑張りたいという思いがありました。

そこで、スリランカの現地企業と契約して当時の現地職人の技術指導をするコンサルタントとして活動しました。
しかし、契約していた企業の状況の変化から長く続けられず、当時出会ったダンゲダラと自分で工房を興すことにしたのです。

Q3 パートナーのダンゲダラさんとの出会いはどのようなものだったのでしょうか。

彼との出会いも偶然でした。
スリランカに初めて渡航したときに、住む場所を求めてある不動産会社と物件を探していました。
私がジュエリー職人と知った物件担当者の友人で、紹介されたのが業界に精通していたダンゲダラでした。

彼とは1999年にDo Tradingを設立した後に、2000年にD&O International (PVT) LTDとして今までともに仕事をしてきました。
彼は病を患った後にともに仕事ができなくなりましたが、彼の息子や娘は私のショップで働いています。
26年もいますから、彼らのことは小さい頃から知っていて信頼できるパートナーです。

Q4 本格的に工房として活動を始めた当初は、どのようにして仕事をつくっていたのですか。

当初は、個人向けの仕事が多かったです。
日本にいたときにお世話になっていた方々からの紹介や、スリランカに駐在している方々に向けてのジュエリー製作が多かったです。
当時は従業員3~4人程度で小さな工房でした。

日本の会社さんからも引き合いはありましたが、当時の日本のジュエリー業界は体質が古く、支払いやコスト面などの条件が、仕事を受ける側にとってはあまり良いものではありませんでした。
仕事を安請け合いして、スリランカの現場の職人たちにしわ寄せがいくようなことはしたくありません。

お声を掛けていただけたのはありがたいことですが、お断りするケースが多かったです。
工房として駆けだしたばかりだったので、せっかくいただいた仕事のオーダーを断ることは苦しいことでしたが、そこは譲れませんでした。

Q5  スリランカ人の従業員をマネジメントする上で、気をつけていたことは何ですか。

人を雇う上司と雇われる従業員という立場ではありますが、常に対等であることを意識しています。
スリランカに26年も住んでいて、今やこちらがホームだと感じていますが、やはり私のバックグラウンドは日本であり、彼らのバックグラウンドはスリランカです。
その意味で、私はいわばアウェイの人間です。
ですから、彼らとは常に対等な立場で仕事をしようと決めています。

とはいえ、スリランカ人と日本人では異なる点もあります。
日本人は仕事上のプレッシャーに対して自分で解決しようと努力しますが、スリランカ人の多くは仕事上のプレッシャーから逃げてしまうことがあります。
ですから、時には彼らに対して、逃げ道を用意したり、上から命令するようなやり方ではなく、下からお願いをするようなコミュニケーションをすることあります。

また、私の工房ではジュエリーを製作する過程でムダがないように、全ての工程下でシステム化しています。
ジュエリーを製作する上で、一欠片の宝石のロスさえも出ないように、工程間の記録は徹底しています。
このシステムは、私が日本で活動していたときから構想していたことで、スリランカに来てからも職人に徹底させています。

Q6 最後に、スリランカでジュエリー職人として、仕事する上で大事にしていることは何ですか。

それは、間違いなく「質」です。
私が培ってきた技術には自信を持っています。
お客様には国際基準の品質のものをお届けしていますが、働くスタッフたちも含めて世界に通じる、インターナショナルな質の高いレベルで仕事をすることを求めています。

先ほどもお話したように、彼らに時には下から仕事を要求することがありますが、仕事の「質」に関しては譲りません。
この点は、私の職人としての存在意義であり、軸のようなものです。
「質」に自信を持ち、守ってきたからこそ今があると思っていますし、私の本質であり全てです。

Prestige Gemsのココがおすすめ!

大槻さんは工房である、D&O International (PVT) LTDとは別に、ジュエリーショップで、コルピティヤジャンクションのリバティープラザ内にある「Prestige Gems」も運営しています。

工房で製作されたジュエリーを扱っている

大槻さんの持つPrestige Gemsでは、当然ながら大槻さんの工房、D&O International (PVT) LTDで製作された宝石を扱っています。
コロンボには多くのジュエリーショップがありますが、Prestige Gemsは大槻さんの工房で製作されたジュエリーですから、安心して購入できます。

品質が非常に高いジュエリーを扱っている

インタビューにもありましたように、大槻さんの工房では「質」に強いこだわりを持って、高い品質のジュエリーを製作しています。
コロンボのジュエリーショップでは、日本ではないようなミスが残っているジュエリーを見かけることもありますが、そのような心配がありません。

大槻さんの工房で製作されるジュエリーは、スリランカのみならず日本のジュエリー会社からも非常に高い評価を得ています。
マザーハウスのスリランカ事業のパートナーでもあり、ミャンマーやインドネシアにもジュエリー製作の指導のため、訪れているほどです。

大槻さんに直接相談できる

Prestige Gemsで宝石を検討する場合、事前に大槻さんにメールか電話で連絡しておくと、店頭で大槻さんとどんな宝石が良いのか、相談できます。
スリランカ人経営のジュエリーショップでは、日本人は観光客とあって、自分の希望とはそぐわないジュエリーを購入してしまい、後になって後悔してしまうことがあります。

数十年にわたって培ってきた高い技術を持つ大槻さんに相談することで、本当に自分が欲しいジュエリーの種類やデザインを見つけられるでしょう。
宝石は決して安くはない買い物ですから、じっくり考えて自分が本当に欲しいと思えるジュエリーを身につけることが大切です。

【名前】Prestige Gems
【住所】Roots – Liberty, Shop No 1, Liberty Plaza, 59 R. A. De Mel Mawatha, Colombo
【営業時間】10:30~19:30
【電話番号】077 438 4778
【大槻さんの連絡先】mobile: +94-777-395548 メール:dotrade@sol.lk

 

最後に

今回は、スリランカ在住26年を超すジュエリー職人、大槻さんにインタビューしました。
ひょんなきっかけから、スリランカに拠点を移すことになった大槻さんは、苦労を重ねながらも、その高い技術をスリランカに伝えていきました。
ジュエリー職人として大槻さんの生き方が体現された質の高いジュエリーは、スリランカ旅行の記念の品にぴったりでしょう。

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