スリランカ社会はコロナの影響をどう受けている?在住歴27年の大槻隆行さんにインタビュー | スリランカ観光情報サイト Spice Up(スパイスアップ)
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スリランカ社会はコロナの影響をどう受けている?在住歴27年の大槻隆行さんにインタビュー

2020年4月30日

スリランカで長年ビジネスをしている日本人といえば、在住27年間の大槻隆行さんです。

スリランカ内戦、2019年の連続爆破テロ、そして新型コロナウイルスと、スリランカの危機を経験された大槻さんに、「緊急事態時のスリランカ」における政府の対応や人々の動きなどについてお聞きしました。

大槻さんのこれまでの軌跡についてはこちらのインタビュー記事をご覧ください!

プロフィール

学生時代にジュエリー職人の仕事に興味を持ち、大学卒業後は職人の下で3年ほどの修行を経験。(株)秀貴工芸で4年間、さらに技術を磨き、工場長などのマネジメント職も歴任する。1993年には、合弁会社の設立のためスリランカへ渡航。合弁会社の撤退後1995~1998年にはスリランカの現地企業と契約し、現地職人を育成するコンサルタントとして活躍。1999年には、独立しDo Tradingを設立。2000年、D&O International(PVT) LTDとして設立。

政府の対応

■今回の新型コロナウイルスに対するスリランカ政府の対応についてどう思われますか?

今回の新型コロナウイルスに関していうと、賛否両論ありますがスリランカ政府は主導的に動き、しっかりと対応していると思います。

感染者が出てからの対応は迅速でした。

日本と比べると、スリランカ政府は良くも悪くもトップダウンの強さがあります。

2019年のテロの際に行われた、ソーシャルメディアへの接続規制も必要な措置だったと思います。
日本や海外の報道ではその賛否について語られた記事が見られましたが、過度な不安を煽るデマやフェイクニュースの拡散防止に一定の効果があったのではないかと思います。

スリランカでは噂話がすぐ回ります。
親切な人が多いスリランカでは「情報を教えてあげなくちゃ!」と親切心からフェイクニュースの拡散に関わってしまう人も多いように思います。

そのような点を考えると、当時のスリランカ政府の強い情報規制は評価してもいいでしょう。

医療体制もしっかりしています。
過度に心配はせず、「自分が感染しないように、人に感染させないように」個人としてできることをしっかりとしていれば、不安になる必要はないと思います。

3万人を超える逮捕者

■スリランカでは外出禁止違反で、3万人以上逮捕されていることに驚いています。なぜこのような事態になったとお考えですか?

スリランカ人の憎めないところではありますが、楽観的に考えてしまったのだと思います。

外出禁止違反とはいっても、家を一歩出たら逮捕!というわけではありません。

近所を一人で散歩したり、どうしても必要なものを買いに行くような場合は、警察からのお咎めはありません。

集まってお酒を飲んで騒いでいるような場合に逮捕しているようです。

ウイルスという共通の分かりやすい敵

■大槻さんは11年前のスリランカ内戦、昨年の連続爆破テロなどスリランカの危機を何度も経験されていますが、今回の騒動は、これまでとはどのように違いますか?

まず、今回の敵が私たち人間にとって共通の敵「ウイルス」であるという点です。

内戦やテロは決して民族対立ではなく、あくまで過激な思想を持った人たちが起こしていたことですが、過激思想が新たな過激思想を生み、憎しみが新たな憎しみを生んでしまうことがあります。
普通の人が、集団心理や一時的な興奮状態、強い恐怖心などから理性を失ってしまうことがあります。

内戦の時はいつ終わるかも分からず、国全体が暗く落ち込んでいるように感じました。
そして、実際にスリランカ内戦は26年間も続きました。

昨年のテロも、またどこかで爆破があるかもしれんないと、人々は怯えていました。
10年前の内戦のような状態になってしまうのではないかと心配していた人もいるでしょう。

一方で、今回の敵はウイルスであり、スリランカ国民全員が同じ方向を向いて戦えます。
危機ではありますが、「いつか必ず終わる」という希望、明るさがあります。

また、11年前の内戦のときは、スーパーが少なく、日々の食材を手に入れるのも大変でした。

ところが今は、食材販売車が定期的に来てくれますし、好きなものをデリバリーで呼ぶこともできます。
コンドミニアムの敷地内にはスーパーもありますし、当時に比べたら、今は何も不便に感じません。

敷地内のプールやランニングコースで運動することもできます。

もちろん、敷地内の共有スペースに出る際や部屋に戻る際はマスクの着用や消毒の徹底など感染対策にはかなり気を使っています。
家庭内でも距離を取ったり、感染対策は徹底しています。

自分たちでやられる対策は徹底的にしつつも、変えられない状況にイライラしたり、頭を悩ませないというのは、内戦中からしてきたことです。

「今できること」を確実にする

■スリランカもコロナの影響で外出禁止となり、お店も営業できないと思うのですが、今は何をされていますか?

今、外出禁止中で工房とお店は完全に止まっています。
私の会社の事業は工房で職人が作業をしなければ何も進みません。

特に何もしていないというと、能天気すぎると言われてしまうかもしれませんが、慌てても仕方ありません。

新型コロナウイルスが広がり始めた頃から外出禁止令が出ることを想定し、従業員は3月16日(外出禁止令が出る4日前)から出勤させていません。

日本側のパートナーにも、3月の時点で4月いっぱい、場合によっては5月いっぱいまで何もできない可能性があることも伝えてあります。

従業員の給料はしっかりと払います。
ボーナスもこの1年間の働きに対して支払うものですので、きっちりと評価して支払います。

給料の支払いの際は外出許可書をもらい、銀行で手続きしました。
それ以外は私も従業員も自宅で待機し、安全に過ごしてもらっています。

最悪を想定して必要な手を打ち、その後はじっくりと待つしかありません。

外出禁止解除後の動き

■外出禁止令緩和後はどうのように動かれる予定ですか?

政府から職場やお店に関するガイドラインが配布されています。
人と人との距離は最低何メートルあけなくてはならないなどと示されています

そうすると、工房のレイアウトや出勤体制を変える必要があります。
今いる従業員を半分に分け、それぞれ一日おきに出勤させるなどの対応が必要なように思います。

外出禁止の緩和後はまず、私とビジネスパートナーでまず工房に行き、消毒やマスクの準備をし、安全な職場環境を用意することから始めます。

■本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。


大槻さんの工房「D & O INTERNATIONAL」で作れたジュエリーを扱うショップ「Prestige Gems」さんに『スリランカの観光・飲食・サービス産業の応援プロジェクトにご参加いただいています。

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