シヴァ神の祭日「マハー・シヴァラートリーとは?」

2021年3月1日は、シヴァ神の祭日「マハー・シヴァラートリー」です。
本記事では、マハー・シヴァラートリーについて解説していきます。
目次
マハー・シヴァラートリーとは?
ヒンドゥー暦の毎月13日の夜・14日はシヴァラートリーとされ、ヒンドゥー暦で最後の月である「Phalguna」の13日の夜・14日は、マハー・シヴァラートリーと言われ、インドの多くの州やネパール、モーリシャスではお休みとなり、スリランカでもパブリックホリデーに当たります。
カトマンズにある、世界遺産にも登録されているネパール最大のヒンドゥー寺院「パシュパティナート」はシヴァ神を祀っているため、多くの人が集まることで知られています。
トリンコマリーのコネスワラム寺院もシヴァ神を祀る寺院です。
マハー・シヴァラートリーの意味
このお祭りには3つのことを祝っているとされています。
シヴァ神が夜に宇宙の創造・維持・破壊のダンスを踊ったこと
シヴァ神は世界の「創造」「維持」「破壊」を司る最高神とされていますが、この日の夜にシヴァ神が宇宙の創造・維持・破壊のダンスを踊ったとされています。
上の写真の左側の壁に描かれているのが、シヴァ神のダンスです。
これに関連して、夜(暗黒と無知)を克服するため、徹夜でお祈りをするジャーガランが行われたり、翌朝まで断食をしたり、瞑想を行います。
シヴァ神と女神パールヴァティーが結婚したこと
シヴァ神と女神パールヴァティーがこの日に結婚したともされています。
象の頭を持つガネーシャは、シヴァとパールヴァティーの間に生まれた長男とされています。
シヴァ神が乳海攪拌で毒を飲み込んだ世界を救ったこと
ヒンドゥー教の天地創造神話「乳海攪拌」で、シヴァ神が毒を飲み込み、喉が青くなったとされるお話です。
上の写真は、アンコール・トムの南大門にある乳海を攪拌するアスラと、蛇神のヴァースキです。
不老不死の霊薬「アムリタ」を作るために、ヴィシュヌ神が色んな植物や種を乳海に入れて、ヴィシュヌ神が化身として巨大な亀「クールマ」となり、乳海の底で背中にマンダラ山を支え、蛇神「ヴァースキ」をマンダラ山に絡ませて、神々がヴァースキの尾を、魔族のアスラ(阿修羅)たちがヴァースキの頭を持ち、千日間混ぜる(乳海を攪拌する)ことでアムリタを作ります。
この際、ヴァースキが苦しさのあまり、世界を滅ぼす猛毒「ハーラーハラ」を吐き出してしまいますが、シヴァ神がそれを飲み込み、世界を救います。
ベルノキをお供えする
インドやバングラディシュを原産とするベルノキは、その3出の葉がシヴァ神の「創造」「維持」「破壊」になぞらえられています。
そのため、ベルノキをシヴァ神を表すリンガにお供えしたりします。
ベルノキの果肉は食用になり、マーマレードやシャーベットに加工されます。
ベルノキの根・葉・実は薬用になり、下痢や赤痢に効きます。
ベルノキはシヴァ神だけでなく、ベルノキを棲み家にしたとされる女神「ラクシュミー」とも関連付けられるそうです。
関連記事)
参照)
ウィキペディア「マハー・シヴァラートリー」
ウィキペディア「パシュパティナート」
ウィキペディア「ベルノキ」
ウィキペディア「パールヴァティー」
ウィキペディア「ラクシュミー」
ウィキペディア「乳海攪拌」
Mahasivarathri Day in Sri Lanka in 2021
Wikipedia「Maha Shivaratri」

「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
歴史・地理・建築・語源が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にてベトナム・ミャンマー・タイ・インドネシア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の設立を開始。
2017年2月、スリランカ専門誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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