*/ ?>
Spice Up 観光情報サイト スリランカ観光・情報サイト

スリランカの祝日「タミル・タイ・ポンガル」とは?

2021年1月13日

1月14日はタミル人の冬至祭「タミル・タイ・ポンガル」でスリランカはお休みです。

スリランカの祝祭日は「Bank Holiday」、「Public Holiday」、「Mercantile Holiday」の3つのカテゴリーがありますが、タミル・タイ・ポンガルは3つ全てに該当し、銀行・公共機関・会社がお休みです。

大掃除をして冬至を迎え、親戚で集まり、子供にギフトをあげて、前日+3日間祝うのは、日本の大晦日・元旦・三が日のようです。

クリスマスは北欧・ローマの冬至祭で太陽神を祝っていたのが起源ですので、タミル人におけるクリスマスのようなものとも言えるかもしれません。

本記事では、2020年のタミル・タイ・ポンガルの様子を撮影した写真を用いながら、紹介していきます。

タミル太陽暦での冬至祭「タミル・タイ・ポンガル」

タミル・タイ・ポンガルとは、タミル太陽暦のタイ月(10月)の始まりに祝う収穫祭です。

タミル太陽暦の9月(マールカリ月)の最終日から、10月(タイ月)の1〜3日の4日間に渡ってお祝いされます。

4日間に渡って祝われますが、スリランカでは2日目(タイ月の初日)である1月14日のみが祝日です。

タミル人が住む南インド(タミル・ナードゥ州など)、スリランカ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどでお祝いされます。

南インド・スリランカを領土とした「チョーラ朝」の碑文にタミル・タイ・ポンガルについて記されているそうです。
チョーラ朝はマレー半島・スマトラ島・ジャワ島を領土とした「スリ・ヴィジャヤ王国」にも影響力があったとされ、タミル・タイ・ポンガルが祝われている地域と重なります。

伝承によれば、タイ月の1日は冬至に当たります。
6ヶ月間の夏の始まりを祝い、豊穣を祈願します。

ポンガルは、タミル語で「沸騰する」「こぼれる」という意味の「ポング(pongu)」から転じて「豊穣」の意味があります。

ミルクライス吹きこぼしの掛け声「ポンゴロ・ポンガル」

タミル・タイ・ポンガルを象徴するのが、ミルクライスの吹きこぼしです。

新しい土鍋に、ミルクライスを入れ、薪で熱して、「ポンゴロ・ポンガル」と掛け声をして、吹きこぼれるの見守ります。

タミル語で「この米が吹きこぼれますように」という意味で、あふれ出る富に対する祈願を表しています。

太陽神に捧げる食べ物のため、太陽が見える屋外で調理します。

ヒンドゥー寺院(Kovil)やお店の玄関口、家の庭などで調理の様子を見かけます。

ミルクライスの主材料は3つです。
・ココ椰子(ココヤシ)の種子(ナッツ)の胚乳(ミルク)から作る「ココナッツミルク」
・赤糖はヤシの樹液から作る「赤糖」
・収穫された「米」

ヒンドゥー寺院ではお参りする際にココナッツを割りますが、タミル・タイ・ポンガルでもヤシのナッツから作るミルク、ヤシの樹液から作る赤糖が使われるのです。

赤糖はインド文化圏(南アジア・東南アジア)の伝統的な糖です。
英語で「ジャガリー(Jaggery)」、タミル語で「ヴェッラム(வெல்லம்)」、シンハラ語で「ハクル(හකුරු)」と言いいます。

これに、ギー(南インド伝統のバターオイル)、カシューナッツ(スリランカはカシューナッツが名産です)、スパイス(生姜、カルダモン、ターメリックなど)、レーズンなども入れて調理されます。

ミルクライスは2日目の冬至の日に太陽神へ捧げ、3日目に牛に与え、4日目に親戚や隣人などと一緒に食べます。

米粉で描く砂絵「コーラム」

もう一つタミル・タイ・ポンガルを象徴するのが、米粉で描く砂絵「コーラム」です。

家・寺院・お店の玄関口などに、とてもカラフルな模様が、女性たちによって描かれます。

これはアリや鳥などの餌になり、生き物を招き入れ、豊穣を願う意味があります。

かつては、女性の花嫁修行の一つだったそうで、伝統が根強い地域では、毎朝、家の玄関口に女性がコーラムを描いています。

元々は米粉で描かれていましたが、現在はチョークや岩粉などが使われたりします。

アリや鳥が持ち帰ったり、人が通ることで砂絵が壊されることで、福が訪れるとされています。

インドのラージャスターン州(州都ジャイプル)やマディヤ・プラデーシュ州(州都ボーパール)では、コーラムのことを「マンダナ」と呼びます。
チベット密教には、瞑想をしながら曼荼羅(マンダラ)を描き、完成した曼荼羅を一定の手順で壊して、川に流すという修行があるそうですが、曼荼羅は「マンダナ」が語源になったのではないかと思います。

そう思うと、コーラムは曼荼羅に似ていますし、より有り難みが増してくるように思います。

冬至前日「ボーギ・ポンガル(Bhogi Pongal)」

冬至祭の前日となる1日目はボーギ・ポンガルと呼ばれます。

古いものを集めて燃やして処分(ボーギ・ファイヤー)し、新しいものを新調します。

家を大掃除して、バナナとマンゴーの葉で飾りつけます。
ヒンドゥー寺院にも、バナナとマンゴーの葉が飾られます。

新しい服を着て、玄関口にコーラムを描き、オイルランプに火を灯します。

そして、雲の支配者で雨を司るインドラ神に、豊かな雨をもたらしてくれたことに感謝します。

インドのアンドラ・プラデーシュ州では、子どもたちがにお金やお菓子が渡されるそうです。

太陽神祭「スーリヤ・ポンガル(Surya Pongal)」

太陽神スーリヤにミルクライスを捧げる日で、一番重要な日が2日目のスーリヤ・ポンガルです。

ミルクライスを吹きこぼす儀式を寺院・家・店などの太陽が見える屋外で行います。

ミルクライスは太陽神スーリヤに捧げた後、家族や訪問者に振る舞います。

牛祭「マットゥ・ポンガル(Mattu Pongal)」

3日目はマットゥ・ポンがるといい、マットゥは牛を意味します。

牛は乳製品や肥料の供給源で、物を運ぶ際や畑を耕すのにも重宝するため、富を象徴する神聖な動物です。

まず、牛をターメリックをとかした水やオイルなどで洗い清めます。

その後、クムクマ(ターメリックから作るカラフルな粉で額につけたりする)で角に色を塗ったり、花輪や鈴・ビーズなどをかけて飾り付けます。

そして、ミルクライスやバナナ、赤糖などを餌として与えます。

ヒンドゥー寺院に行ったら、お供えもののココナッツの実にバナナとバナナの葉が入れられたものと、クムクマをもらいました。

訪問祭「カヌム・ポンガル(Kanum Pongal)」

4日目はカヌム・ポンガルといい、カヌムは訪問を意味します。

親戚が集まる日です。

子供たちは年長者を訪れ、挨拶をします。
年長者たちは子供たちにギフトをあげます。

経営者が従業員に衣服、食料、お金を配ることもあるそうです。

まとめ

前日に大掃除をして、初日が最も大切で、3日間祝うのは、日本の大晦日・元旦・三が日のようです。
子供がお金をもらうのは、お年玉のようですね。

太陽神を祈る冬至祭を起源とするクリスマスでは、キリスト教徒が家を飾り付けて、イエスの降誕を教会で祝うように、タミル人は家を飾り付け、ヒンドゥー寺院で太陽神に祈ります。

「クリスマスツリー」「クリスマスリース」が「バナナの葉」「マンゴーの葉」
ブドウから作る「ワイン」がヤシから作る「ミルク」
「パン」が「ライス」
と共通するところがあるように思います。

ヤシは様々な種類がありますが、英語でヤシをPalmと言います。
タミル人が多く住むスリランカ北部に自生するのはパルメイラ椰子(Palmyrah)で、生活の密接した大切な植物です。
英語のPalmの語源になったのではないかと思います。

砂絵のマンダナが、密教の曼荼羅の語源かもしれませんし、伝統行事を知ると、色んなものが繋がっているように思えて、興味深いです。

2020年の様子

2017年の様子

関連記事

スリランカにおけるクリスマス〜キリスト教の伝来とクリスマスの由来〜

スリランカの正月「シンハラ&タミル ニューイヤー」とは?

スリランカの祝日、ヒンドゥー教の正月「ディワリ」とは?

参照

かながわ地球市民メッセンジャーからのお便り(2015年1月26日 城戸 麻記子さん)
シンガポールのポンガルフェスティバル(収穫祭)
マレーシアポケット「2020年1月15日はタミル人コミュニティのお祭り「ポンガル」の日」
Wikipedia「Pongal (festival)」
Wikipedia「Kolam」
ウィキペディア「砂絵」
ウィキペディア「ヤシ」

# 関連キーワード