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見るだけで痛い!タミル人の奇祭「アーディヴェル(タイプーサム)祭り」

2021年1月28日

2021年の7月25日〜8月1日はスリランカでタミル人のお祭り「アーディ・ヴェル」が祝われます。

上半身や頬、舌を串刺しにした苦行者が歩く姿が強烈で、タミル人発祥の奇祭として知られるお祭りです。

南インド、モーリシャス、マレーシア、シンガポールでは、タイ月(1月中旬〜2月中旬)の満月の日に行われ、名前も「タイ・プーサム」といいますが、スリランカではアーディ・ヴェルトといい、毎年7月最終週頃に祝われます。

本記事では、アーディ・ヴェル及びタイ・プーサムについて紹介していきます。

スリランカのアーディ・ヴェル祭りとは?

アーディ・ヴェル祭り(Aadi Vel Festival)の「Aadi」とはタミル暦の4月(グレゴリオ暦の7月中旬〜8月中旬)のことで、「Vel」は槍を意味します。
つまり、Aadi Vel Festivalは「4月の槍祭り」という意味になります。

7月の最終週頃にお祝いされるのが通例です。

アーディヴェル祭りでは、ムルガンに祈りを捧げますが、ムルガンは手に槍を持っている姿で表現されます。
クアラルンプール郊外のバドゥ洞窟の入口に立つ黄金のムルガン像は大きな槍を持っています。

アーディヴェル祭りは、省略して「Vel Festival」とも呼ばれます

アーディヴェル祭りはお休みなの?

アーディヴェル祭りはスリランカでは公休扱いにはなっていません。

インドのタミル・ナードゥ州などいくつかの州と、モーリシャス、マレーシアのいくつかの州(クアラルンプール、プトラジャヤ、ジョホール、ネグリ・スンビラン、ペラ、ペナン、セランゴール)ではお休みですが、時期と名前がスリランカとは異なります。

スリランカ以外の地域では、タイ・プーサム(Thaipusam)と呼ばれ、タミル暦のThai月(10月:グレゴリオ暦の1月中旬〜2月中旬)の満月の日に行われます。

タミル暦のため、年によって日付が年によって日付が異なります。

タミル人の豊穣祭(冬至祭り)であるタミル・タイ・ポンガルは、Thai月の初日を中心に祝われますので、その約2週間後にタイプーサムが祝われることになります。

スリランカの祝日「タミル・タイ・ポンガル」とは?

タイプーサムの名前の由来

タイはタイ月から、プーサムは8番目の星宿(ナクシャトラ)である「Pushya」を意味します。

ナクシャトラとは、インド占星術で使われる27もしくは28の星宿(月宿)のことです。

タイプーサムのお祭り中は、Pushyaが一番高いところにあるそうです。

インドのケララ州で主に話されているマラヤーラム語では、タイプーサムのことを「タイプーヤム」と言うそうです。

ムルガン(カタラガマ)に祈る

アーディヴェルもタイ・プーサムも、ムルガンが祀られているヒンドゥー寺院を拠点に開催されます。

ムルガンに関する逸話を知ると、あの痛々しい苦行が何を表しているのが、わかってきます。

古代インドでは、デーヴァ(サンスクリット語で神)と、アスラ(魔族)が戦っていました。
アスラたちを率いていたのは、リシのヴァジラナーガとヴァランギ女王の間に生まれた「スラパドマ」です。
リシとは、ヴェーダ聖典を感得した賢者のことです。

ヴァジラナーガの父(スラパドマの祖父)は、7賢人の一人に数えられる古代インドのリシ「カシュヤパ」です。
カシュヤパは、アーユルヴェーダの小児科学・産婦人科学・産科学の分野を扱う参考図書「カシュヤパ・サンヒター」を著書として知られています。

スラパドマの攻撃は激しく、デーヴァたちは苦戦していました。
そこで、デーヴァたちはシヴァに助けを求めます。

助けに応じてシヴァが女神「パールヴァティー」と生み出したのが軍神「ムルガン」です。
シヴァとパールヴァティーの子と知られるガネーシャが長男、ムルガンが次男だとされています。

母・パールヴァティーはムルガンに槍を授けます。
この槍でムルガンは、スラパドマに勝ちます。

アーディヴェルとタイプーサムはこの逸話に由来し、ムルガンが悪鬼に打ち勝ったことにあやかった悪運を払拭するためのお祭りです。
ムルガンは美徳・若さ・力の象徴だそうです。

苦行者が頬や舌に刺しているのはムルガンの槍なのです。

槍や針を突き刺して行進するカヴァディ・アッタム

お祭りのメインイベントは、Kavadi(重責)Attam(ダンス)と呼ばれる行進です。

病気や悩みなどがある人に変わり、主に男性が、孔雀の羽・花・果物などで飾られた金属の神輿を上半身に針や串を刺すことで体で支え、舌や頬にムルガンの槍を突き刺し、寺院の周辺、あるいは寺院から別の寺院へ練り歩きます。

孔雀の羽は、ムルガンの乗り物(ヴァーハナ)である孔雀を表しています。
ムルガンが倒したスラパドマは、ムルガンの乗り物になります。

ちなみに、シヴァのヴァーハナは牛(ナンディ)、ヴィシュヌのヴァーハナは鳥(ガルーダ)で、ガルーダ・インドネシア航空のロゴやインドネシアの国章、タイの国章はガルダに由来します。

苦行者は、祭りの1ヶ月前から菜食・禁酒・禁欲をして精進し、身体が肉体的快楽を欲さなくなることで、痛みを感じることがなくなるとされています。

槍を刺した時は痛くても、その後はお祭りによる高揚でトランス状態になり、恐れや痛みを感じないとも言われています。

ごくまれに女性も串刺しの苦行を行うこともあるようですが、女性が行う場合の苦行は、ミルクを入れた壺を頭の上に乗せて運ぶのが基本のようです。

行進する路上では、食べ物や飲み物が配布され、パレードを見に来た人は誰でも受け取ることができます。

私ももらったことがあります。

どこで見られるの?

ムルガンを祀っているヒンドゥー寺院で見ることができます。

コロンボ

ゴールロードで何度か見かけたことがありますが、Time Out Sri Lankaと、Lonely Planetによって、記載されている寺院名が異なりますが、共通するのはペターにあるヒンドゥー寺院からバンバラピティヤにあるヒンドゥー寺院にパレードを行うということです。

Lonely Planet:ペターのSea Streetにある以下の3つのヒンドゥー寺院から出発点してバンバラピティヤに向かいます。
New Kathiresan Kovil
Old Kathiresan Kovil
Sri Muthu Vinayagar Swamy Kovil

バンバラピティヤの寺院名は記載がありませんが、おそらく以下の3つだと思います。
Kathiresan Pillayar kovil(New Kathiresan Kovil)
Vajira Pillayar Kovil (Old Kathiresan Kovil)
Manika Vinayagar Kovil

寺院名にKathiresanがよく出てきますが、ムルガンの別名です。

Time Out Sri Lankaでは主要な2つのパレードが紹介されています。

1つ目
ペターの1st cross streetにあるSammangodu Sri Kathirvelayutha Swamy Kovil

バンバラピティヤのゴールロードにあるSri Manika Vinayagar Kovil

2つ目
ペターのSea StreetにあるKathiresan Kovil

バンバラピティヤのゴールロードにあるNew Kathiresan Kovil

スレイブ・アイランド(コロンボ2)にSri Murugan Templeがありますが、こちらでアーディ・ヴェルが行われているかは未確認です。

Time Outには主なパレードとして紹介されているので、小規模なパレードが行われているのかもしれません。

カタラガマ

スリランカで最も有名なアーディヴェルの実施場所は、カタラガマにあるカタラガマ神殿だと思います。
カタラガマはムルガンの別名です。

ジャフナ

ジャフナのナルーア・カンダ・スワミ寺院もムルガンを祀っています。
アーディ・ヴェルが開催されているかは未確認ですが、ジャフナには他にもムルガンを祀る寺院がありますので、おそらく行われていると思います。

インドのタミル・ナードゥ州

ムルガン6つの住処として、6つの寺院が知られています。

ティルッパランクンダム・ムルガン寺院(マドゥライ県ティルッパランクンダム)
パザムディルコライ・ムルガン寺院(マドゥライ県パザムディルコライ)
ティルチェンドゥル・ムルガン寺院(トゥーットゥックディ県ティルチェンドゥル)
パラニ・ムルガン寺院(ディンディグル県パラニ)
スワミマライ・ムルガン寺院(タンジャーヴール県スワミマライ)
シールッタニ・ムルガン寺院(ティルヴァッルール県シールッタニ)

クアラルンプール

クアラルンプール郊外のバトゥ洞窟に立っている像はムルガンで、手に槍を持っています。
バトゥ洞窟でタイ・プーサムが見られます。

シンガポール

パレードは、タンク・ロードのスリ・タンダユタパニ寺院からスタートし、ケオン・サイク・ロードのラヤン・シチ・ビナヤガー寺院に向かいます。

フィジー

シュリ・シヴァ・スブラマニヤ寺院があります。
スブラマニアヤはムルガンの別名です。

まとめ

スリランカでのお祭りの本番は7月下旬です。
今年はその頃にはお祭りが楽しめる状況になっているかは分かりませんが、早く見られるようになることを願います。

関連記事

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スリランカの祝日と祭りの年間スケジュール

参照

SRI LANKA THAIPUSAM FESTIVAL
The Ancient History of Lord Murugan in Sri Lanka
Wikipedia「Thaipusam」
Wikipedia「Pushya」
Wikipedia「Vel」
ウィキペディア「ナクシャトラ」
ウィキペディア「月宿」
ウィキペディア「二十八宿」
ウィキペディア「デーヴァ」
ウィキペディア「アスラ」
Wikipedia「Surapadma」
ウィキペディア「カシュヤパ」
ウィキペディア「リシ」
ウィキペディア「ヴァーハナ」
Wikipedia「Kartikeya」
Lonely Planet「Pettah」
Time Out Sri Lanka「Adi Vel Reverence for Lord Murugan」
Colombo Aadi Vel Festival 2021
Lakpura「Old Kathiresan Temple, Colombo」
YAMU「New Kathiresan Kovil (Bambalapitiya)」
Wikipedia「Six Abodes of Murugan」
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