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ジェフリーバワ最後の作品「ザ・ラスト・ハウス」〜絵画のような美しさが漂うヴィラ〜

2020年7月22日

ジェフリー・バワ氏は1994年に脳卒中で倒れて、杖がないと歩けない状態になります。

それでも、仕事には意欲的に取り組み、傑作とされる「ジェットウィング・ライトハウス」の設計に1995年 から取り掛かり、1996年には最後のホテル設計となるザ・ブルー・ウォーター・ホテルの設計を始めます。

しかし、1997年3月に2回目の脳卒中による転倒は1回目よりひどいもので、ヘビースモーカーだったバワはタバコをやめます。

そんな中、バワ建築に惚れ込んだ香港から来たティム・ジャコブセン氏から依頼を受けて、バワが最後に設計を行ったのが今回ご紹介するザ・ラスト・ハウス(The Last House)です。

バワの作品は南西海岸に多くありますが、ザ・ラスト・ハウスは南海岸のタンガッラに位置しています。
今回、バワに自宅の設計を依頼したジャコブセン氏に話を聞くことができました。

ジェフリー・バワ、そしてタンガッラとの出会い

ザ・ラスト・ハウスのプール

ティム・ジャコブセン氏はバワに自宅の設計を依頼した自分として知られ、現在、その自宅はブティックホテル「ザ・ラスト・ハウス」として、ジャコブセン氏が経営するホテル運営会社が経営しています。

ジャコブセン氏はバワ建築の「ブティック87」、キャンディ王朝の政府高官の家を改装した「キャンディ・ハウス」、ヌワラエリヤ のバンガローを改装した「シンハギリ」など、歴史的・文化的なバックグランドがある邸宅(マンナー・ハウス)を客室2〜5部屋とプライベートを重視したホテルを運営する「マンナー・ハウス・コンセプト」という会社を経営されています。

今回は当時、ジャコブセン・ハウスと名付けられたバワ最後の作品であるザ・ラスト・ハウスに宿泊して、ジャコブセン氏にお話をお伺いしました。

Q.ジェフリーバワ氏に自宅の設計を依頼した経緯を教えてください。

ラウンジ

私はイギリス生まれですが、当時、香港で金融の仕事をしていました。
休みを利用して、香港からアジア諸国を回りました。
その中でもスリランカには特に何度も通っていたんです。
それは、スリランカでは家に泊まるように、ブティックホテルでゆったりと過ごすことができたからです。

その中でもバワ氏のルヌガンガ、ザ・ヴィラ・モホティ(現 パラダイス・ロード・ザ・ヴィラ)に泊まり、その素晴らしい建築に感銘を受けました。

そして、1996~1997年頃にジェフリーバワさんにお会いできました。
ダメ元でヴィラを設計してほしいと手紙を書いたところ、驚くことに快諾のお返事が頂けたのです。
そうして出来たのがザ・ラスト・ハウスです。

彼のコンセプトが気に入っていましたので、主な間取り以外は彼に託して設計してもらいました。
当時は私の自宅でしたので、バワさんのチームではジャコブセン・ハウスと呼んでいましたが、バワさんが亡くなった後、ジェフリーバワ財団の提案で「ザ・ラスト・ハウス」という名前に変更しました。

Q.タンガッラを選んだのはなぜですか?

ホテルに面したビーチ

スリランカに惚れ込んだ私は自宅を建てる土地を探していました。
そして、見つかったのが、ザ・ラスト・ハウスがあるマウェラ(Mawella)ビーチ沿いのあの土地なのです。

マウェラ・ビーチはタンガッラから7kmほど西に行った場所ですが、この土地が大変気に入りました。
敷地の南東側は岩場で綺麗な朝日が見えます。
土地の南西側は穏やかな波がくるビーチになっています。
そして、内陸側は沼地になっているため、野鳥など様々な生き物の姿が見られます。

早朝に東側から登る太陽

そして、タンガッラにはすぐに出ることができます。
タンガッラは静かな漁村で、オランダがフォートを築いた歴史もあり、歩いて回れるコンパクトな町です。
そして、綺麗なビーチやラグーンが続いています。
タンガッラの町に歩いて行ける距離にある、ミドルレンジのホテルとして私が開業したのが「ココ・タンガッラ」です。

タンガッラはスリランカ南部のちょうど真ん中あたりにあり、東に車で2時間ほど行けばヤーラ国立公園、西に車で2時間ほど行けばゴール、北に車で2時間ほど行けばウダワラウェ国立公園があります。
南部高速道路の延伸工事が完了し、ゴールには車で1時間ほどで行けるようになりました。
ゆっくりとロングステイをするのに最適な場所だと思っています。

(インタビュー終わり)

静かな海沿いに建つブティックホテル「ザ・ラスト・ハウス」

プールからライブラリ、ラウンジ方向を眺める

ザ・ラスト・ハウスは宿泊客のプライベートを重視しているため、宿泊客以外の立ち入りができません。
そのため、見学したい場合は宿泊する必要があります。
スパイスアップ編集部が宿泊した際の様子をお届けします。

ホテル内部について

階段を上がったところにあるロッジア

このホテルが印象的なのは、黄色の壁と水色の窓のこの2色のコントラストです。
滞在時間が長くなるほどに、この色合いに落ち着きを感じるようになるかと思います。

「窓をご覧下さい。まるで絵画のようでしょう?」

と案内してくれたのはホテルの支配人。

窓から見るライブラリー、プール、廊下、どこを見ても絵のように美しい。

ライブラリからプールを眺める(右側がジャコブセン氏の部屋がある棟)

客室は全6室で、ホテルとしての最大収容人数は14人。
それぞれ部屋ごとに趣が異なります。

ホテルはメインロードから舗装されていない田舎道を進んだ先にあります。
湿地帯になっている自然豊かなカントリーサイドとの趣です。
その沼地の海沿いの小高い崖に立っているのがザ・ラスト・ハウスです。

ホテルに入るにはまず、階段を上がります。
最初に階段を上がるのは、ベントタにあるバワ建築のシナモン・ベントタ・ビーチにようです。

階段を登ると、そこには柱が均一に並ぶ廊下(ロッジア)があり、早速、バワらしい景色が目に飛び込んできます。

ラウンジからロッジアを見る

廊下の左手側にはプールがあります。
プールに面した建物にはオーナーのジャコブセン氏の部屋があり、客室としても使われています。

ジャコブセン氏の部屋がある建物

階段を登って右手に行くと、ツインルームの部屋があります。

ツイン・ルーム

今回はこちらの部屋に宿泊しました。
窓からは湿地帯の緑豊かな景色が見えました。
この部屋のデスクの前の扉は階段の上、廊下の端の位置にあたり、ロッジアの開放的な眺めを見ながら作業ができるのが快適でした。

ラウンジは中庭とプールに囲まれた開放的な作りになっています。
ラウジンから西側に客室が2つあり、野外にシャワーがあり、ルヌガンガを彷彿とさせるように思いました。

屋外のシャワールーム

ラウンジがあるのがメインの建物で、横にライブラリー、ダイニングとつながっています。

2階の客室のバスタブ

この建物の2階にも客室があり、その部屋の窓からは海が見えます。
バスタブが置かれていて、海の風を感じながら、ゆったりとお風呂に浸かることができます。

ホテルに面した海について

このゲートから海に出る

庭を抜けると海に出られます。ホテルから左側(東側)は蟹やヤドカリの姿が見られる岩場になっています。

釣りをする人の姿も見られました。
早朝には素晴らしい夜明けの様子を眺めることができます。

ホテルから右側(西側)は静かなビーチになっています。
どこまでも続く遠浅の海で、海の中に座ることもできるほどに浅さです。
ホテルではボディーボードやサーフボードを貸し出しているので、波乗りを楽しむこともできます。

おわりに

ジェフリーバワが1997年の2回目の脳卒中による転倒の後に手掛けたプロジェクトは3つとも住宅でした。
1997-1998年 Pradeep Jayewardene House(現 レッド・クリフス):ミリッサ
1997-1998年 David Spencer House:コロンボ7のRosmead Place
1997-2002年 Jacobson House(現 ザ・ラスト・ハウス)

1998年にバワは3度目の転倒をして、介護が必要な状態となり、建築家の仕事を引退します。
最後のザ・ラスト・ハウスはスケッチデザインは行いますが、建築の監督をすることはできません。
このプロジェクトを完成させたのは、バワとともに働いたチャンナ・ダスワッテとネーランガ・ウェーラセケラです。

そのため、詳細の設計にはバワは関与していませんが、住宅を多く設計したバワらしいその土地の環境を活かした素晴らしい建築だと思います。

タンガッラは静かな大人のリゾート地としても知られている場所です。
ぜひタンガッラに訪れ、バワの最後の作品「ザ・ラスト・ハウス」に泊まり、ゆったりとした時間をお過ごし下さい。

ホテル情報

名称:The Last House
住所:Pubudu Mawatha, Seenimodara, Nakulugamuwa, Tangalle, Sri Lanka
電話:+94(0)112333861
メール:reservations@manorhouseconcepts.com
ウェブ:
https://www.thelasthouse.com

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