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エッラの紅茶工場「ウバ・ハルぺワッタ茶工場」の見学ツアー

2022年5月11日
世界三大銘茶のウバ茶の生産地ウバ州。
そのウバ州最大の紅茶工場「ウバ・ハルぺワッタ茶工場」では見学ツアーを受け入れています。

場所が多くの観光客が集まるエッラから、車でわずか15分という好立地。
本記事では、「ウヴァ・ハルぺワッタ茶工場」の見学ツアーと、紅茶工場の歴史について紹介します。

ウバ・ハルぺワッタ茶工場とは?

ウバ・ハルペワッタ茶工場は、ウバ州バドゥッラ県エッラの北郊ハルぺ村にある茶工場です。
ワッタとはシンハラ語で「大農場」を意味し、「ウバ・ハルペワッタ」は、ウバ州ハルペ村になる大農場という名前です。

茶工場は町から離れたところにある場合が多いですが、エッラ駅から4.5キロ、車で15分、徒歩で1時間の距離と町に比較的近い場所にあります。

バスはエッラからバンダラウェラ方面のバスに乗って、国道16号線と交差する「クンバルウェラ・ジャンクション」で降りて、バドゥッラ方面のバスに乗り換える必要があります。

そして、工場は、バス停「イハラ・ハルペ(上ハルぺ)」と「パハラ・ハルぺ(下ハルぺ)」の間にあり、バス通りからは坂道を登っていくことになります。
運転手さんに言えば、紅茶工場前でバスは停まってくれるかもしれませんが、確実ではありません。
仮に停まってくれても、乗り換えをしますので、所要時間としては歩くのと変わりません。

エッラでトゥクトゥクを捕まえて向かうのが楽でしょう。

歩いて行く場合は、エッラ駅の裏側からハルぺに伸びている「エッラ・ハルペ・ロード」を歩きます。

この道は、茶畑に囲まれているので、歩くのはとても気持ちいいです。

茶工場にはカフェスペースがありますので、休憩することができますが、行きも帰りも1時間歩くことになりますので、歩くのが好きではない場合は、移動手段を確保した方が良いでしょう。

工場ツアー

ツアーは毎日8時〜16時で行われています。
土日や祝日は、工場が稼働してないので、静かな工場を見ることになります。
平日に行けば、マシーンが稼働し、働いてるスタッフさんたちの様子も見られます。

1ツアーが20-30分ほどで、その後にティーテイスティングがあります。
前のツアーが終わり、参加者が集まっていたら、随時スタートします。

料金は3ドルです。

まずは最上階へ

ツアーは工場の最上階からスタートします。
以下の外観写真の最上階にベランダが設置されていますが、まずはここに向かいます。

工場のゲートを入って階段を登っていきます。

紅茶の製造ラインがある階を横目に見つつ、階段を登っていくと、ベランダがある最上階に到着します。

屋上からはエッラロックが遠くに見えます。

周囲には茶以外の畑も見られます。

ティーショップも併設されていて、最上階に入るのに入場料はかかりません。
工場ツアーに参加する際は、3ドルが必要です。

座学でお話を聞く

最初にスタッフさんから紅茶の製造プロセスについて説明してもらいます。

上の写真の奥には、茶葉が寝かされているのが見えます。

工場の各工程を見学

その後、説明を受けながら、製造プロセスを見ていきます。

まずは、萎凋の工程です。

階段を降りて、下のフロアーに行きます。
茶葉が揉捻の工程に運ばれていきます。

上の写真の奥に、次の工程の揉捻の機械が見えます。

揉捻の工程。揉捻機(ローリングマシーン)で茶葉が揉捻されています。

揉捻後は、発酵のプロセスに運ばれます。

発酵の工程。緑色だった茶葉は、発酵して黒くなっています。

乾燥の工程の後に、茶葉は大きさによって選別されます。

さらに細かく選別されます。

選別された茶葉。

茶葉の袋詰め。

袋詰めされた茶葉。

テイスティング

最上階に戻ってきて、次はテイスティングです。

日本語が書かれています。

その奥に「茶のテイスティング」と書かれています。

スタッフさんが、各グレードの紅茶を淹れてくれます。

グレードごとに味見をしていきます。

気に入ったものがあったら、ティーショップコーナーがあるので、そこで購入できます。

工場と会社の歴史

この工場は、イギリス統治時代の1940年に建てられています。
工場は海抜1,230メートルの高台に位置しています。

ハルペ村は、紅茶工場ができたことで経済的に潤ったといいます。
農家は茶葉を工場に売ることで現金収入が得られ、現金収入がある人たちがお店で買い物をし、村にお店が増えます。

現U.H.Eグループ会長のA.P.D アベイラトゥネ(Abeyrathne)氏はこのハルペ村に生まれ育ち、お店を経営する父親を手伝っていました。

アベイラトゥネ氏は、紅茶工場に薪を販売し始めます。
薪を定期的に工場に届けるようになり、店の運営者を雇い、薪の販売に専念します。

その後、トラクターを購入し、ハルペ村の外の工場にも薪を提供し始めます。
さらに、ローリーを購入し、地域の5つの工場に薪を提供するようになり、毎日薪を提供する地域で唯一のサプライヤーになります。

1971年、アベイラトゥネ氏はイギリス人から「ウバ・グリーンランド茶園」を購入し、工場への茶葉への販売も開始します。

ところが、ハルペ村の紅茶工場がオーナーの都合で操業を停止してしまいます。

紅茶工場があることで回っていた村の経済には大きな損失でした。

村の人々に推され、アベイラトゥネ氏は紅茶工場を買収します。
買収価格は非常に高く、アベイラトゥネ氏と奥さんの全財産を足しても1/3にしかならなかったそうです。

アベイラトゥネ氏はローンを組んで工場を買収します。

1995年1月10日の操業開始時、アベイラトゥネ氏は村を回って、20軒の農家から茶葉を仕入れます。
この年の年末には、サプライヤーを700軒まで拡大。

1997年に新しい乾燥機を購入。
1998年にウバ州で初めてとなる新しいカラーセパレーターを購入。

アベイラトゥネ氏の妻が、コロンボのティーオークションを通じた輸出以外に、国内市場向けの販売に着手。
そうして生まれたのが、現在の紅茶ブランドHalpe Teaだそうです。
輸出よりも国内向けの方が利益率が良かったです。

2008年にはウバ州で生産量が最大の紅茶工場として認定されます。

1995年の操業開始時は、従業員15名、ローリー2台、契約農家20軒、月産2万キロであったのが、
現在では従業員300名、ローリー40台、契約農家5,500軒、月産15万キロに成長。

アベイラトゥネ氏は一線を退き、3人の息子が会社を経営しています。

3人の息子はそれぞれ海外の名門大学に渡り、
長男チャマルさんがコンピューターサイエンスとビジネスマネジメント
次男ランガさんがファイナンス
三男エランダさんがマーケティングと国際ビジネスを専門とし、現在は共同経営しています。

長男チャマルさんは引き継ぎだグリーンランド茶園にエッラで最初の高級レストランを開業。
レストランの成功を受けて、高級リゾート「98エーカーズ」をオープン。
2015年にスリランカ全国商工会議所から「ナショナル・ヤング・アントレプレナー・アワード」を受賞。

三男エランダさんは、2014年に大学の友人とU.H.E. Exports (PVT)LTD.をし、紅茶ブランド「Halpe Tea」と「Greenland Ceylon Tea」を40カ国以上に輸出。
2017年にスリランカ全国商工会議所から「ナショナル・ヤング・アントレプレナー・アワード」を受賞。
2018年にU.H.E. Exportsがセイロン全国商工会議所から「ベスト・ナショナル・フード&ビバレッジ・カンパニー」に選ばれています。

参考)
Halpe Tea:Uva Halpewatte Tea Factory Tour-Ella
Halpe Tea:Our Story
98 Acres Resort & Spa:Our Company

Daily Mirror DM Audio:CHAMARA, RANGA AND ERANDA ABEYRATNE
ウィキペディア:ノーザンブリア大学
ウィキペディア:ダラム大学
ウィキペディア:ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス
ウィキペディア:エクセター大学
ウィキペディア:モナシュ大学

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