5月のポーヤデー「ウェサック・ポーヤ」コロンボ・ウェサック祭り

仏教国であるスリランカは、多くの祭りが毎年開催されます。
その中でも、盛大な祭りは5月に開催されるウェサック祭り。
2020年は5月7日(木)〜5月8日(金)(2019年は5月18日(土)~19日(日))に開催されます。
そこで今回は、スリランカ仏教最大の祭り、ウェサック祭りについてご紹介します。
2020年のウェサック祭りは新型コロナウイルスのため、全土で外出禁止令が出されています。
以下の記事は2019年のテロから1ヶ月経つ前の2019年とその前年の2018年の情報をもとに書いています。
目次
ウェサック祭りとは?
スリランカは、毎月満月の日がポーヤデー(Poya Day)と言われ、お休みです。
この日は禁酒でバーやホテルはアルコールを出さず、酒屋も閉まります。
5月のポーヤデーは釈迦(ブッダ)の誕生・悟り・入滅が起きた月として、盛大に祝われます。
テーラワーダ仏教が多い国では盛大に祝われる傾向があり、上座仏教が多い日本では、釈迦の誕生を祝う行事として、毎年4月8日に灌仏会(かんぶつえ)が行われています。
ウェサック祭りはスリランカ各地で行われますが、その中でも特に大規模なのが最大都市コロンボです。
ベイラ湖周辺が最も鮮やかに飾られ、人で溢れかえります。
しかし、2020年のウェサック祭りは新型コロナウイルスのため外出禁止、2019年のウェサック祭りは4月21日の連続爆破テロの影響で、小規模に行われることになっています。
本記事で紹介するのは、2018年と2017年のウェサック祭りの様子です。
クードゥ(ランタン)、トラナ(電飾の巨大壁画)、ダンサラ(飲食物の無料配布)
ウェサック祭りと言えば、ランタン、トラナ、ダンサラです。
クードゥ(ランタン)
まず、ウェサック祭りが近づくと、Kuudu(クードゥ)と呼ばれるランタンが家の軒先や店先に飾られます。
大きな会社や組織は本社前や大通り沿い、ベイラ湖周辺にくるくると回る巨大なランタンを作って設置したりします。
小さいランタンは翌月のポーヤデーであるポソン・ポーヤまで飾られていることが多く、巨大なランタンはウェサック祭りが終わると徐々に片付けられます。
トラナ(電飾の巨大壁画)
Thorana(トラナ)はブッタの生誕の物語を描いた巨大な壁画で、電飾で煌びやかに飾られます。
トラナは大変立派なものですが、個人や組織が費用を出して用意します。
ダンサラ(飲食物の無料配布)
街中ではDansala(ダンサラ)と言って、飲み物、食べ物、アイスクリームなどが無料で配布されます。
飲み物やアイスクリームはそこまで並びませんが、食べ物については長蛇の列ができます。
ウェサック祭り後も、会社やお店がダンサラを行うことがあり、道に人だかりができているのを見かけます。
無料で飲食物を配布して、施しをすることで、徳を積むことができると考えられています。
ベイラ湖周辺が最も盛大
ガンガラーマ寺院、シーマ・マラカヤ寺院があるベイラ湖周辺が最も人が集まり、大きなトラナやランタンが見られます。
アーケード・インディペンデンス・スクエアの周辺や、タウンホール周辺でも豪華な飾り付けが見られます。
その辺りはものすごい人で移動も大変です。
また、仏旗の色に電飾した会社やホテルの電飾も町で多く見られます。
一方で、お祭りの中心地から少し離れたお寺では、綺麗に電飾で飾られた仏像や仏塔に静かに祈る人々の姿を見られます。

趣味の旅と町歩きを仕事にしたいと主にアジアを周り、2016年7月、24カ国目に訪れたスリランカで会社を設立することに。2017年2月、スリランカで日本語情報誌「スパイスアップ・スリランカ」を創刊し、2018年9月スリランカ観光・生活情報サイト「スパイスアップ」(当サイト)を開設。公式のインスタグラム、ツイッターのアカウント、ユーチューブチャンネルも運営していますが、つい趣味の個人のインスタ・フェイスブックアカウントを更新しがち。夕日を観るのが日課。
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