サーファーとデジタルノマドのビーチ「ヒリケティヤ」
ビーチが断続的に続くスリランカの南海岸にはサーフスポットが多くありますが、その中でも新しいスポットであり、南西モンスーンの時期でもサーフィンができるのがヒリケティヤです。
本記事ではヒリケティヤについて紹介します。
目次
ヒリケティヤとは?
ヒリケティヤはスリランカの南端であるデウィヌワラ(Dondra)よりも東に行ったディクウェッラの東隣にある湾が中に入り込んだ形をしたビーチです。
5月~9月はインド洋からスリランカの中央高地に向かってモンスーンの風が吹くため、波が荒くなり、雨も降り、南西海岸や南海岸の西側はオフシーズンとなります。この時期に雨が降る湿潤地帯はニゴンボ辺りから南端のデウィヌワラまでであり、それより東の乾燥地帯に入るヒリケティヤは7月でもサーフィンをする人たちの姿が見られます。
ヨーロッパからの観光客が少ない7月上旬でも、そこそこのヨーロッパ人を見かけました。
週末とポーヤデーが続いた3連休であったため、スリランカ人ファミリーの姿も多く見かけました。
6月にオンシーズンのアルガムベイに行ったときは砂浜が火傷しそうに灼熱の暑さで海の中が気持ち良かったですが、7月のヒリケティヤは海水が冷たいと感じました。
入ってしまえば慣れてしまうほどの冷たさですが、曇っている時間や雨が降っている時間はカフェでゆったりするのが涼しいので、ちょうど良かったです。
サーファーを見かけたのは、下の写真のビーチの西側と、
上の写真のビーチの東側でした。
ビーチの東側に、ビーチに流れ込む水路があります。(下の写真)
この水路の東側は岩場になっています。
水路の東側にも数軒お店がありますが、南西海岸のオフシーズンのためか、閉まっていました。
ビーチ沿いのお店
ヒリケティヤは小さいビーチであり、ヒッカドゥワやウナワトゥナほどにはお店は多くありますが、ビーチに椅子やベットが並べられ、お店やサーフィンスクールの看板を見かけます。
ヒリケティヤで代表的なお店は以下の2軒だと思いました。ともにゲストハウスを併設したwifiが安定したカフェで、値段はそこそこしますが、ヒリケティヤの宿泊拠点あるいはデイユースの拠点として便利です。
サーフィン教室をやっているところも何軒かあり、レッスンをしている様子が見られました。
ちなみに、ビーチに警察のテントがあるのがユニークです。
ヒリケティヤロード沿い、ペへンビヤロード沿い
ヒリケティヤビーチはウナワトゥナビーチのように国道2号線から離れていて、細い道「ヒリケティヤロード」がビーチと国道2号線をつないでいます。
ウナワトゥナはビーチから国道2号線までの道沿いにお店が立ち並んでいますが、ヒリケティヤは道沿いには何軒かお店がある程度です。
ヒリケティヤロード沿いにあるお店は例えば、以下のようなお店がありました。
国道2号線につながるヒリケティヤロード、ニルウェラロード、ペヘンビヤードは舗装されていますが、さらに枝分かれしたヒリケティヤビーチロードなどは一部が未舗装であったり、途中の水たまりがあるなど、少々歩きにくいところがありました。
ヒリケティヤロードは平らな道ですが、ペヘンビヤロードはディクウェッラビーチとの間の高い丘を越えていくため、急な登り坂と下り坂のある道です。
ヒリケティヤビーチからペヘンビヤロードの急な坂道を登って下るとあるのが、ASIA’S 50 BESTに選ばれたバー「Smoke & Bitters」があります。
緑豊かな水路
ビーチに流れ込む水路沿いを歩くことができます。
緑に覆われていて、歩いているだけで心地良いです。
歩いて行くと、水を流す管があります。川ではなく、ここに排水をしているのではないかと思います。
ヒリケティヤはまだ家が少なく、ゲストハウスも多くないためか、ビーチに流れ込んでいる水は汚いとは思いませんでした。
マウントラビニアビーチの南側にもビーチに排水が流れ込んでいますが、そこの水はちょっと汚いなと思ってしまいますが、それは汚れた排水の量の違いなのかなと思います。
管のあるところからビーチ側を見るとジャングルです。
ウナワトゥナのルーマッサラの丘のジャングルの下にあるジャングルビーチは、ジャングルの先にあることからその名がついたそうですが、開発されていないければ、ジャングルビーチと呼べそうなビーチは至る所にあったのかもしれません。
人懐っこい犬たち、クジャク、サル、ヤドカリ、カニ
スリランカではサルや孔雀は色んなところで見られますが、ヒリケティヤビーチロートを歩いていたら、木を伝って移動するサルたち、地面をゆっくり歩いていくクジャクたちを見かけました。
夜のビーチでは、小さなカニやヤドカリの姿が見られました。
ヒリケティヤで特徴的なのは人懐っこい犬たちです。
スリランカ各地で吠える犬に遭遇し(特に朝や夜)、ちょっとびびりますが、ヒリケティヤで過ごした3日間で吠える犬には一匹も会いませんでした。道を歩いているとついてくる犬がいれば、ビーチで犬同士でじゃれ合っている様子を何度も見ましたが、人に対して尻尾を振って近づいてくるだけです。
お店に入ると、横に座って尻尾を振りますが、別に食べ物を求めている様子もなく、近くにいてくれて、なんて可愛い犬たちなんだ!と思いました。
あまりに他の地域の犬と違うので、私は勝手にヒリケティヤ犬と名付けました。
ATMは隣のディクウェッラ
ヒリケティヤにも小さなスーパーマーケットやショップがあり、水やシャンプーやお菓子などを買うことはできますが、ATMや大きなスーパーはありません。
スリランカ主要銀行の支店やATM、大手スーパーマーケットのカーギルスフードシティーがあるのは、隣町のディクウェッラです。
ディクウェッラまではヒリケティヤビーチから徒歩で15分ほどです。
ビーチにお店が立ち並ぶメダケティヤの隣町タンガッラが地域の中心であり、リゾートが立ち並ぶベントタの隣町のアルトゥガマが地域の中心なのと一緒です。
ヒリケティヤへの行き方
車で行く場合
空港あるいはコロンボ市内から高速道路で3時間ほどで行けます。
最寄りのアパレッカ・インターチェンジを降りた後の道は細く、かなりの田舎道です。
私たちはUberで行きましたが、Uberが指し示した道は舗装されていない道になり、地元の人曰く、この道ではヒリケティヤにはいけないというので、Googleでルートを調べ直して向かいました。
Googleの道は舗装されている道ではありましたが、こちらもかなりの田舎道でした。
国道2号線に出た後、しばらく東に走って、ディクウェッラを過ぎたらヒリケティヤに向かう細い道を入っていくと、ヒリケティヤにつきます。
高速道路を降りた後の田舎道、国道からヒリケティヤに向かう際の田舎道がヒドゥンリゾート感を演出してくれているようでもありました。
バスで行く場合
コロンボからマータラ行きの高速バスに乗ってマータラで降ります。マータラ行きの高速バスの乗り場は2つあり、一つはペターの私営バスターミナルの東端です。コロンボ中心地から行く場合はこちらの方が便利でしょう。
もう一つがコロンボ郊外にあるマークンブラのバスターミナルです。コロンボの南側から行く場合はこちらの方が便利です。バスの本数もこちらの方が多そうです。(たぶん)
マータラに到着したら、マータラからティッサマハーラマやハンバントタなど東に向かうバスに乗ります。
ヒリケティヤロードの入口近くのバス停「Pembiya Hiriketiya Road」で降りる、あるいはニルウェッラロードの入口近くのバス停「Dodampahala Junction」で降りて、歩いていけばヒリケティヤです。
バスの運賃を払うコンダクターさんにはバスに乗った時に「ヒリケティヤ」と言えばOKです。ヒリケティヤが近づいたら、ドライバーさんに「ヒリケティヤ・タ・バヒナワー」、あるいはヒリケティヤ近くで「メタナ・バヒナワー」と言えば降ろしてくれます。
鉄道で行く場合
コースタルラインに乗って、Wewrukannala駅で降ります。
おそらく駅前にはトゥクトゥクが止まっていますので、観光客向け価格になるでしょうが、ヒリケティヤまで乗せてくれるはずです。
それが嫌であれば、Wewrukannala駅からはバスに乗ってまず、ディクウェッラのバス停まで行きます。
そこからヒリケティヤまで歩くか、東に向かうバスに乗って、ヒリケティヤで降りてもいいでしょう。
Wewrukannala駅の近くには、有名な寺院「Wewurukannala Buduraja Maha Viharaya」がありますので、鉄道を利用する旅人な方は、ディクウェッラまでは徒歩で24分とGoogleで出てきますので、途中で寺院によって、ディクウェッラのスーパーで水などを調達して、ヒリケティヤの宿に向かうといいでしょう。
「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の登記を開始。
2016年12月、スリランカでの研修受け入れを開始。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年1月、スリランカ情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」開始。
2020年8月、不定期配信の「スパイスアップ・ニュースレター」創刊。
2023年11月、サービスアパートメント「スパイスアップ・レジデンス」開始。
2024年7月、スリランカ商品のネットショップ「スパイスアップ・ランカ」開設。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
# 関連キーワード
新着記事
-
スリランカの食文化に見る多様性とヴィーガン事情
スリランカに滞在して約2か月半、この国の食文化の多様性に驚かされています。その背景には、仏教、ヒンズー教、イスラム教といった多様な宗教が影響していると感じます。宗教ごとに異なる食の規律が存在し、それが食の選択肢を豊かにし…
2024年11月23日 -
“スリランカにおける現代ファッションを徹底調査”
年間を通して高温多湿の南国、自然豊かで「インド洋の真珠」とも呼ばれるスリランカ。日本とは全く異なる気候に住むスリランカの人々が普段どのような服を着ているのか、どのような服を好むのか知っていますか? 欧米諸国の人々のファッ…
2024年11月14日 -
世界遺産ゴール・フォートの中にある“好立地”ホテル「The Fort ...
私は今回、世界遺産ゴール・フォートの旧市街の中にあるホテル「The Fort House」に宿泊してきました。 ゴールには数多くの宿泊施設がありますが、世界遺産である旧市街の中にあり、散策しやすい場所にある「The Fo…
2024年11月13日