ドラゴンボールのカリン塔とも言われるアンブルワーワタワー

ガンポラ郊外の標高1,000mの山頂に立つ高さ111メートルの白い仏塔をイメージした「アンブルワーワタワー」は、ドラゴンボールのカリン塔に似ていると、一時話題になりました。
本記事では、アンブルワーワタワーについて紹介します。
アンブルワーワタワーとは?
2006年12月18日にオープンした施設です。
正式名称は「Ambuluwawa Religions Center and Biodiversity Complex」です。
その名の通り、タワーの周囲には仏教・ヒンドゥー教・イスラム教・キリスト教の宗教施設と、3つの溜池があり、約200種類の植物が生息していると言われています。
創設者は、スリランカ自由党(SLFP)創設時の13人の党員の一人で、第14代首相(2010年4月21日〜2015年1月9日)を務めたディサーナーヤカ・ムディヤンセーラーゲー・ジャヤラトゥナ氏(D.M.ジャヤラトゥナ氏)です。
メインエントランス(車を停める駐車場がある)を過ぎて、急な坂道を上がったところにD.M.ジャヤラトゥナ氏の像があります。
アンブルワーワを設立した時のジャヤラトゥナ氏の役職は郵便・通信及び高地開発大臣(Minister of Posts, Telecommunications & Upcountry Development)でした。
この複合施設の中に立っているのが「アンブルワーワタワー」です。
このタワーは仏塔(ストゥーパ)なのだそうで、そう言われると、たしかに仏塔の色・形をしています。
仏塔の尖塔部分に登れるように階段が取り付けられているわけです。
山頂の各宗教施設
山を登り切ると、トゥクトゥクを降りてゲートで入場料300ルピーを払って敷地内に入ります。
まず最初にあるのがマスジット(モスク)です。
その隣にはコヴィル(ヒンドゥー寺院)があります。
コヴィルの隣にはチャーチ(教会)があります。
そして、仏像が立っているお堂があります。
タワーを挟んで反対側には、小さなタワーがあり、そこからも景色が楽しめます。
タワー(仏塔)に登る
タワー全体の高さは111メートルです。
外の螺旋階段を登る尖塔部分の高さは48メートルです。
タワーの下半分は円柱型になっています。
この部分は内部の階段を登っていきます。
その後、円柱部分の屋上に出ます。
円柱の屋上部分の手摺りの上にお猿さんがいました。
尖塔に巻き付くように設置されている螺旋階段を登っていきます。
眼下にガンポラの町が見えます。
ガンポラの町は標高500メートルで、この山の標高が1,000メートル(正確には1,087 メートル= 3,567フィート)ですので、500メートルの高さがあるようです。
南側は山々が見え、雲間から光の筋が見えて神秘的でした。
タワーの南には、聖山シュリー・パーダヤ(アダムスピーク)
タワーの東には、スリランカ最高峰のピドゥルタラーガラ
タワーの西には、バタレガラ(別名:バイブルロック)
タワーの北には、世界遺産に登録されているナックルズ山脈
と、スリランカでよく知られた各山が見えるそうですが、事前に調べて登りませんでしたので、各山を確認し損ねました!
足元を見ると、中々の迫力です。
怖くはありませんでしたが、階段が細く、手すりの背が低い上に風が強いですので、ゆっくり昇り降りする必要があります。
乗り物が苦手な私からすれば、ディズニーランドの方がずっと怖いです 笑
行き方
エントランスの駐車場に車を停めて歩いて向かう人たちも見られますが、かなりの急坂で距離もあるため、トゥクトゥクで向かうのが楽でしょう。
私はキャンディ駅から鉄道でガンポラ駅に行き、駅前でトゥクトゥクを捕まえてアンブルワーワタワーに向かいました。
ガンポラ駅〜アンブルワーワタワーの往復で500〜1,000ルピーだったかと思います。
初めてガンポラを訪れた際は、キャンディでトゥクトゥクを捕まえて、ガンポラ王国時代の3つの寺院(ガラダーデニヤ、ランカティラカ、エンベッカ)を周り、スリランカで初めてコーヒーの栽培が行われというガンポラ駅近くのシンハピティヤを見学した後にアンブルワーワタワーに向かおうとしました。
ところが、シンハピティヤを訪れた時点ですでに夕方になっていたことと、雨が降り出しそうな天気であったことからトゥクトゥクドライバーに「今行くのは危ないし、何も見えない!」と言われて、訪問を諦めました。
ガンポラに訪れる際は、キャンディあるいはヌワラエリヤの観光ついでに立ち寄ることが多いかと思いますが、時間に余裕を持って訪れてください。
コロンボからガンポラに行く際は鉄道はもちろん、ガンポラ行きのバスで行くこともできます。
ただ、ガンポラの観光地であるアンブルワーワタワー、各寺院や遺跡は駅から離れていて、それぞれ点在していますので、移動手段を確保して向かうのが便利でしょう。
ちなみに、アンブルワーワタワーが立つ山は、ガンポラ王国の中心だったと書いてある記事も見られますが、ガンポラ王国の遺跡が多く残っているのは、山の北側に広がるウドゥヌワラ(Udunuwara)です。
マナウェリ川が流れていたことと、山々に囲まれていたために、ガンポラに都を置いたのだと思います。
アンブルワーワは南側を守る山になりますので、そこに見張り台などを設置したかもしれませんが、王国の中心はおそらくウドゥヌワラだったのではないかと思います。
アンブルワーワタワーに行かれたら、ウドゥヌワラにあるガンポラ王国時代の寺院を巡るのがお勧めです。
キャンディ建築を代表する寺院群があり、その中でもユネスコに木製彫刻の素晴らしさを認められたエンベッカはアンブルワーワタワーに一番近いです。
建築好きの方は、ジェフリーバワと共に傑作「ヘリタンスカンダラマ」の建築に携わったバワ後期のパートナーで、ジェフリーバワ財団の代表者でもあるチャンナ・ダスワッタさんのゲストハウス「Hiyarapitiya House」に宿泊されるのも良いでしょう。
参考)
いい旅スリランカ:実際に登ってみました!「ドラゴンボールのカリン塔が実在」と噂のアンブルワワ寺院(タワー)♪
【アンブルワワタワー】インスタ映えだけじゃない!スリランカの多面性と課題を考える
Travel Sri Lanka:Ambuluwawa Biodiversity Complex , Gampola , Kandy
Amazing Lanka:Ambuluwawa Biodiversity Complex
Attractions Sri Lanka:Ambuluwawa
Daily News:D.M. Jayaratne: A political legend
SUNDAY OBSERVER:D. M. Jayaratne commemoration under President’s patronage
Wikipedia:D. M. Jayaratne
Wikipedia:Coffee production in Sri Lanka
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「旅と町歩き」を仕事にするためスリランカへ。
歴史・地理・建築・語源が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年3月、法政大学社会学部社会学科を卒業。
2005年4月、就活支援会社に入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長などを経験して就職支援会社を退社。
2015年7月、公益財団法人にてベトナム・ミャンマー・タイ・インドネシア研修を担当。
2016年7月、初めてスリランカに渡航し、会社の設立を開始。
2017年2月、スリランカ専門誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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