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スリランカの祝日、ヒンドゥー教の大祭「ディワリ」とは?

2021年11月04日

2021年11月4日(木)は、ディワリ(Diwali)のため、スリランカはお休みです。

ディワリはヒンドゥー教の大祭で、インドでは年末商戦さながらに最も消費が活発になると言われています。

クリスマスのように町中がライトアップされ、建物が花輪で飾られます。

私がバンガロールに住んでいた時は、花火が打ち上げられ、爆竹は明け方まで鳴り響き、寝室の窓の近くで爆竹が炸裂した時は飛び起きた記憶があります。
インドでは近年の大気汚染で、爆竹は規制されているそうです。

コロンボでは爆竹の音が少し聞こえるぐらいで、インドほどに盛大には祝いません。
ヒンドゥー教徒が多い北東部では盛大にお祝いしているかもしれません。

スリランカの北東部に多く住むタミル人は、タミル暦の冬至(1月)に、大掃除をして、床や地面にはカラフルな砂絵が描いて、子供にお年玉をあげるタミルタイポンガルを祝いますが、11月のディワリでも大掃除や砂絵、家族・親戚でお祝いの食事の習慣があります。

そんな正月やクリスマスのようなヒンドゥー教の大切なお祭り「ディワリ」について紹介します。

祭名の由来と開催時期

ヒンディー語でディワリ(Diwali)、
サンスクリット語でディーパーヴァリィー(Dipavali)と言います。

dipaはランプ、valiは列を意味するため、光の祭典(The fiestival of ligts)とも呼ばれます。

ヒンドゥー暦のカールッティカ月(7番目の月)の新月の夜に祝われます。
通常のカレンダーですと、毎年10月末から11月初め頃に行われます。

「Light over Darkness」、「Good over Evil」と言われ、最も暗い新月の夜に光を灯し、善(光)が悪(闇)に勝利したことを祝福します。

ディワリはインドの正月と説明されることもありますが、その内容や存在感からすると正月やクリスマスみたいなものです。

ただ、暦上の新年ではなさそうです。

ディワリを祝うのはヒンドゥー暦の7番目の月で、1番目の月は4月中頃です。

4月中旬頃といえば、4月14日頃に新年を迎えるスリランカ、ネパール、バングラディシュ、ミャンマー、タイ、カンボジア、ラオス、中国のタイ族自治州と同じ頃です。

インドでも西ベンガル州、ヒマーチャル・プラデーシュ州、ウッタル・プラデーシュ州、ハリヤナ州、アッサム州、ミティラー地方、パンジャーブ地方、ジャンムー地方などは4月14日頃に新年を祝うお祭りがあります。

また、南インドやスリランカ北東部などに多く住むタミル文化圏では、タミル暦で冬至祭でお祝いし、大掃除をしたりお年玉をあげたり、まるで大晦日+三箇日のような4日に渡るお祭りをしますが、その日付は4月14日に新年を迎える国々よりも、ちょうど3ヶ月早い1月14日頃です。

おそらく、ヒンドゥー暦の新年は4月中旬頃ですが、インドは広大で様々な民族が暮らしているため、インド全土で新年を祝っていません。
一方で、ディワリは盛大なお祭りでインドの各地で祝われているため、分かりやすく「正月」と形容するのでしょう。

ディワリは英語ではNew Yearではなく「The fiestival of ligts」です。
つまり、ディワリは新年のお祭りではなく、ヒンドゥー教の1年に1回の盛大な光のお祭りです。

4月のシンハラタミルニューイヤーについては、こちらの記事を参照ください。

スリランカ正月「シンハラタミルニューイヤー」〜4月に新年を迎える国と地域〜

タミル暦で祝われるタミルタイポンガルについては、こちらの記事を参照ください。

スリランカの祝日「タミルタイポンガル」とは?

お祝いする対象

一般的に、富・繁栄・美の女神とされるヴィシュヌ神の妻「ラクシュミー」を祝うお祭りとされますが、地域、宗教によってお祝いする対象が異なります。

北インドのヒンドゥー教徒は、ラーマ王子(ヴィシュヌ神の7番目のアバターラ)がランカー島の魔王ラヴァナからシータ姫を救い、古代コーサラ国の首都アヨーディヤに14年ぶりに戻ってきたことを祝います。

南インドのヒンドゥー教徒は、クリシュナ神(ヴィシュヌ神の8番目のアバターラ)がプラーグジョーティシャ王国(アッサム州)で、アスラ(阿修羅)のナラカースラを倒し、囚われていた16,000人の女性たちを解放したことを祝います。

東インドの一部では、殺戮・破壊の女神「カーリー」を、善が悪に勝利した象徴として祝います。

シク教では、シク教第6代グルのハルゴービンドが、ムガル帝国によって12年間幽閉されていたグワーリヤル(シンディア家、後のグワーリヤル藩王国の首都)から帰還したことを祝います。

ジャイナ教では、開祖マハーヴィーラが解脱(ニルヴァーナ、モークシャ)に達したことを祝います。

5日間に渡るスケジュール

インドでは5日間に渡ってお祝いされますが、スリランカでは3日目のみが祝日になっています。

1日目:大掃除&ショッピング(Dhanteras)

家を掃除して、富と美の女神ラクシュミーを迎え入れる準備をします。
この日は高価なものを買うのに良い日とされており、耐久消費財が売れるなど、インドで最もモノが売れると言われています。
夜にはラクシュミーへの祈りが夜に行われる。
diyasというオイルランプを灯し、悪を追い払います。

1日目は全国アーユルヴェーダの日でもあります。
詳しくは以下のページをご覧ください。

アーユルヴェーダの神ダンワンタリの生誕祭「ダンテラス」と「全国アーユルヴェーダの日」

2日目:南インドではメインの日(Naraka Chaturdashi)

クリシュナ神がナラカースラを倒し、女性たちが解放された日。
南インドの一部では、この日がメインとなります。
1年の終わりの準備として、悪いものを取り除きます。
早起きし、綺麗に洗った服や新しい服を着ます。
コーラムを床や入口に描きます。

3日目:花火と爆竹の夜(Lakshmi Pujan、Kali Puja)

カールッティカ月の新月の夜で、北インドをはじめ、主な地域で最も盛大に祝われるのがこの日です。

ラーマ王がシータ姫を魔王ラヴァナから救って戻ってきたことを祝います。
爆竹は悪を追い払うとされ、爆竹や花火で賑やかな夜となります。

ラーマ王とシータ姫の物語については、以下の記事を参照ください。

スリランカにおける「ラーマ神生誕日」と「ラーマーヤナ関連スポット」

4日目:食べ物を捧げる日(Govardhan Puja、Annakut)

クリシュナ神が豪雨に苦しむ村人を救うために、ゴーヴァルダナ丘を持ち上げて傘のようにして、雨から守ったことを祝う日です。
寺院に食べ物を持っていき、新年を祝うとともに、クリシュナ神に祈りを捧げます。

5日目:兄弟姉妹の日(Bhai Duj、Vishwakarma Puja

姉妹は兄弟を宴会に招き、兄弟の額にパウダーを塗ります。
その返礼に兄弟は姉妹にギフトをあげます。
バスンディ・プーリというお菓子が振る舞われます。
バスンディは濃いミルクプリンで、プーリとはフルーツ・ナツメグ・カルダモンのことだそうです。
親戚が友人たちが招かれたりもします。

日本におけるディワリ

例年、ムンバイ市と姉妹都市である横浜市の山下公園、インド人が多く住む西葛西の新田6号公園ではディワリが開催されています。
2020年と2021年は新型コロナウイルスの影響で開催情報はありません。

まとめ

今年は新型コロナウイルスのため、様々なお祭りやイベントごとが開催できない状態になっていますが、来年は例年のように楽しめるようになっていることを願います。

関連記事

スリランカでの年越しカウントダウン

参照

Wikipedia「Diwali」
【インドの正月】一年で一番盛り上がる!光の祭り《ディワリ》とは?~Happy Diwali~
Palette「2020年、来たるインドの新年、ディワリ特集!」
インドの正月【ディワリ】に一緒に踊ろう!!
インド家庭料理ラニ「インドのお祭り」
ディーパーヴァリー
Deepavali Festival Day in Sri Lanka in 2020
YAMU「DIWALI OR DEEPAVALI IN SRI LANKA : EVERYTHING YOU NEED TO KNOW」
ウィキペディア「ヒンドゥー暦」
ウィキペディア「砂絵」
Wikipedia「Rangoli」
ウィキペディア「アヴァターラ」
ウィキペディア「ラーマ」
ウィキペディア「コーサラ国」
ウィキペディア「アヨーディヤー」
ウィキペディア「クリシュナ」
ウィキペディア「アスラ」
ウィキペディア「ナラカ」
Wikipedia「Narakasura」
ウィキペディア「グル・ハルゴービンド」
ウィキペディア「解脱 (ジャイナ教)」
ウィキペディア「ラクシュミー」
ウィキペディア「カーリー」
シーターラーマ「ゴーヴァルダナ・プージャー」
Wikipedia「Govardhan Puja」
Bhai Bij in India in 2020

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