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50のスリランカ料理レシピが掲載!『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』

2021年12月15日

スリランカ料理本として、おそらく一番有名なのは、香取薫さんの『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』ではないかと思います。

香取さんは料理教室を29年間経営し、料理本を16冊も出されています。

インド・スパイス料理研究家とのことですが、実は最初の渡航先はスリランカだったそうです。

インド料理・スパイス料理を研究した上で、スリランカ料理についてまとめられていますので、本の中ではその違いについても記述されていて、とても勉強になります。

本書には50ものレシピが掲載されています!

本記事では、『家庭で作れるスリランカのカレーとスパイス料理』について紹介します。

インド・スパイス料理研究家「香取薫」さんとは?

プロフィール

インド・スパイス料理研究家
有限会社 食スタイルスタジオ 代表取締役
キッチンスタジオ ペイズリー 主宰
日本アーユルヴェーダ学会 評議員
一般社団法人 日本香辛料研究会会員

1962年生まれ、22歳の時に始めてスリランカに渡航。
1985年、23歳でインドのボランティアキャンプを参加をきっかけにインド料理に興味を持つ。
1992年、「キッチンスタジオ ペイズリー」を開設

書籍

本の構成

全6章にエッセイ、コラムが挟み込まれた内容になっています。
オールドスタイルのレシピが掲載されているのが面白いです。

章立て

1章 はじめてのスリランカ料理(7品)
パリップ、卵のホッダ、魚カレー、なすのモージュ、アラ・バドゥマ、キャベツのマッルン、ポル・サンボーラ

2章 肉と魚介のカレーとおかず(8品)
シンプルスタイルのチキンカレー、オールド・シンハラスタイルのチキンカレー、ポークカレー、ビーフカレー、干魚のホッダ、えびのテルダーラ、いかのテルダーラ、かにのホッダ、

3章 野菜たっぷりのカレーとおかず(9品)
かぼちゃカレー、オールド・シンハラスタイルのかぼちゃカレー、なすのカレー、空芯菜のテルダーラ、いんげんのキラタ、大根カレー、カシューナッツのホッダ、にがうりのテルダーラ、オクラのテルダーラ

4章 スパイスの香り高いサイドディッシュ(7品)
魚のアンブルティヤル、シーニ・サンボル、パイナップル・チャトニ、ハールマッソー・テルダーラ、ハールマッサー・ウェンジャナ、パパダム、桜えびのふりかけ、

5章 カレーに合うご飯とパン(12品)
キリバト、ルヌミリス、スリランカ式スパイシーピラフ、フライドライス、湯取り法で炊いたご飯、コラ・キャンダ、ディヤ・バト、ロティ、ねぎ入りロティ、ゴーダンバ・ロティ、ビッタラ・ロティ、コットゥ・ロティ、

6章 あとひくおいしさ、スナック&スイーツ(7品)
カトゥレット、ロールス、パンケーク、トフィー、ヴァタラッパン、フルーツサラダ、ミーキリ、

エッセイ

ココナッツの話
アーユルヴェーダの話
スリランカ食の旅
米の話
紅茶の話

コラム

キリホディとローカルパン
インド料理との違い
スリランカの民族、シンハラ人とタミル人
豊かな自然と生きものたち
スリランカの言葉と文字
世界遺産とバワの建築

実際に作ってみた料理

私、一切、自炊をしてこず、スリランカではひたすら外食をしていましたが、レシピ本を紹介するのに料理せずに記事を書くのはないだろう!と、料理デビューになったのがこの本でした。

米を炊くか、麺を茹でる、しかしたことがなかった男でもなんとか作れました。

本書には綺麗な料理の完成写真とともに、レシピが載っていますので、詳しくは本書をご覧ください。

魚のカレー、パリップ

チキンカレー、アラ・バドゥマ、空芯菜のテルダーラ、いんげんのキラタ

魚のアンブルティヤル

ロティ

キャベツのマッルン、シーニサンボル、ポルサンボル、チキンカレー

オクラのテルダーラ、ポークカレー

カシューナッツのホッダ

なすのモージュ、魚のカレー

パリップ、パパダム

ゴーダンバ・ロティ、コットゥ・ロティ

コットゥ・ロティ

チーズ・コットゥ・ロティ

かぼちゃカレー、いんげんのキラタ

ねぎ入りロティ

ヴァタラッパン

ココナッツロティ

全てのレシピを2回以上作って綺麗にできたものを、記事に使おうと思っていたのですが、料理不精で2回どころか全ての料理を作るのも、随分先になってしまいそうでしたので、いずれ更新していきたいと思います。

エッセイ、コラムのメモ

本書に挟み込まれているエッセイ、コラムも勉強になります。
私が思わずメモしてしまった内容を紹介します。

キリホディとローカルパン

キトゥルヤシの蜜から作る粗製糖がハクル(英語でジャガリー)。
ハクルは、コラ・キャンダ(青汁粥)に添えて食べたりします。

キトゥルヤシの蜜を、発酵させないように採取したのがキトゥル・パニ。
キトゥル・パニを、ミーキリ(ヨーグルト)にかけて食べたりします。

キトゥルヤシの葉の芯は釣り竿に、
キトゥルヤシの木の幹は杵(モールガハ)に、
キトゥルヤシの葉は象の大好物と、使い道がたくさんあります。

ヤシについては、こちらを参照ください。

ココヤシ・キトゥルヤシ・アラックについて理解が深まる『ヤシ酒の科学』濱屋悦次 著

ココナッツの話

ココナッツは皮から丈夫な繊維がとれ、ロープになりマットになり、堆肥にもなります。

お店には外側の固い皮を剥がされた毛むくじゃらの姿で売られています。
いったんこの状態にしてしまうと、なるべく早めに使用する必要があります。

アーユルヴェーダの話(家族の健康を守るスパイス料理)

家の庭に生えている葉はアグナ・コラ。
火(消化)を司るアグニを連想させる名前。
アグナ・コラは、サラダ(コラ・サンボーラ)に。

血をきれいにする「へびうり」
お腹に良い「コヒラ」
身体を温める「ジンジャー」
身体を熱くしすぎる「甲殻類」
脳の働きに寄与する「ゴトゥ・コラ」
病み上がりの時は「ディヤ・バト」
咳を止める「コリアンダーシード、コリアンダーのお茶」
風邪で熱っぽい時は「パスパングァ」※成分はコリアンダー、ジンジャー、Weniwal Gata、Paspadagam、Katuwal Batuなど

米の話

収穫後すぐに籾のままいったんゆでてから精米した「パーボイルド・ライス(サンバ、スードゥル・サンバ、コーラ、ミルチャードなど)」は北部と中部で食べられています。
生の米(カクル・ハール、スドゥ・カクル・ハール)は南部で好まれます。

スリランカでは湯取り法でお米を調理するため、炊くというよりも茹でて、粘質を流してパラパラに仕上げます。

熱帯地域で見られるこの調理法による米は、カレーを混ぜて食べるのに適しています。

湯取り法による米は、消化しやすい(日本式の炊飯は消化に重く、カレーの味が米に染み込みにくい)

参照)

インド料理教室 キッチンスタジオ ペイズリー
ウィキペディア:香取薫

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