スリランカ、テロ後の治安は?現在の状況を観光地ごとに解説!
目次
スリランカ爆発テロ後、6月現在の状況は?
2019年4月21日、キリスト教の祝日・イースターの日にスリランカで同時爆発テロが発生しました。
21日の午前には3つの教会と五つ星ホテルで爆発、午後にはコロンボ郊外2カ所で爆発。
死者は外国人45人を含む253人、けが人は500人以上にのぼりました。
その後も多くの爆発物や武器が発見され、潜伏していた犯人逮捕の際に爆発が起こるという事態も発生しています。
5月13日には、テロを発端とする暴動によりスリランカ全土に外出禁止令が発令されました。
このように、不安な状況が続くスリランカ。
しかし、5月末から多くの国でスリランカ渡航の警戒レベル引き下げが実施されています。
実際の治安状況はどうなっているのでしょうか?
今回は、最大都市のコロンボだけでなく、観光地のシーギリヤ、キャンディも含めた各地の治安状況を解説、各国や日本の対応、スリランカ渡航の際の注意もご紹介します。
(記事内の情報は2019年6月7日現在のものです。)
スリランカ各地、現在の治安状況
観光に訪れる方は各地の様子、交通機関の運行状況も気になりますよね?
まずは、スリランカ各地の治安情報、セキュリティー対策、現在の街の様子について解説します。
コロンボの治安状況

荷物検査が行われる
爆発テロが4カ所で起こったコロンボ。
被害が大きく、テロ後は最も緊張感が高まった場所です。
現在、観光客は少ないですが、レストラン、ホテル共に通常営業。
ショッピングモールや五つ星ホテルではセキュリティーのため、荷物検査や身体検査が行われています。
街中では、警備のため銃を装備した軍人が配置されています。
交通機関のバス、鉄道は通常通りに運行されています。
ただし、鉄道を利用する際には、セキュリティーチェックが行われます。
テロ後の状況と比べると、だいぶ以前の様子に戻ったように感じられます。
シーギリヤの治安状況
ほとんどの日本人観光客が訪れるシーギリヤ。
普段は外国人観光客で列を作るほどのシーギリヤロックですが、最近は外国人観光客がほぼいない状態。
混まずにスイスイ登れました。
一方、シーギリヤロックを見渡せる隣のピトゥランガラには、30人ほどの外国人観光客が見受けられました。
バスやトゥクトゥクは通常通り運行しています。
また、シーギリヤでも、軍人が街を警備していました。
≪シーギリヤの観光記事≫についてはこちらから
キャンディの治安状況

いつもより人通りが少ないクイーンズホテル前
仏歯寺が有名な世界遺産の町、キャンディ。
観光客はかなり少なく道も空いている様子ですが、レストラン、ホテル共に通常営業しています。
普段は多くの観光客が訪れる仏歯寺もかなりすいているよう。
コロンボと同じく、大きなホテルでは荷物検査が行われ、町中は軍人に警備されています。
交通機関も通常通り運行中です。
≪キャンディ観光記事≫についてはこちらから
外出禁止令について
テロが起こった直後、またテロに起因する暴動が起こった際に幾度か外出禁止令が発令されました。
5月12日にイスラム教徒が多い北西部のチラウ(Chilaw)にて、フェイスブック上でのやり取りをきっかけに、モスクやイスラム教徒のお店が襲撃されたことにより、5月13日から15日朝まで夜間外出禁止令が発令されました。
それを最後に外出禁止令は発令されていません。
また、そういった暴動に伴ったSNS規制も、それ以降は実施されていません。
各国が渡航警戒レベルを引き下げ
5月25日に中国がスリランカへの渡航の注意喚起を引き下げたのをはじめに、
5月29日にはドイツ、スウェーデン、スイス、インド、オーストリア、
5月31日にはイタリア、
6月2日にはノルウェーとオランダ、
6月6日にはイギリスが
スリランカ渡航の警戒レベルを引き下げました。
スリランカへの渡航者数は1位がインド、2位が中国、3位がイギリス、4位がドイツ。
今までのところ渡航者数上位4カ国が渡航警告を引き下げたことになります。
警告は引き下げましたが、各国、渡航の際は十分注意するようにとの声もあります。
日本での対応
危険レベルは2で継続中
外務省の発表するスリランカの危険レベルは1(十分に注意してください)でしたが、4月21日に起こったイースターの連続爆発テロを受けて、4月26日、レベル2(不要不急の渡航は控えてください)に引き上げられました。
*2019年6月25日に、危険レベルはテロ以前のレベル1に引き下げられています。
スリランカ航空、直行便のルートを変更
また、2019年7月16日より、成田→コロンボの直行便は、マレ(モルディブ)を経由するルート変更されました。
これにより事実上、往路の直行便は一旦停止ということになります。
復路はコロンボ→成田より変更ありません。
詳しくは≪コチラの記事≫をご覧ください。
スリランカ旅行の際、注意すること
人が集まるところには行かない
人が集まる場所はテロの標的になりやすいです。
教会・モスク等宗教関係施設,ホテル,政府関連施設(特に軍,警
これらは外務省が喚起している注意が必要な場所になります。
外務省のたびレジ・オンライン在留届に登録する
「たびレジ」とは、外務省からの最新の安全情報を日本語で受信できる海外安全情報無料サービスです。
登録することで緊急時の連絡、安否確認、支援などを受けられます。
滞在期間が3ヶ月未満の場合は「たびレジ」、3ヶ月以上の場合は「オンライン在留届」に登録してください。
外務省からの安全情報では、外出禁止令や事件情報をお知らせしてくれます。
そういった情報をいち早く正確に知り自分の身を守るため、必ず「たびレジ」か「オンライン在留届」に登録しておくようにしましょう。
外出時にはパスポートを持ち歩く
緊急事態宣言は未だ発令されており、警察が一般人をいつでも逮捕できる状況です。
外出する際には必ずパスポートなどの身分証明書を持ち歩くようにしましょう。
まとめ
今回はスリランカ各地の状況と、各国の渡航警戒レベル、渡航の注意点について解説しました。
テロ以前と比べると観光客は大幅に減り、ホテルでは9割以上のキャンセルが出たところもあります。
まだまだスリランカ渡航に不安が残る方も多いと思われますが、このように現状をお伝えする記事を発信することで渡航・旅行の判断材料になれば、と思います。
以下に、当サイトで公開したテロ後のニュースをまとめてあります。
よければそちらもご覧ください。
【スリランカ爆発テロに関する情報】
【スリランカ爆発テロ後の状況】
【観光ビザ無償化の保留】
【各国の対応】
中国に続き、ドイツ、スウェーデン、スイスがスリランカへの渡航勧告を引き下げ
オランダ、イタリア、オーストリアがスリランカへの渡航勧告を引き下げ
【日本の対応】
スリランカ航空、成田-コロンボ直行便のルートとスケジュールを変更
【ニュース】外務省発表のスリランカ治安情報、危険レベル2に引き上げ
【テロに関連する政治ニュース】
【ニュース】スリランカ政府、イスラム教徒の大臣9名、州知事2名が辞任

神戸市外国語大学国際関係学科4年生。スリランカのご飯と陽気な人とビーチと列車が好き!マイブームは自炊と砂肝。
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