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ベントタで巡るジェフリーバワ建築11選|ルヌガンガ・名作ホテル・駅・庭園ガイド

2025年5月10日

ジェフリー・バワの建築に泊まることを目的に、スリランカを訪れる人もいるほど、バワ建築は世界的に高い人気を誇ります。なかでも、彼の建築が最も集まっているのが、南西部のビーチリゾート「ベントタ -Bentota」です。

ベントタは、スリランカで最も多くのジェフリー・バワ建築が集まるエリアとして、建築ファンやバワ建築巡りを目的とした旅行者に知られています。

本記事では、ベントタにまとまって残るジェフリー・バワ建築の名作スポット11か所を厳選して紹介します。観光として訪れたい建築、実際に宿泊できるホテルなど、建築好きから旅行者まで幅広いニーズに応えるスポットを実例とともにまとめました。

本記事後半には、滞在時間別モデルルートも記載しています。

※ 本ページは、ベントタのジェフリー・バワ建築を網羅的にまとめたガイドです。
各建築については、リンク先の記事でより詳しく解説しています。

目次

ベントタで楽しむジェフリー・バワ建築とは

ベントタは、政府主導でビーチリゾート開発が進められた際、ホテルや駅舎などの設計をジェフリー・バワが数多く手がけた場所。現在も、彼の思想を色濃く残す名作建築が町の各所に点在しています。

また、ベントタには美しいビーチやマングローブが広がるベントタ川など、バワ建築以外の魅力も豊富です。ぜひバワ建築のホテルに滞在し、建築と自然が調和するベントタならではの時間を楽しんでみてください。

ルヌガンガ(Lunuganga)|バワの週末別荘【見学・宿泊可】

ルヌガンガ(Lunuganga)は、ジェフリー・バワが建築家になる前から他界するまで生活と創作の拠点とした特別な場所で、現在は見学・宿泊が可能な代表作です。

バワはイタリアの湖畔にあるヴィラを買って住むつもりでしたが、予定通りにいかずにスリランカに帰国。
1948年、デッドゥワ湖畔(Dedduwa Lake)ゴム農園だった土地を買いルヌガンガ(塩の川)と命名します。

イタリア式庭園、イギリス式庭園、日本庭園、スリランカ古来のウォーターガーデン、古代ギリシャ・ローマ世界の彫像が融合した独特の世界観を生み出しています。

バワがデザインした椅子などの家具が多く置いてあり、他のホテルにも使われたデザインのものもあり、バワ好きには堪らないコレクションとなります。

また、バワがメイドを呼ぶために設置した14つの鐘もあり、彼の生活を垣間見ることができるのはここならでは。

庭園は一般公開され、建物はブティックホテルとして運営されています。
見学する場合は1日3回(11時~、14時~、15時~)行われている90分のガーデンツアーに事前予約の上、参加します。必ずバワ財団の公式ページに掲載のメールアドレスから予約しましょう。

ルヌガンガには宿泊することができ、6つの客室があります。
各客室と、メインバンガローは宿泊者しか入れませんので、バワ建築ファンなら1度は泊まりたいホテルです。

▼建築の特徴や見学のポイントは、別記事で写真付きで解説しています。

▼かつてのバワの部屋であるスイートルームについては、実際に滞在した様子を詳しくまとめた記事で紹介しています。

ナンバー5(Number 5)@ルヌガンガ|バティックアーティストのイナ・ダ・シルワの邸宅【見学・宿泊可】

ジェフリーバワ生誕100周年の記念イベントの一環として、2019年9月にバティックアーティストのイナ・デ・シルヴァの邸宅(Number 5)がルヌガンガに移築、公開されていました。

1962年にイナ・ダ・シルワの夫のオスムンドがバワに設計を依頼し、コロンボに建てられました。

2009年にイナ・ダ・シルワが邸宅が建っていた土地の売却を希望したことからルヌガンガ財団がルヌガンガへの移築プロジェクトを行っています。

ブティック87(Boutique 87)|広大な庭園のブティックホテル【見学・宿泊可】

ブティック87(Boutique 87)旧リディア・グナセカラ邸)はバワがルヌガンガを構成する一つとして構想した場所とされています。

1720年に建てらたスリランカ伝統のショップハウスをイタリア人女性彫刻家のLydia Petroniaが1970年代に買い取り、ジェフリーバワが改装を手掛けたものです。

18エーカーにも及ぶ広い敷地がありますが、客室はたった2部屋のみというブティックホテルです。

バワがLydiaに建物を二つ購入するように勧めたそうですが、もう一つの建物はゴールロード沿いに建っています。
当初はゴールロード沿いに入口があったそうだが、バワは180度回転させて建物が庭に面するように変えたそうです。

ブティック87に宿泊せずにガーデンツアーにのみ参加することもできます。

■ブティック87ガーデンツアー概要
【料金】一人2,000ルピー
【人数】最小4名、最大20名

大きな池、枝が這うように伸びる中に静かに立つ中国式の大きな壺、池に浮かぶ島に立つ大きな木、朽ちた遺跡のような教会、土地の境界線を示すモニュメント、バワが弟子たちに講義をした場所、バワが紅茶やコーヒーを飲んでいた場所など、見所が多くあります。

日が暮れると、庭の各所にキャンドルが灯され、木々がライトアップされます。
バワ建築は朝、昼、晩と時間の経過とともに表情を変えるのが魅力の一つです。
宿泊すれば、それが存分に味わえます。

クラブ・ヴィラ(Club Villa)|バワらしさを感じるブティックホテル、開放的な庭と隈研吾氏改装

クラブ・ヴィラ(Club Villa)は、バワが友人のために設計した邸宅を改装した、ブティックホテルです。日本のばんせい証券が経営しています。

バワが設計した椅子とテーブルが並ぶ、広々とした庭にはよく日が当たり、緑の芝生が綺麗でとても心地良いです。
洒落たお部屋は手編みのバティック(東南アジア産のろうけつ染の布)とペインティングで装飾されています。

ロビーにある、バワお気に入りのアーティスト「ラキセナナヤケ」の壁画にも注目してみてください。

隈研吾氏はレセプションスペースのソファのテキスタイルなどを提案しています。バワの世界観を損なうことなく、上質な空間となっています。

ザ・ヴィラ・ベントタ(The Villa Bentota)

ザ・ヴィラ・ベントタ(The Villa Bentota)(旧モホッティ・ワラウワ邸)は19世紀にこの地域を治めていたモホティさんの家として建てられたものを、バワがブティックホテルとして改装したものです。

以前は有名雑貨店「パラダイス・ロード(Paradise Road」がホテルを経営していました。
2021年からはKKコレクションの運営となり、大規模な改修工事が行われました。

まっすぐに伸びる屋外プールも印象的。
敷地の真横には線路があり、そこを超えた先はビーチです。

シナモン・ベントタ・ビーチ(Cinnamon Bentota Beach)|アートも圧巻のバワ初期作品【見学・宿泊可】

シナモン・ベントタ・ビーチ(Cinnamon Bentota Beach)(旧ベントタ・ビーチ・ホテル)

ジェフリーバワ生誕100周年プロジェクトの一環として、2017年から3年間の改装を終えて、2020年1月にリニューアルオープン開業しました。

バワが設計する建物に多く採用されたラキ・セナナヤケ(Laki Senanayake)、イナ・デ・シルヴァ(Ena de Silva)、バーバラ・サンソーニ(Barbara Sansoni)の作品を多く取り入れています。

スリランカのアーティストの作品をホテルで活用していくバワの建築スタイルの一つの方向性が決まったとも言われるバワの初期のホテルです(ジェフリーバワが46歳の時に設計)。

ジェフリーバワの弟子「チェンナ・デスワッタ」監修の下、各アーティストの後継者、建築家、アーティスト、デザイナーなどが当時の作品群の復元に取り組みつつ、新しい作品も加わっています。

メインの建物は、30部屋だったものを16部屋のスイートルームに変更し、8人のアーティストによって、部屋がそれぞれデザインされています。

外の庭はバワの兄、ベヴィス・バワによって設計されたものだそうです。

また、このホテルは城壁のような石の壁の上にホテルが建っていますが、これはオランダ東インド会社が作った小さなフォート(要塞)の上に建てたもので、フォートの城壁が一部使われています。

宿泊せず見学することも可能です。まずはレセプションで「建築に興味がある」と伝えましょう。
アートキュレーターが滞在していれば、英語で建築やアート作品の解説をしてくれる、有料の見学ツアーを案内してくれます。
アートキュレーター不在時や見学ツアーが不要の場合も、自由にホテル内を見学させてくれます。

ターラ・ベントタ(Thaala Bentota)

ターラ・ベントタ(Thaala Bentota)(旧セレンディブ・ホテル)はスリランカ政府のベントタ観光開発計画でバワがベントタ・ビーチ・ホテルの次に手がけたビーチリゾートホテルです。

以前の名称はアヴァニ・ベントタ・リゾート&スパ(Avani Bentota Resort & Spa)で、2023年よりブラウンズホテル傘下になった際、名称もターラ・ベントタに変わりました。

※Thaala のカタカナ表記について、「ターラ」もしくは「サーラ」かははっきりしません。Google Mapでは「サーラ」、その他予約サイトなどでは「ターラ」となっています。「ターラ」表記のほうが多いため、本記事でも「ターラ・ベントタ」としていますが、シンハラ語の音の意味的には「サーラ」の方が近いのでは?と思っています。。

ビーチに面して横に伸びる2階建ての宿泊棟は大きな赤茶色の瓦屋根が特徴的です。
屋根には四角く穴が開いており、2階客室のバルコニーからもビーチが見えるように設計されています。

この不思議なデザインは、バワ建築の特徴のひとつ。
気づかれづらい場所にあるので、探索して見つけてみてください。
プールは2つあり、奥のプールがバワのオリジナルデザイン。

ヘリタンス・アーユルヴェーダ(Heritance Ayurveda)|バワ建築のアーユルヴェーダリゾート

ヘリタンス・アーユルヴェーダ(Heritance Ayurveda)(旧ザ・ネプチューン・ホテル)は、アルスガマの北隣の町、ベルワラ(Beruwala)にある本格的なアーユルヴェーダリゾート。

草木が茂る整えられた広い庭を、送迎用の車で抜けるとレセプションがあります。

レセプションの先にはラキ・セナナヤカのレリーフがあります。
さらに進むと、バルコニーからプールと、ヤシの木、砂浜の海の眺めが見てとても美しいです。

ここでは、アーユルヴェーダドクターの診断の元、各自にあった施術・食事・薬が用意されるため、薬が置かれる宿泊者用の棚があります。

ヘリタンスアフンガッラ(Heritance Ahungalla)|バワ初のインフィニティプール

バワが最初にインフィニティープールを導入したホテル、ヘリタンスアフンガッラ(Heritance Ahungalla)(旧トライトン・ホテル)。

ベントタから南に15kmほどのアフンガッラの町にあります。

バワの傑作ホテルと言われるヘリタンス・カンダラマにもインフィニティープールはありますが、バワが最初にインフィニティープールを作ったのがこちらのホテルです。

比較的安く泊まることができます。

ブリーフ・ガーデン(Brief Garden)|兄ベヴィスバワの自邸&庭園【見学のみ】

兄ベヴィス・バワ(Bevis Bawa)は造園家として知られています。
ベントタ郊外にあるブリーフ・ガーデン(Brief Garden)にはミステリーの女王アガサ・クリスティーや、オーストラリアの著名芸術家のドナルド・フレンドなど世界の著名人が訪れています。

ガイドツアーがあり、決まった時間に回るルヌガンガとは違い、こちらは自由に見学するスタイルです。
なお、こちらに宿泊することはできません。

見学して回ると、ルヌガンガとの共通点と相違点が見られ、非常に興味深いです。

ドナルド・フレンドはベヴィスの恋人と言われ、ブリーフガーデンに6ヶ月間ほど滞在し、多くの作品を創作しています。

バワ兄弟はゲイだったそうです。
このドナルド・フレンドは後に、ジェフリー・バワをバリ島のサヌールに招聘して、アジアリゾートの源流となる別荘「バトゥシンバ」を建てています。

さらにその後、アマンリゾートのエイドリアン・ゼッカはバトゥシンバのドナルド・フレンドの別荘に住んだことからアマンリゾート、アジアンリゾートの原点としてジェフリー・バワの存在が知られることになります。

ブリーフ・ガーデンには日本庭園もあり、バワ建築が日本人の心に響くそのバックグランドが垣間見えるように思います。

ベントタ駅、ベントタ・リゾート・ビレッジ【見学のみ】

アヴァニ・ベントタから歩いてすぐのところにあるベントタ駅も、ジェフリーバワによる設計です。
駅のメンテナンスはターラ・ベントタが行なっています。

駅はツーリストビレッジにもなっており、陸橋、公共スペース、交番、郵便局、銀行、人口の池、ショッピングアーケードなどが作られました。

陸橋を渡った先のビーチ側は公共の遊び場として作れ、今も使われています。
遊び場にはスリランカ伝統のアンバラマ(Ambalama:修行者、商人、旅行者が旅路で休憩するための小屋)に模したシェルターが作られましたが、それは残念ながら今はなくなっています。

ベントタのバワ関連スポットの地図

モデルルートで巡るベントタのジェフリー・バワ建築

【補足|ホテル建築の見学について】

バワ設計のホテルは、宿泊しなくても見学できるケースが多いのが特徴です。
レセプションで「日本から来ていて、ジェフリー・バワ建築に興味がある」と伝えると、見学を許可してもらえることがほとんどです。

閑散期であればスタッフが簡単に案内してくれることもありますが、ハイシーズンや混雑時は自由に見て回るスタイルになる場合が多いでしょう。
※対応は時期や当日の状況によって異なり、必ず見学できるとは限りません。

モデルルート①|半日(コロンボからの日帰り)

時間が限られている方向けのモデルルートです。コロンボからの日帰り訪問を想定しています。

  • 11:00 ルヌガンガのガーデンツアーに参加
  • 午後 シナモン・ベントタ・ビーチ・ホテルを見学(館内見学のみ、またはランチ利用もおすすめ)
  • その後 徒歩圏内のベントタ駅を見学

時間に余裕があれば、近隣にあるクラブ・ヴィラブティック87を追加するのも良いでしょう。いずれも大きく離れていないため、組み込みやすいスポットです。

また、ゴール〜コロンボ間の移動途中で立ち寄る場合や、
「時間が読めない」「1か所だけでも見たい」という場合には、事前予約なしで見学できるシナモン・ベントタ・ビーチ・ホテルがおすすめです。
バワと協働したアーティストたちの作品も数多く展示されており、短時間でもバワ建築の世界観を体感できます。

モデルルート②|2日間(宿泊を含めてじっくり)

ベントタで宿泊しながら、バワ建築をしっかり巡りたい方向けのモデルルートです。

  • 午前:ブリーフ・ガーデンを見学
  • 昼前後:ブティック87、クラブ・ヴィラを見学
  • 午後:シナモン・ベントタ・ビーチ・ホテルを見学
  • 15:00 ルヌガンガのガーデンツアーに参加
  • 夕方以降:バワ設計のホテルにチェックイン

時間帯によって変化する建築の表情を、宿泊ならではの視点で楽しめます。

2泊できる場合は、ベントタから南へ足を延ばし、ヘリタンス・アフンガッラを組み込むのもおすすめです。2泊あればベントタ周辺の主要なバワ建築をほぼ網羅することができます。

ルヌガンガ、ブリーフガーデンはメインの大通りであるゴールロードから離れていますので、事前にタクシーを手配しておくのが便利です。

ベントタにも配車アプリのPickMeの車両は見つかりますが、あまり台数がなく待つことになります。
また、見学中はドライバーさんに待っていてもらわないといけませんので、途中でドライバーさんにキャンセルされたり、急かされたりすることもあります。

ゆっくり自分のペースで見学するには、車の手配を事前にされていくことをお勧めいたします。
車の手配についての詳細・ご相談はこちらのページから承ります。

ベントタは、バワが作り出した世界をビーチリゾートと共に楽しめる格好の場所です。

スリランカファン・バワファンだけでなく、多くの人々を引きつけるバワ建築の魅力。
バワが理想とした自然と一体となった空間を、ベントタで味わってみてください。

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