NHK「世界はほしいモノにあふれている」光り輝く島 スリランカへ
2021年1月14日放送、NHK「世界はほしいモノにあふれている」光り輝く島 スリランカへ はフォトグラファーの石野明子さんを主役に、スリランカについて知る番組でした。
スリランカと日本側を合わせて、スリランカの主な観光資源が紹介されている良い番組でした。
放送後の一週間は、本を買うよりもずっと安い値段で番組を閲覧できますので、見逃された方やもう一度見直した方は、是非ご覧ください。
番組で紹介されていた内容を調べましたので、番組の復習にもご活用ください。
目次
フォトグラファー石野明子さん(スタジオフォート)
今回の番組はスリランカ在住の石野さんが主に登場されています。
冒頭に東海岸の白い砂浜の写真が紹介されますが、東海岸のトリンコマリー・パーシクダーを特集した弊誌第3号「いざ、東の海へ」の表紙・特集記事の写真は石野さんに撮影いただいた写真です。
また、シーギリヤが間近に見えるホテル「ホテルシーギリヤ」の記事も石野さんに撮影いただいた写真です。
誌面は以下のページからご覧いただけます。
スパイスアップ・スリランカVol.3「いざ、東の海へ〜トリンコマリー・パジョンアイランド・パーシクダー」
また、石野さんと旦那さんの庄司さんのお二人にインタビューした記事を当サイトに掲載しております。
バナナ(ケセル)
スリランカには、バナナが何種類もあることが紹介されています。
バナナの祖先種がスリランカに自生
バナナの祖先種は2つあり、中国南部原産のリュウキュウバショウがスリランカには自生しています。
バショウ(芭蕉)とは、バナナの日本での古い呼称です。
日本には中国から琉球を通して伝承したのでしょう。
マレーヤマバショウ(祖先種)
マレー半島原産で、栽培が始められたのはパプアニューギニアと考えられています。
マレーヤマバショウが自生しているのは、マレー諸島(パプアニューギニア、東ティモール、インドネシア、フィリピン、マレーシア、ブルネイ)と、インドシナ半島(ベトナム南部、カンボジア、タイ、ラオス北部、ミャンマー)です。
リュウキュウバショウ(祖先種)
中国南部が原産で、中国南部、ミャンマー北西部、バングラディシュ、インド南西部、スリランカに自生しています。
バナナはシンハラ語でケセル
いくつもバナナの種類が紹介されていますが、英語名とシンハラ語名があります。
味や見た目から名称がついていますので、英語と対応させるとシンハラ語を覚える助けになります。
英語名:サワー・バナナ、シンハラ語名:アンブル・ケセル
英語名:シュガー・バナナ、シンハラ語名:シーニ・ケセル
英語名:レッド・バナナ、シンハラ語名:ラトゥ・ケセル
英語名:コリクットゥ・バナナ、シンハラ語名:コリクットゥ・ケセル
日本はバナナの8割をフィリピンから輸入していますが、そのほとんどがキャンディッシュと言われる栽培品種ですが、上記の4つとは違う品種ですので、スリランカでバナナを食べると、日本で食べるバナナと違うと感じるでしょう。
バナナの語源
アラビア語の指先を意味するbananが西アフリカのセネガル・ガンビア・モーリタニアで話されているウォロフ語でbanaanatとなり、コンゴ川の河口の港「banana」になり、バナナ港からヨーロッパに伝わって、バナナと呼ばれるようになったのではないかと言われています。
ボルネオ島南部からマダガスカル島への移民とともにバナナが伝わり、交易で訪れていたアラブ人によって東アフリカにもたらされ、中央アフリカ、そして、西アフリカに伝わったと思われます。
以下の記事では、バナナ6種類の食べ比べを行っていますのでご覧ください。
スリランカ人にどのバナナが好きか99人から回答を得た結果があります。
スリランカの食材
バナナの花
スリランカではバナナの花も食材としてポピュラーです。
キャッサバ(マンニョッカ)
マンニョッカ(キャッサバ)が紹介されています。
キャッサバの原産地は中南米です。
スペイン語・ポルトガル語では「マジョンカ(mandioca)」といい、スリランカは歴史的にポルトガルの侵略を受けていますので、マンニョッカという呼称はポルトガル語由来だと思われます。
ちなみに、日本ではパンを英語のブレットではなく、ポルトガル語由来の「パン」と呼びますが、スリランカでも「パーン」とポルトガル語由来の名称になっています。
キャッサバは英語で「カッサーバ(cassava)」といい、日本語のキャッサバは英語由来だと思います。
ダンバラ(四角豆)のさや
名前は実の断面がひだのついた四角形なことから。
ハーブティー
ハーブティーはそれぞれに効能があることに加えて、カフェインフリーなのも嬉しい点です。
番組で紹介されていたハーブを見ていきましょう。
イラムス
薬効としては血行を促進し、細胞を活性する効果があるとされ、冷え性に良いそうです。
ベリマル
ベリリーフと同じベリの木の、花(mal)を使ったハーブティー。
主に呼吸器の不調を緩和する。
スリランカの特に暑い地方では、ジャガリ(=孔雀椰子の固形糖蜜)をかじりながらベリのお茶を飲む習慣があります。
ベリの花には食欲増進作用や、解熱作用、鎮痛作用、渇き・嘔吐・下痢・消化不良の緩和作用もあります。高糖・高血圧の症状改善にも効果があるとされています。
ソリザヤノキ
別名:Broken Bones Tree
樹皮や根を塗り薬に使います。
関節炎やリウマチの良いそうです。
ミロバラン
ミロバランは、パーリ語仏典にも登場するそうです。
仏典の中で、仏陀が成道後、激しい腹痛を患った際に、その様子を見たインドラ神(帝釈天)がミロバランの果実を仏陀に与え、腹痛が即座に癒されたと述べられているそうです。
インドセンダン
その名の通りインド原産。
炎症や痛みを抑えたり、発疹に効き目があります。
葉を体に張り、皮膚の病気の改善に使用します。
ハーブについては、以下の本で分かりやすく、まとめられています。
アーユルヴェーダ石鹸
ベニバル(ヴェニヴェールゲダ)
ベニバルは肌に非常に良く、なめらかで健康的な肌作りをサポートします。
特に乾燥からのしわと粗さを軽減するのに役立ちます。
殺菌する力が強く、肌を綺麗にする効果もあります。
ターメリック
ターメリックには肌を整えたり、殺菌作用、浄化作用があるといわれています。
怪我をした後にかさぶたの跡が取れないときや、肌の病気や湿疹、ニキビや吹き出物のケアにも使われます。
ターメリックに含まれるクルクミンは、それ自身が抗酸化作用を持っていますが、体内に吸収されるとテトラヒドロクルクミンという強力な抗酸化物質に変化し活性酸素をやっつけて肌の老化を防止します。
肌を一段明るくする効果もあり、ターメリック・蜂蜜・ライムで混ぜたパックをすると、くすみが取れるそうです。
ココナッツ
オイリー肌をコントロールし、肌をしっとりさせます。
ライム
脂を抑えたり、集中力を高めます。
気持ちを前向きにします。
アーユルヴェーダ石鹸については、以下の記事をご覧ください。
アーユルヴェーダオイル
Neelyadi
美しい黒髪という名前。
25種類のハーブが使われています。
アーユルヴェーダのオイルマッサージについては、以下の記事をご覧ください。
アーユルヴェーダの老舗「シッダレパ」
スリランカ家庭に普及しているアーユルヴェーダバームを製造するシッダレパが紹介されています。
取材先は最新モール「One Galle Face Mall」の中の店舗です。
以下の記事で詳しく紹介しています。
アーユルーヴェーダリゾート「カルナカララ」
カルナカララは東京・代官山に店舗と、ニゴンボ郊外にリゾートがあります。
スリランカの施設紹介動画で映っているドクターはジェットウイング・アーユルヴェーダで活躍されていたディネッシュ医師です。
アーユルヴェーダのトリートメント
ニールグンディ
冷えや筋肉のこわばりの改善に効果がある。
シロダーラ
アーユルヴェーダのトリートメントの看板的な施術。
施術については、こちらの本に詳しいです。
スパイス
パクチー(コリアンダー)
シンハラ語名:コッタマッリ
英語名:コリアンダー
タイ語名:パクチー
地中海東部沿岸が原産。
カレーリーフ
カレーノキ(大葉月橘:オオバゲッキツ)の葉のことで、香りつけに使われます。
ランペ(パンダン)
シンハラ語名:ランペ
英語名:パンダンリーフ(マレー語のパンダナスに由来)。
トゥナパハ(カレーパウダー)
トゥナ(3の意味)、パハ(5の意味)で、カレーの調理の最後に香りづけで入れる調合したスパイス。
クローブ、カルダモン、シナモン、フェヌグリーク、マスタードシード、クミン、カレーリーフ、ランペ、シナモンなどが使われます。
各家庭それぞれに調合があります。
鰹節(モルディブフィッシュ)
シンハラ語名:ウンバラカダ
英語名:モルディブ・フィッシュ
モルディブ産の鰹節。
スリランカ料理
パンケーキ(アーッパ)
シンハラ語名:アーッパ
英語名:ホッパー(逆円錐の漏斗を指す言葉で、その形から)
米粉・ココナッツミルクで作る南いんどのパンケーキ
ポルサンボーラ
シンハラ語:ポル・サンボーラ
タミル語:テンカイ・サンプル
英語名:ココナッツ・サンボル
ココナッツをベースにモルディブフィッシュやライム、唐辛子、塩、ライムなどを混ぜてひいて作る付け合わせ。
世界遺産「シーギリヤロック」
こちらの記事を参照ください。
熱帯リゾートの父・ジェフリーバワ
ジェフリーバワ設計のホテルとして、「ヘリタンス・カンダラマ」、「ヘリタンス・アフンガッラ」、「ジェットウィング・ライトハウス」が紹介されています。
世界遺産「ゴール」
石野さんがゴールを紹介しています。
宝石
スリランカで採掘される代表的な宝石
・ロイヤルブルーサファイア(イギリス王室では婚約の証としてスリランカ産のブルーサファイアを渡す)
・ブルーサファイア
・イエローサファイア
・パパラチアサファイア
・ルビー
・アクアマリン
などがスタジオで紹介されています。
スリランカで採れる宝石については、以下の記事をご覧ください。
スリランカ以外で採掘される宝石
若者向けのジュエリーを作るアマンダさんが登場します。
その後に紹介されているのは以下の4つの宝石です。
■ラピスラズリ
アフガニスタン北東部のバダフシャーン州のサリサング鉱山が最大の産地。
ラピスはラテン語で石、ラズリはペルシャ語のサリサング鉱山の古名。
ラズリはアラビア語の空・青を表すラズワルドの語源となり、ラズワルドはフランス語の青系統を表すアジュールの語源。
和名は瑠璃。
モース硬度は5〜5.5
主成分はラズライト(青金石)。
ウルトラマリンの原料。ウルトラマリンは地中海(マリン)を超えて(ウルトラ)きたという意味。
■モルガナイト
ピンク色ないし淡赤紫色の緑柱石(ベリル)。
淡青色の緑柱石はアクアマリン。
名前はモルガン財閥の創始者ジョン・モルガン(宝石コレクターでした)。
iteはラテン語で鉱物・化石などの意味。
アンモナイトも同様。
■セラフィナイト
バイカル湖近辺で飲み産出される緑色の宝石。
和名は緑泥石。
■ブラックルチル
ラテン語のrutilus(金紅色)に由来し、日本語名は金紅石。
石英(水晶)の中に針状結晶が入ることがあります。
番組で紹介されている宝石には黒く針状結晶が入っています。
スパイス・スリランカ第3号「スリランカジュエリーの歴史と魅力〜宝石採掘から手に届くまで」では、石野さんに表紙・特集ページの写真撮影をしていただいています。ぜひご覧ください。
スリランカ内戦
スリランカ内戦については、こちらの記事をご覧ください。
ファブリック(バティック、ビラル)
スリランカ南部の沿岸で作られてきた伝統的な織物「ビラル」、インドネシア由来のバティックなどが伝統的なファブリックとして紹介されています。
よく知られたファブリックメーカーについては、以下の記事をご覧ください。
まとめ
スリランカの多面的な魅力が凝縮された番組になっていました。
スリランカを紹介する石野さんが、スリランカ愛に溢れていて、素敵だなと思いました。
参照
バナナ大学「バナナの歴史」
バナナ大学「バナナの貿易学」
roarmedia「Banana Nation: Your Comprehensive Guide To Sri Lankan Bananas」
ウィキペディア「バナナ」
ウィキペディア「バナナ (種)」
ウィキペディア「プランテン」
wikipedia「banana」
ウィキペディア「ウォロフ語」
ウィキペディア「キャベンディッシュ (バナナ)」
健康にも良いバナナの花の食べ方を紹介〜!
ダンバラ(シカク豆)サンボル
インド亜大陸のハーブ V ~スリランカのメディカルハーブ
ソリザヤノキ
インド亜大陸のハーブ III ~インド亜大陸の代表的な植物
ウィキペディア「インドセンダン」
スリランカの石鹸 ベニバル&ターメリック
ウィキペディア「コリアンダー」
ウィキペディア「オオバゲッキツ」
ウィキペディア「ラピスラズリ」
ウィキペディア「ウルトラマリン」
ウィキペディア「青金石」
アヒマディ博士のジュエリー講座 Vol.35人類の最初の宝石 「ラピスラズリ」
ウィキペディア「七宝」
ウィキペディア「モルガナイト」
ウィキペディア「緑柱石」
ウィキペディア「金紅石」
SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTD Managing Director
SPICE UP TRAVELS (PVT) LTD Managing Director
「旅と町歩き」を仕事にしようとスリランカに移住。
地図・語源・歴史・建築・旅が好き。
1982年7月、東京都世田谷区生まれ。
2005年4月、法政大学社会学部社会学科を卒業後、六本木の人材系ネットベンチャーに新卒入社。
2015年6月、新卒採用支援事業部長、国際事業開発部長を経てネットベンチャーを退社。
2015年7月、公益財団法人にて東南アジア研修を担当しながら、新宿ゴールデン街で訪日外国人向けバーテンダー。
2016年7月、スリランカに初めて渡航し、法人設立の準備を開始。
2017年1月、SPICE UP LANKA CORPORATION (PVT) LTDを登記。
2017年2月、スリランカ情報誌「スパイスアップ・スリランカ」創刊。
2018年2月、スリランカ観光情報サイト「スパイスアップ」開設。
2019年11月、日本人宿「スパイスアップ・ゲストハウス」オープン。
2020年8月、ニュースレターの配信を開始。
2020年10月、WAOJEコロンボ支部立ち上げ初代支部長に就任。
2023年2月、スリランカ日本人会理事・広報部長に就任。
2025年6月、SPICE UP TRAVELS (PVT) LTDを登記。
渡航国:台湾、韓国、中国、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア、カンボジア、タイ、ミャンマー、インド、スリランカ、モルディブ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、ケニア、タンザニア、ウガンダ、フランス、イギリス、アメリカ
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